国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

日本の文系エリートと理系エリート

2011年10月15日 | 日本国内

●財務事務次官 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B2%A1%E5%8B%99%E4%BA%8B%E5%8B%99%E6%AC%A1%E5%AE%98

昭和20年以降の大蔵・財務事務次官
 氏   名 就任年月日
田 中   豊 昭20. 2.23
山 際 正 道 20. 4.13 東京高師附中(現・筑附中高)→旧制一高→東大経
山 田 義 見 21. 1.30 佐賀県立唐津中学→旧制五高→東大法
池 田 勇 人 22. 2. 6 広島県立旧制忠海中学→旧制五高→京大法
野 田 卯 一 23. 3.11 岐阜中学→旧制一高→東大法
長 沼 弘 毅 24. 2.18 東京一中→旧姓静岡高校→東大法
舟 山 正 吉 26. 4.20
河 野 一 之 28. 8.14 東京四中→旧制一高→東大法
平 田 敬一郎 30. 7.19
森 永 貞一郎 32. 5.31 宮崎県立小林中学→旧制五高→東大法
石 田   正 34. 6.23
石 原 周 夫 36. 5.30
石 野 信 一 38. 4. 1 神戸三中→旧制大阪高→東大法
佐 藤 一 郎 40. 4.23 旧制一高→東大法
谷 村   裕 42. 1.10 暁星中学→旧制一高→東大法
村 上 孝太郎 43. 6. 7
澄 田   智 44. 8. 6 東京高師附中(現・筑附中高)→旧制一高→東大法
鳩 山 威一郎 46. 6.11 旧制東京府立高(現都立大)→東大法
吉 國 二 郎 47. 6.27 旧制東京府立高(現都立大)→東大
相 澤 英 之 48. 6.26 横浜一中(現希望ヶ丘高校)→旧制一高→東大法
 木 文 雄 49. 6.26 慶応幼稚舎→慶応普通部→旧制浦和高→東大法
竹 内 道 雄 50. 7. 8 東京一中(現日比谷高校)→旧制一高→東大法
吉 瀬 維 哉 52. 6.10 旧制一高→東大法
大 倉 真 隆 53. 6.17 旧制一高→東大法
長 岡   實 54. 7.10 東京一中(現日比谷高校)→旧制一高→東大法
田 中   敬 55. 6.17 ?→旧制一高→東大法
高 橋   元 56. 6.26 旧制東京府立高→東大法
松 下 康 雄 57. 6. 1 神戸一中(現神戸高校)→旧制一高→東大法
山 口 光 秀 59. 6.27 東京一中(現日比谷高校)→旧制一高→東大法
吉 野 良 彦 61. 6.10 東京一中(現日比谷高校)→旧制一高→東大法
西 垣   昭 63. 6.15 ?→旧制一高→東大法
平 澤 貞 昭 平元. 6.23 都立戸山→東大法
小 粥 正 巳 2. 6.29 東京第四中(現戸山高校)→旧制一高→東大法
保 田   博 3. 6.11 都立日比谷→東大法
尾 崎   護  4. 6.26 都立小石川→東大法
斎 藤 次 郎  5. 6.25 都立新宿→東大法
篠 沢 恭 助  7. 5.26 東京教育大付属→東大法
小 川   是  8. 1. 5 都立戸山→東大法
小 村   武  9. 7.15 和歌山県立星林→東大法
田 波 耕 治 10. 1.30 都立日比谷→東大法
薄 井 信 明 11. 7. 8 都立戸山→東大法
武 藤 敏 郎 12. 6.30 私立開成→東大法
財務事務次官
 氏   名 就任年月日
武 藤 敏 郎 平13. 1. 6 
林   正 和  15. 1.14 東京教育大付属駒場→東大法
細 川 興 一  16. 7. 2 富山県立富山→東大法
藤 井 秀 人  18. 7.28 島根県立松江南→京大法
津 田 廣 喜  平19. 7.10 北海道立手塩→東大法
杉 本 和 行  20. 7. 4 兵庫県立姫路西→東大法
丹 呉 泰 健  21. 7.14 私立開成→東大法
勝   栄二郎 22. 7.30 私立独協→東大法
http://www.jihyo.co.jp/pdf/2011zaimu4.pdf
旧制東京府立高は中高一貫




●日本のノーベル賞受賞者

東京大学出身のノーベル賞受賞者
根岸英一 化学賞 神奈川県立湘南高校卒業→東京大学工学部応用化学科卒業→社会に出てから、ペンシルバニア大学に留学
大江健三郎 文学賞 愛媛県立内子高校→愛媛県立松山東高校に編入し、卒業→東京大学文学部フランス文学科卒業
小柴昌俊 物理学賞 旧制神奈川県立横須賀中学(現神奈川県立横須賀高校)卒業→東京明治工業専門学校(現明治大学理工学部)卒業→旧制第一高校(現東京大学)卒業→東京大学理学部物理学科卒業→東京大学大学院→ロチェスター大学大学院修了
江崎玲於奈 物理学賞 旧制同志社中学(現同志社高校)卒業→旧制第三高校(現京都大学)卒業→東京帝国大学理学部物理学科卒業
南部陽一郎 物理学賞 旧制福井県立福井中学(現福井県立藤島高校)卒業→旧制第一高校(現東京大学)卒業→東京帝国大学理学部物理学科卒業
佐藤栄作 平和賞 旧制山口中学(現山口県立山口高校)卒業→旧制第五高校(現熊本大学)卒業→東京帝国大学法学部法律学科卒業
川端康成 文学賞 旧制大阪府茨木中学(現大阪府立茨木高校)卒業→旧制第一高校(現東京大学)卒業→東京帝国大学文学部英文学科→東京帝国大学文学部国文学科に移籍し、卒業

京都大学出身のノーベル賞受賞者
利根川進 生理学・医学賞 東京都立日比谷高校卒業→京都大学理学部化学科卒業→京都大学大学院理学研究科→カリフォルニア大学サンディエゴ校博士課程修了
野依良治 化学賞 灘高校卒業→京都大学工学部工業化学科卒業→京都大学大学院工学研究科工業化学専攻博士課程修了
福井謙一 化学賞 旧制大阪府立今宮中学(現大阪府立今宮高校)卒業→旧制大阪高校(現大阪大学)卒業→京都帝国大学工学部工業化学科卒業
湯川秀樹 物理学賞 旧制京都府立京都第一中学(現京都府立洛北高校)卒業→旧制第三高校(現京都大学)卒業→京都帝国大学理学部物理学科卒業
朝永振一郎 物理学賞 旧制京都府立京都第一中学(現京都府立洛北高校)卒業→旧制第三高校(現京都大学)卒業→京都帝国大学理学部物理学科卒業

名古屋大学出身のノーベル賞受賞者
小林誠 物理学賞 愛知県立明和高校卒業→名古屋大学理学部物理学科卒業→名古屋大学大学院理学研究科修了
益川敏英 物理学賞 名古屋市立向陽高校卒業→名古屋大学理学部卒業→名古屋大学大学院理学研究科士課程修了

東北大学出身のノーベル賞受賞者
田中耕一 化学賞 富山県立富山中部高校卒業→東北大学工学部電気工学科卒業

北海道大学出身のノーベル賞受賞者
鈴木章 化学賞 北海道立苫小牧高校(現北海道苫小牧東高校)卒業→北海道大学理学部化学科卒業→北海道大学大学院理学研究科化学専攻博士課程修了

東京工業大学出身のノーベル賞受賞者
白川英樹 化学賞 岐阜県立高山高校(現岐阜県立飛騨高山高校)卒業→東京工業大学理工学部化学工学科卒業→東京工業大学大学院理工学部研究科博士課程化学工学専攻科修了

長崎大学出身のノーベル賞受賞者
下村脩 化学賞 旧制長崎県立佐世保中学→旧制大阪府立住吉中学(現大阪府立住吉高校)に転校、→旧制長崎県立諫早中学(現長崎県立諫早高校)に転校し、卒業→長崎医科大学附属薬学専門部(現長崎大学薬学部)卒業
http://univranking.schoolbus.jp/00000278.htm




●日本の理系ノーベル賞候補者(同じ業績で他の候補者が受賞し可能性が低くなった者を含む)
特に有力な候補者
http://commutative.world.coocan.jp/blog/2008/03/post_604.html
◆物理学賞部門 
十倉好紀(東大教授) 東京大学工学部卒 兵庫県立西脇高卒
飯島澄男 電気通信大電気通信学部卒 都立上野高校卒
中沢正隆(東北大電通研教授) 金沢大学工学部卒 甲府南高卒
中村修二(カリフォルニア大学サンタバーバラ校・材料物性工学部教授) 徳島大工学部卒 愛媛県立大洲高卒
西澤潤一(東北大学名誉教授) 東北大学工学部卒 仙台二中(現仙台二高)→旧制二高卒
赤崎 勇(名大名誉教授) 京都大学理学部卒 鹿児島県立甲南高卒

◆化学賞部門 
新海征治(九州大教授) 九州大学工学部卒 福岡県福津市出身
遠藤守信(信州大教授) 信州大学工学部卒 長野県須坂高等学校卒

◆医学生理学賞部門
山中伸弥(京大再生医研教授) 神戸大学医学部卒 大教附天王寺卒
審良静男(阪大教授) 大阪大学医学部卒 大阪府立高津高校卒


その他の候補者
◆物理学賞部門 
有馬朗人(武蔵学園学園長) 東京大学理学部卒 静岡県立浜松北高校→旧制武蔵高卒
梶田隆章(東大宇宙研教授) 埼玉大学理学部卒 埼玉県立川越高校卒
鈴木厚人(東北大理研教授) 新潟大学卒 新潟高校卒
天野 浩(名城大教授) 名古屋大学工学部卒 浜松西高卒
田中靖郎(JAXA名誉教授) 大阪大学卒 大阪府立第13中(現豊中高)卒
近藤 淳(産業技術総研フェロー) 東京大学理学部卒 東京都出身
守谷 亨(東大教授) 大阪大学理学部卒 神奈川県生まれ
近藤都登(早大教授、筑波大名誉教授) 東京大学理学部卒 出身不明
大栗博司(カリフォルニア工大教授) 京都大学理学部卒 岐阜高校卒
大野英男(東北大教授) 東大工学部卒 東京出身
佐藤勝彦(東大名誉教授) 京大理学部卒 香川県立丸亀高校卒
佐藤文隆(京大名誉教授) 京大理学部卒 山形県立長井高校卒
冨松 彰(名大理学部教授) 京大理学部卒 大阪府出身
外村 彰(日立製作所) 東大理学部卒 東京都立新宿高校
野田 進(京大工学部教授) 京大工学部卒 京都府出身
蔵本由紀(京大名誉教授) 京大理学部卒  大阪府出身
前野悦輝(京大理学研究科教授) 京大理学部卒 京都府出身
土井正男(東大工学研究科教授) 東大工学部卒 愛知県立時習館高校卒
上田亮(京大名誉教授) 京大工学部卒 出身不明
松波弘之(京大名誉教授) 京大工学部卒 大阪府立市岡高校卒


◆化学賞部門 
玉尾皓平(理化学研センター長) 京都大学工学部卒 香川県立観音寺第一高校
中西香爾(コロンビア大教授) 名古屋大学理学部卒 旧制甲南高校卒(中高一貫)
本多健一(東大名誉教授) 東京大学工学部卒  埼玉県出身
藤嶋 昭(東大名誉教授) 横浜国立大学工学部卒 東京都生まれ
相田卓三(東大化生工学教授) 横浜国立大学工学部卒 大分県立上野丘高校
神原秀記(日立製作所フェロー) 東京大学教養学部卒 水戸一高卒
藤田 誠(東大教授) 千葉大学工学部卒 出身不明
鈴木啓介(東工大教授) 東京大学理学部卒 湘南高校卒
諸熊奎治(エモリー大名誉教授) 京都大学工学部卒 大阪府立今宮高校卒
岸 義人(ハーバード大名誉教授) 名古屋大学理学部卒 愛知県出身
橋本和仁(東大先端研所長) 東京大学理学部卒 函館ラサール高校卒
岩村 秀(東大名誉教授) 東京大学理学部卒 宮崎県立宮崎大宮高等学校卒業
近藤 保(東大理学部元教授) 出身不明
前川禎通(東北大金属材料研教授) 大阪大学理学部卒  出身不明
関口 章(筑波大学教授) 群馬大学工学部卒 出身不明
中村栄一(東大理学部教授) 東京工業大学理学部卒 東京教育大附属駒場高校卒
小林 修(東大理研教授) 東京大学理学部卒 出身不明
小池康博(慶大教授) 慶応義塾大学工学部卒 長野県立諏訪清陵高校卒
吉田潤一(京大工学部教授) 京都大学工学部卒 京都教育大学附属高校
北川 進(京大工学科教授) 京都大学工学部卒 京都市立塔南高校
北川 宏(京大理学研究科教授) 京都大学理学部卒 大阪府出身
菅 滋正(阪大基礎工学研教授) 東京大学工学部卒 岡山県立岡山朝日高校卒
向山光昭(東大、東工大名誉教授) 東工大卒 旧制成蹊小・中・高卒
岡本佳男(名大名誉教授) 大阪大理学部卒 兵庫県立尼崎北高校




◆医学生理学賞部門
中西重忠(京大教授) 京都大学医学部卒 大垣北高校
早石 修(京大名誉教授) 大阪大学医学部卒 旧制北野中学→旧制大阪高校卒
本庶 佑(京大名誉教授) 京大医学部卒 山口県立宇部高校
浅島 誠(東大教授) 東京教育大学理学部卒 新潟県立佐渡高校卒業
谷口維紹(東大教授) 東京教育大卒 和歌山県立耐久高校卒
伊藤正男(東大名誉教授) 東大医学部卒 愛知一中(現旭丘高校)卒→旧制第八高等学校
福山 透(東大薬学研教授) 名古屋大学農学部卒 愛知県立岡崎高校卒
長田重一(京大教授) 東京大学理学部卒 金沢大附属高卒
杉本八郎(京大薬学研客員教授) 中央大学理工学部夜間部卒 東京都立化学工業高校卒
増井禎夫(トロント大名誉教授) 京都大学理学部卒 京都二中入学→京都一中(現洛北高)特別学級へ転校→旧制三高
柴崎正勝(東大薬学研教授) 東京大学卒 浦和高校卒
小川誠二(小川脳研所長) 東京大学工学部卒 都立上野高校卒
岸本忠三(阪大総長) 大阪大学医学部卒 大阪府立富田林高等学校卒業
森 和俊(京大理学研教授) 京都大学薬学部卒 岡山県出身 岡山県立倉敷青陵高等学校
柳沢正史(テキサス大教授) 筑波大学医学専門学群卒 私立武蔵高校卒
河岡義裕(東大医研教授) 北海道大学獣医学部卒  神戸高校
遠藤 章(東北大特任教授) 東北大学農学部卒 秋田市立高校(現 秋田中央高校)卒
竹市雅俊(京大理学部名誉教授) 名古屋大学理学部卒 名古屋市立向陽高等学校卒業
多田 高(京大再生医研准教授) 大学高校とも不明
柳田敏雄(阪大教授) 大阪大基礎工学部卒 高校不明




【私のコメント】
日本の文系エリートと理系エリートの学歴を調べてみた。文系エリートは昭和20年以降の大蔵省・財務省の事務次官のうちで学歴が判明した者、理系エリートは理系のノーベル賞受賞者・候補者とした。前者のほとんどが東大法学部で京大法学部や東大経済学部が少し混じっている程度であること、後者が旧帝大理系学部に集中していることはよく知られている。

私が注目するのは出身の旧制中学・新制高校の場所である。極端な偏りが見られるからだ。大蔵・財務事務次官の出身は新制高校17名のうち東京出身が12名、東京以外の首都圏はゼロ、首都圏以外が5名である。旧制中学では、判明した範囲だと首都圏(東京14名+神奈川1名)出身が15名で首都圏以外が6名である。旧制・新制の首都圏出身比率はそれぞれ71.4%と70.6%でほぼ等しい数値になっているのは偶然ではないだろう。

これに対して、理系ノーベル賞受賞者15名の内訳は東大4名、京大5名、名古屋大2名、北大・東北大・東工大・長崎医大附属薬学専門部1名となっており、東大の比率が低いのが特徴的である。首都圏の大学出身者は5名で比率は33.3%に過ぎない。更に、出身旧制中学・新制高校の内訳は首都圏3名(東京1名で神奈川2名)、首都圏以外が12名となっている。首都圏高校・旧制中学出身比率は20%、東京都の高校・旧制中学出身比率は6.7%に過ぎない。

東京の旧制中学・新制高校から東京大学に進学するという東京の一般的なエリートコースを進んだ者に限定するとこの偏りは更に大きくなる。大蔵・財務事務次官では38名中26名で占有率68.4%であるのに対して理系ノーベル賞は15名中0名で占有率も0である。

理系ノーベル賞では東海・北陸・京阪神の合計7府県の旧制中学・新制高校出身者が10名いるのが目立つ。内訳は富山県1名、福井県1名、岐阜県1名、愛知県2名、京都府3名、大阪府1名、兵庫県1名である。占有率は66.7%となる。これらの地域は製造業が盛んな地域でもあり、日本建国期から江戸時代まで日本の国家機能の中枢が置かれてきた。首都圏と並ぶ日本の先進地域と言えるだろう。新制高校卒業者8名について見ると、首都圏高校2名、北陸東海近畿5名、他地域1名で似通った傾向である。

ノーベル賞有力候補10名の出身の新制高校・旧制中学について見ると関西3名・首都圏1名・東海北陸0名・甲信越2名・その他4名とかなり分散する傾向だが、やはり首都圏が少ない傾向は変わらない。一般候補を含めた74名のうち出身新制高校・旧制中学が判明している者+出身地と出身大学が同じ地域であり恐らく出身地の新制高校・旧制中学卒業と思われる63名について見ると、首都圏14名、関西20名、東海北陸10名、甲信越5名、その他14名となっている。首都圏の比率は受賞者や有力候補ほど低くないが人口比に比べるとやはりやや少ない。人口比だと首都圏は17名、関西は11名程度、東海北陸8-9名、甲信越3名程度が妥当なので、関西が大健闘、甲信越が健闘、東海北陸がやや健闘というところだろうか。中国四国九州と北関東東北北海道は首都圏同様にやや低調である。

 私がこの統計で言いたいことは、日本のエリートは旧制中学・新制高校で見ると文系が東京一極集中、理系は首都圏は弱く関西を中心に中部地方にかけての地域にやや集中する傾向があることである。日本では旧制高校や新制大学受験の時に文系・理系を分けるので、旧制中学卒業の17才又は新制高校卒業の18才の時点での地域の環境が進路決定に大きな影響を与えていると思われる。

 冷戦崩壊後にオフィスにIT機器が導入され、インターネットが普及するようになってビジネスの環境は激変した。IT技術とインターネットを利用して高い人件費を節約して価格競争力で勝負するビジネスモデルが圧倒的に強くなり、既存のビジネスモデルの多くが危機を迎えている。個人投資家はネット証券に大挙して移動した。新聞やテレビ・雑誌は利用者が減って売り上げが激減している。出版業界はペーパーレスへの移行に抵抗しているが無駄な努力であり、iBookなどの電子端末に急速に移行することは確実だ。生命保険や損害保険も多数の営業マンを雇うビジネスモデルは破綻しており、恐らくネットの安い保険に完敗していくだろう。銀行や商社も過当競争の中で利幅は削られていくだろう。株式などの自己売買部門も、愚かな個人投資家が材料に素直に反応するのでその逆に価格を動かすことで無理矢理儲けを出している様な印象を持っており、決して価値を作り出している訳ではない。今後は利潤目的の機関投資家の短期売買は規制されていく可能性がある。

まとめると、結局起きているのは、自ら価値を作り出さず、理系技術者や芸術家が生みだした価値を搾取して高給を得ていた文系事務職・営業職が大量に失業していくという事態であり、これは現在進行形であって今後も進行し続ける。その結果、文系大卒者の高給の職場はどんどん減っていく事になる。そして、理系研究者や芸術家などの価値を生み出せる職が相対的に優位になる。

首都圏は中央官庁や大企業の本社が集中し、高度成長時代の膨大な事務職の需要で繁栄してきた。この強みが今や弱点に変わりつつある。文系重視で理系の研究を軽視する首都圏の文化が、21世紀の首都圏の衰退を生み出すことになるだろう。そして、理系研究職を重視する関西や中部地方が日本の繁栄の中心になっていくだろう。囁かれる大阪空港跡地や大阪駅北側貨物駅跡地への首都機能部分移転はそれを更に強めることだろう。





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9 コメント

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Unknown (然し)
2011-10-15 23:34:28
インドでは理系の大学院卒が年収50万円ぐらいで製薬会社に雇われていたりする。理系職は簡単にアウトソーシングできてしまう。だからこそ欧米は数十年前に見切りをつけた。
ちなみに日本の製造業の競争力は高収入で保護された理系大学院卒のエリートではなく凄まじい競争の中で創意工夫をし生き延びた下請け町工場の職人的な人たちが支えている。そこを勘違いしてはならない。
返信する
Unknown (ZRX)
2011-10-16 10:26:17
理論と実践は車の両輪。大学も、町工場も両方必要だと思う。

ただ、現在、理論の方の輪が利権構造でダメになっているのが大問題。役人と同じで、低リスク・高リターンです。仕事の結果ではなく、有力者に取は、部下が好きか嫌いで判断するから、競争原理が働かない。

こうしていると、結果が悪くなるのであるが、誰も有力者が責任を果たさない。切腹のあった江戸時代以下。

本田宗一郎氏は、戦争で上が居なくなったので、これだけ成長できたと語っていたが、今後の日本も同じように、上層部を一掃する必要が出てくると思う。


返信する
日本はなかなか変わらないという証拠 (fx)
2011-10-16 11:38:15
この人は理論物理の先生でしたが10年以上日雇いで生活しているようです:http://sekihin.jugem.jp/

この人が日雇いのままであるなら、日本は何も変わっていないということになります。
返信する
ジオン広告 (無形化世界の世界大戦)
2011-10-16 15:45:14
海外の出版社が取材、恐るべき日本の理数系
http://jyoudou.net/blog/2011/10/post-354.html

日本の出版社は上記に観られるように取材能力がない。
特にグローバルな世界(アジア)の情報収集力が低過ぎる。
返信する
Unknown (Unknown)
2011-10-17 12:00:51
結局戦前や戦争の反省していなかったのは左翼だったんだろう。

革命はおろか自らが経団連や高級官僚のように「一掃されるべき上の人間」になろうとは。
返信する
祝ノーベル賞受賞 (princeofwales1941)
2014-10-08 18:45:34
昨日の3名のノーベル賞受賞者と2年前受賞の山中教授はいずれも候補者名に挙がっている。このリストがかなり正しい者であると言えよう。

理系ノーベル賞受賞者19名の卒業大学の内訳は
京都大学6名
東京大学4名
名古屋大学3名
北海道大学・東北大学・東工大・神戸大・徳島大・長崎大各1名

卒業した旧制中学・新制高校の内訳は
京都府3名、愛知県・大阪府・神奈川県2名、、
北海道、東京都、富山県、福井県、静岡県浜松市、岐阜県、兵庫県、愛媛県、長崎県、鹿児島県各1名

浜松を西日本にすると、東日本4名、西日本15名と圧倒的格差になる。
返信する
日本のノーベル賞受賞者2016年時点 (princeofwales1941)
2016-12-01 23:46:29
理系ノーベル賞受賞者19名の卒業大学の内訳は
京都大学6名
東京大学5名
名古屋大学3名
北海道大学・東北大学・東工大・埼玉大・山梨大・神戸大・徳島大・長崎大各1名

卒業した旧制中学・新制高校の内訳は
京都府3名、愛知県・大阪府・神奈川県2名、
北海道、東京都、埼玉県、山梨県、富山県、福井県、静岡県浜松市、岐阜県、兵庫県、愛媛県、福岡県、長崎県、鹿児島県各1名
返信する
日本のノーベル賞受賞者2018年10月2日時点 (princeofwales1941)
2018-10-03 01:44:29
●日本のノーベル賞受賞者

東京大学出身のノーベル賞受賞者 8人
大隅良典 生理学・医学賞 福岡県立福岡高校→東京大学教養学部基礎科学科卒
根岸英一 化学賞 神奈川県立湘南高校卒業→東京大学工学部応用化学科卒業→社会に出てから、ペンシルバニア大学に留学
大江健三郎 文学賞 愛媛県立内子高校→愛媛県立松山東高校に編入し、卒業→東京大学文学部フランス文学科卒業
小柴昌俊 物理学賞 旧制神奈川県立横須賀中学(現神奈川県立横須賀高校)卒業→東京明治工業専門学校(現明治大学理工学部)卒業→旧制第一高校(現東京大学)卒業→東京大学理学部物理学科卒業→東京大学大学院→ロチェスター大学大学院修了
江崎玲於奈 物理学賞 旧制京都一中不合格→旧制同志社中学(現同志社高校)卒業→旧制第三高校(現京都大学)卒業→東京帝国大学理学部物理学科卒業
南部陽一郎 物理学賞 旧制福井県立福井中学(現福井県立藤島高校)卒業→旧制第一高校(現東京大学)卒業→東京帝国大学理学部物理学科卒業
佐藤栄作 平和賞 旧制山口中学(現山口県立山口高校)卒業→旧制第五高校(現熊本大学)卒業→東京帝国大学法学部法律学科卒業
川端康成 文学賞 旧制大阪府茨木中学(現大阪府立茨木高校)卒業→旧制第一高校(現東京大学)卒業→東京帝国大学文学部英文学科→東京帝国大学文学部国文学科に移籍し、卒業

京都大学出身のノーベル賞受賞者 7人
本庶祐 生理学・医学賞 山口県立宇部高校→京都大学医学部医学科卒業
赤崎勇 物理学賞 旧制鹿児島県立第二鹿児島中学校(現甲南高校)→旧制第七高等学校造士館(現鹿児島大学)→京都大学理学部
利根川進 生理学・医学賞 東京都立日比谷高校卒業→京都大学理学部化学科卒業→京都大学大学院理学研究科→カリフォルニア大学サンディエゴ校博士課程修了
野依良治 化学賞 灘高校卒業→京都大学工学部工業化学科卒業→京都大学大学院工学研究科工業化学専攻博士課程修了
福井謙一 化学賞 旧制大阪府立今宮中学(現大阪府立今宮高校)卒業→旧制大阪高校(現大阪大学)卒業→京都帝国大学工学部工業化学科卒業
湯川秀樹 物理学賞 旧制京都府立京都第一中学(現京都府立洛北高校)卒業→旧制第三高校(現京都大学)卒業→京都帝国大学理学部物理学科卒業
朝永振一郎 物理学賞 旧制京都府立京都第一中学(現京都府立洛北高校)卒業→旧制第三高校(現京都大学)卒業→京都帝国大学理学部物理学科卒業



名古屋大学出身のノーベル賞受賞者 3人
小林誠 物理学賞 愛知県立明和高校卒業→名古屋大学理学部物理学科卒業→名古屋大学大学院理学研究科修了
益川敏英 物理学賞 名古屋市立向陽高校卒業→名古屋大学理学部卒業→名古屋大学大学院理学研究科士課程修了
天野浩 物理学賞 静岡県立浜松西高校→名古屋大学工学部卒業

東北大学出身のノーベル賞受賞者
田中耕一 化学賞 富山県立富山中部高校卒業→東北大学工学部電気工学科卒業

北海道大学出身のノーベル賞受賞者
鈴木章 化学賞 北海道立苫小牧高校(現北海道苫小牧東高校)卒業→北海道大学理学部化学科卒業→北海道大学大学院理学研究科化学専攻博士課程修了

東京工業大学出身のノーベル賞受賞者
白川英樹 化学賞 岐阜県立高山高校(現岐阜県立飛騨高山高校)卒業→東京工業大学理工学部化学工学科卒業→東京工業大学大学院理工学部研究科博士課程化学工学専攻科修了

長崎大学出身のノーベル賞受賞者
下村脩 化学賞 旧制長崎県立佐世保中学→旧制大阪府立住吉中学(現大阪府立住吉高校)に転校、→旧制長崎県立諫早中学(現長崎県立諫早高校)に転校し、卒業→長崎医科大学附属薬学専門部(現長崎大学薬学部)卒業

神戸大学出身のノーベル賞受賞者
山中伸弥 生理学・医学賞 大阪教育大附属天王寺高校→神戸大学医学部医学科卒業

徳島大学
中村修二 物理学賞 愛媛県立大洲高校→徳島大学工学部卒業

埼玉大学
梶田隆章 物理学賞 埼玉県立川越高校→埼玉大学理学部卒業

山梨大学
大村智 生理学・医学賞 山梨県立韮崎高校→山梨大学学芸学部(現・教育学部)自然科学科卒業

卒業旧制中学・新制高校の分布(合計26人)は
北海道1人、東北0人、関東4人(埼玉1、東京1、神奈川2)、
甲信越1(山梨1)、北陸2(富山1、福井1)、東海4(愛知2、静岡1、岐阜1)、
関西7(京都3、大阪3、兵庫1)、中国2(山口2)、四国2(愛媛2)、九州3(福岡1、長崎1、鹿児島1)
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日本のノーベル賞受賞者2019年10月9日時点 (princeofwales1941)
2019-10-09 20:22:35
●日本のノーベル賞受賞者

東京大学出身のノーベル賞受賞者 8人
大隅良典 生理学・医学賞 福岡県立福岡高校→東京大学教養学部基礎科学科卒
根岸英一 化学賞 神奈川県立湘南高校卒業→東京大学工学部応用化学科卒業→社会に出てから、ペンシルバニア大学に留学
大江健三郎 文学賞 愛媛県立内子高校→愛媛県立松山東高校に編入し、卒業→東京大学文学部フランス文学科卒業
小柴昌俊 物理学賞 旧制神奈川県立横須賀中学(現神奈川県立横須賀高校)卒業→東京明治工業専門学校(現明治大学理工学部)卒業→旧制第一高校(現東京大学)卒業→東京大学理学部物理学科卒業→東京大学大学院→ロチェスター大学大学院修了
江崎玲於奈 物理学賞 旧制京都一中不合格→旧制同志社中学(現同志社高校)卒業→旧制第三高校(現京都大学)卒業→東京帝国大学理学部物理学科卒業
南部陽一郎 物理学賞 旧制福井県立福井中学(現福井県立藤島高校)卒業→旧制第一高校(現東京大学)卒業→東京帝国大学理学部物理学科卒業
佐藤栄作 平和賞 旧制山口中学(現山口県立山口高校)卒業→旧制第五高校(現熊本大学)卒業→東京帝国大学法学部法律学科卒業
川端康成 文学賞 旧制大阪府茨木中学(現大阪府立茨木高校)卒業→旧制第一高校(現東京大学)卒業→東京帝国大学文学部英文学科→東京帝国大学文学部国文学科に移籍し、卒業

京都大学出身のノーベル賞受賞者 8人
吉野彰 化学賞 大阪府立北野高校→京都大学工学部→大学院修士課程→旭化成就職→大阪大学工学部大学院にて論文博士取得
本庶祐 生理学・医学賞 山口県立宇部高校→京都大学医学部医学科卒業
赤崎勇 物理学賞 旧制鹿児島県立第二鹿児島中学校(現甲南高校)→旧制第七高等学校造士館(現鹿児島大学)→京都大学理学部
利根川進 生理学・医学賞 東京都立日比谷高校卒業→京都大学理学部化学科卒業→京都大学大学院理学研究科→カリフォルニア大学サンディエゴ校博士課程修了
野依良治 化学賞 灘高校卒業→京都大学工学部工業化学科卒業→京都大学大学院工学研究科工業化学専攻博士課程修了
福井謙一 化学賞 旧制大阪府立今宮中学(現大阪府立今宮高校)卒業→旧制大阪高校(現大阪大学)卒業→京都帝国大学工学部工業化学科卒業
湯川秀樹 物理学賞 旧制京都府立京都第一中学(現京都府立洛北高校)卒業→旧制第三高校(現京都大学)卒業→京都帝国大学理学部物理学科卒業
朝永振一郎 物理学賞 旧制京都府立京都第一中学(現京都府立洛北高校)卒業→旧制第三高校(現京都大学)卒業→京都帝国大学理学部物理学科卒業



名古屋大学出身のノーベル賞受賞者 3人
小林誠 物理学賞 愛知県立明和高校卒業→名古屋大学理学部物理学科卒業→名古屋大学大学院理学研究科修了
益川敏英 物理学賞 名古屋市立向陽高校卒業→名古屋大学理学部卒業→名古屋大学大学院理学研究科士課程修了
天野浩 物理学賞 静岡県立浜松西高校→名古屋大学工学部卒業

東北大学出身のノーベル賞受賞者
田中耕一 化学賞 富山県立富山中部高校卒業→東北大学工学部電気工学科卒業

北海道大学出身のノーベル賞受賞者
鈴木章 化学賞 北海道立苫小牧高校(現北海道苫小牧東高校)卒業→北海道大学理学部化学科卒業→北海道大学大学院理学研究科化学専攻博士課程修了

東京工業大学出身のノーベル賞受賞者
白川英樹 化学賞 岐阜県立高山高校(現岐阜県立飛騨高山高校)卒業→東京工業大学理工学部化学工学科卒業→東京工業大学大学院理工学部研究科博士課程化学工学専攻科修了

長崎大学出身のノーベル賞受賞者
下村脩 化学賞 旧制長崎県立佐世保中学→旧制大阪府立住吉中学(現大阪府立住吉高校)に転校、→旧制長崎県立諫早中学(現長崎県立諫早高校)に転校し、卒業→長崎医科大学附属薬学専門部(現長崎大学薬学部)卒業

神戸大学出身のノーベル賞受賞者
山中伸弥 生理学・医学賞 大阪教育大附属天王寺高校→神戸大学医学部医学科卒業

徳島大学
中村修二 物理学賞 愛媛県立大洲高校→徳島大学工学部卒業

埼玉大学
梶田隆章 物理学賞 埼玉県立川越高校→埼玉大学理学部卒業

山梨大学
大村智 生理学・医学賞 山梨県立韮崎高校→山梨大学学芸学部(現・教育学部)自然科学科卒業

卒業旧制中学・新制高校の分布(合計27人)は
北海道1人、東北0人、関東4人(埼玉1、東京1、神奈川2)、
甲信越1(山梨1)、北陸2(富山1、福井1)、東海4(愛知2、静岡1、岐阜1)、
関西8(京都3、大阪4、兵庫1)、中国2(山口2)、四国2(愛媛2)、九州3(福岡1、長崎1、鹿児島1)
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