国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

ロイターが100円を割る大幅な円高は起きないだろうと予想:ドル暴落は1ドル100円で収まるか?

2007年11月13日 | 米国
●ドル安の動き加速、リスク回避の円買い戻しで105円シナリオ浮上  ロイター通信 2007年 11月 12日

[東京 12日 ロイター] ドル安地合いの中でも下げ渋っていたドル/円<JPY=>の下げが加速してきた。サブプライムモーゲージ(信用度の低い借り手向け住宅融資)問題の悪化によるドル不安が一段と強まってきたことに加え、世界的な株安で投資家がリスク回避姿勢を強め、円キャリートレードが解消されるとの見方がさらに広がってきたためだ。

 円自体には買い材料が乏しいため大幅な円高が急速に進むとの声は少ないものの、ドル売りが長期化すれば105円付近まで円高が進む可能性があるとの指摘も出始めた。

 <ドル売りが対円に本格波及、サブプライム問題の広がりを懸念>

 これまでドル/円はドル安地合いの下でも、低金利で株価の上昇も鈍い円に「買い手掛かりがない」(都銀)ことや、国内勢の海外投資に伴う円売り圧力などで下げ渋っていた。しかし、ドルが対ユーロ<EUR=>で1999年のユーロ導入来安値を、対英ポンド<GBP=>で26年ぶりの安値に下落するなどドル売り地合いが強まる中、114円付近で下げ渋っていたドル/円が、いよいよ下げ足を早めてきた。

 きっかけとなったのは、サブプライム問題の一段の悪化見通しだ。9日海外では、バンク・オブ・アメリカ(BAC.N: 株価, 企業情報, レポート)やJPモルガン・チェース(JPM.N: 株価, 企業情報, レポート)、米銀大手のワコビア(WB.N: 株価, 企業情報, レポート)、クレジットカード大手の米キャピタル・ワン・フィナンシャル(COF.N: 株価, 企業情報, レポート)など欧米の大手金融機関が相次ぎサブプライム問題による損失計上や損失見通しを発表。「米株の下げが勢いづき、ドル安の中で出遅れていた(円などの)通貨がドル売りに追いついてきた」(みずほコーポレート銀行、国際為替部為替営業第一チーム参事役の兼平修一氏)という。

 ロイター/ミシガン大学が9日に発表した11月米消費者信頼感指数が75.0と事前予想80.0を下回り、2年ぶり低水準となったことが、急速な米株の下落や円買いにつながったとする見方もあった。「大手金融機関が不振に陥り、米景気をけん引してきたハイテクセクターが伸び悩んでも消費が下支えしているという、これまでのイメージを覆すものだった」(別の都銀)ためだ。

 <リスク回避の円買い活発、官房長官発言も後押し>

 ドル安の中で出遅れていた円が上昇し始めたもうひとつの要因は、リスク回避の側面だ。最近の外為市場で株安は、投資家がリスク回避姿勢を強め、円キャリートレードの解消につながるとして、円買い要因とされている。「株価の下げと円買いに明確なつながりはない」(みずほコーポ銀の兼平氏)ものの、複数の市場関係者によると「そういうものだとの見方が根強い限り、反論しても仕方がない。株価が下落すると円相場を買い上がる取引システムを組んでいる海外のヘッジファンドも少なくない」という。

日経平均株価(.N225: 株価, 企業情報, レポート)が3%を超える下げとなるなど、アジア株が軒並み安となった12日の取引で、ドル/円はさらに下げ幅を拡大。一時109.85円と昨年5月以来、1年半ぶりの円高水準をつけた。クロス円でも円高は急速で、英ポンド/円<GBPJPY=>は9日東京の237円後半から12日東京の229円後半まで8円程度、ユーロ/円<EURJPY=>は同165円半ばから161.67円まで、豪ドル/円<AUDJPY=>は104円前半から99円後半までともに4円超の大幅な円高が進んだ。

 町村信孝官房長官の発言も話題となった。12日の会見で円高は「国の価値が上がるということ」としたことで、市場では「円高容認とも受け取れる」(都銀)との見方が広がった。さらに「政府として為替水準を維持するようなことはしない」と述べたことで「為替水準をめぐる意見は複数あっていいが、オペレーション(介入)でサポートしないと断言するのはいかがなものか」(外銀)と、投機筋の円買い仕掛けを誘発する可能性があるとの声も出ている。

 <ドル/円は緩やかにレンジ切り下げか、米資本流入懸念でドル一段安も>

 外為市場の複数のディーラーは12日午前の取引について、こう声をそろえる。「値動きは円買いだが、積極的に円が買われているのではない。あくまでも、これまで膨らんできた円キャリートレードという円売りポジションの解消に伴う、円の買い戻しと見るべきだ」――。

 日本は0.5%という先進国で最も低い金利水準が長期化する見通しが依然としてぬぐえず、成長率も他の主要国と比べて目立たない。ドル安がどれだけ強まっても、第2の基軸通貨として存在感を増しているユーロや、金利水準の高い英ポンド、豪ドルなどのように、円には積極的な買い手掛かりがないのが実情だ。

 そのため、1年半ぶりの円高水準からさらに100円を割るような大幅な円高が急速に進むとの見方は多くない。市場関係者が指摘する目先の下値めどは昨年安値の108.97円。BNPパリバ銀行東京支店外国為替部長、好川弘一氏は「108.50円付近を下値めどとみているが、それを割り込めば105円付近まで下落する」とするが、ユーロなど他通貨のように数十年来のドル安水準まで円高が一気に進むとのまだ見方は少ない。前出のみずほコーポ銀・兼平氏は「大きなドル売りの流れは継続しており、もみ合いながらレンジを切り下げていく」と見る。

 一方、米株の下げを手掛かりとするドル安見通しはさらに強まっている。大手金融機関の相次ぐ損失計上・損失見通しは「サブプライム問題がクレジットクランチ、キャピタルクランチという二幕に続き、キャピタルロスという第3章に入ってきた」(後出の都銀)と、問題の広がりとともに、ドル安に拍車がかかる可能性を指摘する声が増えている。このままドル安が続き、米国への資金流入が細れば「米経常赤字のファイナンス問題に対する懸念が高まってくる」(別の外銀)展開を予想する声も出ている。

http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-28844720071112







●米ドルとのペッグ制、ドル安進行で岐路に=UAE中銀総裁 ロイター通信 2007年 11月 13日

 [東京 13日 ロイター] 来日中のアラブ首長国連邦(UAE)中央銀行のスウェイディ総裁は13日、当地で講演し、米ドルと同国の通貨ディルハムのペッグ制について、これまでは順調に機能してきたが、現在はドル安進行で岐路に立たされているとの見解を示した。

 総裁は「ドル安進行と米経済軟化の可能性を背景に、われわれは岐路に立たされている」と語った。

 ただ、UAEは一方的にペッグ制を解消する計画はなく、解消する場合は「適切な時期に」湾岸協力会議で決定されるべきだとした。

 総裁はドルとのペッグ制がUAEの観光業を支え、製造業にも貢献してきたと指摘。詳細は語らなかった。

 UAEは、ドル安や米金融政策緩和、原油高やインフレ上昇にもかかわらず、これまで為替政策変更の可能性を否定してきた。

 ドルとのペッグ制を採っているペルシャ湾岸諸国は、米金利変更の動きに追随しやすく、インフレ対抗能力を制限されている。

http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-28864420071113?rpc=112







【私のコメント】
ここ数日、急速な円高が進行中である。今月はじめには114円台だったのが今日は109円台に突入している。この動きを受けて12日のロイター通信は円キャリートレード解消の動きと分析し、105円付近まで円高が進むが100円を割るような大幅な円高は起きないだろうと予想している。しかし、100兆円規模とも言われる膨大な金額の円キャリートレードが巻き戻されれば、円高が105円で済むはずがない。前回円キャリートレードが巻き戻された1998年のLTCM破綻時では一日で10円、三ヶ月で30円も円高が進んでいる。今回はキャリートレードを手がける金融機関の数も増加していると想像され、更に大規模なドル暴落が起きることが想像される。かつてこのブログ記事で触れたとおり、1ドル50円~60円という一見突拍子もない水準に到達するまでは円高が止まらないのではないかと想像する。

テロ戦争突入以後、米国は膨大な経常赤字を記録している。この経常赤字は主に日本・中国・中東産油国の三つの地域からの対米投資によって埋め合わせされてきたと想像される。日本政府は2004年3月16日を最後に以後為替介入を行っておらず、最近の日本から米国への資金流入は実はこの「円キャリートレード」が主役になっていたのではないかと私は想像する。また、中国と中東産油国は通貨をドルに対して固定しており、広義のドル圏を形成することでドルの暴落を阻止してきた。しかし、今や両地域は資産をドル以外の通貨に振り向けようとしている。ロイター通信は13日に、ペルシャ湾岸産油国が通貨のドルペッグ制から離脱する可能性を報道している。仮に円キャリートレードが解消されてドルが円に対して暴落すれば、中国と中東産油国は米国の経常赤字埋め合わせの重荷を一手に引き受けさせられることになる。それは両地域内での激しいインフレを招くと想像され、それを回避するために中国と中東産油国は通貨のドルペッグを急遽廃止することだろう。そして、経常赤字の埋め合わせ先三つを全て失ったドルは暴落することになる。

米国の対外債務はほとんどがドル建てだが、米国の対外債権が多くが外国通貨建てである。そのため、ドルが暴落すると米国は対外債務が相対的に縮小して債務国から債権国に変身するだろう。この対外債権の切り売りによってドル暴落後の米国は暫く食いつなぐことができる。ドルが暴落しても米国の過剰消費体質が急に収まる訳ではない。特に、石油輸入が止まると米国の一般庶民の多くは通勤も買い物も出来なくなってしまい、国家そのものが麻痺してしまう。ドル暴落後の米国は恐らく国家の生命線である石油の輸入を最優先として、その他の商品の輸入を大幅に制限することだろう。一般消費財の対米輸出に依存した日本・中国などの東アジア経済は大きな打撃を受けると想像される。

また、外国に輸出する商品のない米国がその軍隊を日本を含む諸外国に売却することも考えられる。ソ連崩壊後に黒海艦隊がロシアとウクライナで折半されたのと同様のことである。これによって米軍は兵士の給料や軍隊の維持費を賄うことが可能になり、ドル暴落後も組織として生き残ることができる。それは、米国という国を離れた一種の傭兵組織に変化すると考えた方が正確かもしれない。
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5 コメント

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米国はすこぶる元気に見える (名無しの経営者)
2007-11-14 11:08:32
共産支那が、1998年元切り下げをして、一気に世界の工場と化ししたように、ひょっとすると、この米ドル安は、再び米国が世界の工場に復帰する決意を示したものである可能性も否定できない。

当時の支那の状況は以下のようなものであった。

「98年前半、外貨の大量流入は続いていたのに外貨準備の伸びは急に鈍った。これは元切り下げを恐れて膨大な資本逃避が起きたせいだと言われている。ところが年後半には外貨準備が微増した。国際収支の更なる悪化は必然的に為替安定のコストを増大させる。人民元切り下げの得失が改めて論議されてもおかしくない」

この元切り下げの効果は、大量の資本が逃げ出していたにもかかわらず、既に98年の時点で、外貨準備の微増に現れている。

現在の元の状況は「[上海5日ロイター]中国人民銀行(中央銀行)は、5日の人民元の基準値を米ドル7.4562元と発表。2005年7月21日の切り上げ以降の人民元の上昇率は8.77%。

一方米ドルに付いての議論は、米国内では日本とは違っている。以下の小論を一部変更省略してお目に掛ける。
US will retake economic superpower crown
By Ambrose Evans- Pritchard
Last Updated: 11:27pm GMT 11/11/2007
http://www.telegraph.co.uk/money/main.jhtml?xml=/money/2007/11/12/ccview112.xml

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巨大な軍艦のように、アメリカの産業および輸出はゆっくりと方向転換している。2年以内にその巨砲は再び世界へ向かい、ヨーロッパの製造業の大部分を脅かすことになるだろう。

支那、新興アジア、そして東欧の経済は、急速にインフレが進んで居り、市場の世界化が良い事ばかりではなく、諸刃の剣であることを思い知るだろう。今度は仕事が上海からロサンゼルスへと流れを変えるのだ。

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米国の輸出は9月に1,400億ドルに達した。米平野部の小麦、テキサスの綿花、半導体、化学薬品それに車まで、輸出が増えた。「米経済は競争力の点では世界で向かうところ敵なしだ」とハンク・ポールソン財務長官は言った。

米貿易赤字は565億ドルに減少、年間14%の減になる。経常赤字も急速に縮小し続けている。05年初頭の7%から5.5%にまで縮小した。いまだにそう良くはないものの、もう壊滅的ではない。

これは通貨切り下げの最初の果実に過ぎない。

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ニコラス・サルコジ仏大統領は先週、連邦議会で「経済戦争」の警告を発した。ドル安が、エアバスの足を引っ張ったのだ。9月、仏の工業生産は1.1%下落した。

世界の為替は、ポンド2.11ドル、ユーロ1.47ドル、これはブレトン・ウッズ体制が崩壊して以来の、ドル安を記録したことになる。今後数え切れない形でドル安の影響が出てくることだろう。フォルクスワーゲンが工場をアメリカに移転するとか、またはソフトウェアの実務がIT職員の時給が18ドルに急騰したインドから戻ってくるとか…。

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支那の労働力は2015年頃にピークに達する。その後は歴史上最も厳しい人口減少に突入する。金持ちになる前に年寄りになるだろう。つまり支那は二流国の地位に封じ込められる運命にある。

国連のデータによれば、日本の人口は05年に縮小し始めた。露は2050年までに1億400万人にまで縮小する。ドイツ、イタリア、スペインは全て高齢化しつつあり、加齢は未来を暗くしている。

結局21世紀を生き延びる唯一の超大国は、十分な出生率を未だに維持している米国なのだ。

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ユーロは$1.47という輝かしい価格をつけている。これはアジアと中東の中央銀行がユーロ建債券を溜め込んでいるからだ。しかし、独・仏と西の10年物債券の価格差は、不吉なほどの上昇を示している。両者とも5月以来4ベーシス・ポイントから12ベーシス・ポイントへと急上昇しているのだ。欧州の、南北が分裂するかもしれない、という最初の兆候だ。価格差が40かそこらに達すれば確実に分裂だ。その後、我々は「欧州」が消えてなくなっていることを知るだろう。

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ドルは更に安くなるかもしれない。しかしそれは米国製の品物が売れるようになればそこで終わる。

アジアの中央銀行は米国長期国債購入を止めた。今まではそれが、米国の赤字を埋め合わせていたのだ。今、海外の「短期資本」は米国投資に背を向けている。金利が落ちる中、大急ぎで米国から逃げ出している。米資産担保証券市場は、貸付業者が短期融資の借換を拒否するので、8月半ば以来4,000億ドルも縮小した。その多くは海外の原油売却代金だ。

残るはサウジアラビアがドル・ペッグ制から離脱、あるいは、支那が人民元の為替変動幅を緩めることだ。これまでのところ、ヘッジファンドは概ね傍観者の姿勢を保っているが、それらは投機的投資で固めたヘッジファンドが餌食となる合図だ。

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スペイン、フランス、アイルランド、バルト諸国、そして今ではイギリスで不動産価格が下がっている。小さい泡が一個、また一個と弾けている。

先週は現代美術の価格が暴落した。先週サザビーズでヴァン・ゴッホの『小麦畑』の競売が見送られた。ブラックの『レコー(L'Echo)』もご同様だ。サザビーズの株価は一日で37%も下落した。

バークレーズ、RBS、シティグループ、ドイツ銀行、UBSなどなどの株価も未だに自由落下を続けている。回復からは程遠い。多くの銘柄は40%も下がった。銀行の不振には問題が多い。銀行は実体経済の潤滑油なのである。殆どの銀行が貸し出し減を迫られ、恐らく大幅に減らさなければならなくなるだろう。これまでのところ、まだ400億ドルしか出てきていないが、危機が終わるまでに、返済されない貸した金の額が5,000億ドルに達するのではないかとRBSは恐れている。

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各国中央銀行は、大量の資金を貸し出して、資産価値の高騰を引き起こした。そうして置いて、急に貸し出し制限を掛けてしまったのだ。もしそうだとすれば、1930年代の恐慌状態に成るということだ。

米国は今度は、他人を踏み台にして市場を奪い取るだろう。これは米国政府に悪影響を及ぼすかもしれないが、それは資本逃避が国債利回りの上昇を強いた場合にのみ起こる。しかし、それは未だ起こっていない。

個人的には、賭けても良い、結局清算日には米国が輸出で成功していると思っている。 (引用終わり)

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共産支那の1998年の大幅な人民元切り下げの際に生じたことが、今回のドル安についても生じるとすれば、英文の論者のいうことももっともらしく思えるのですが。
返信する
Unknown (Unknown)
2007-11-14 15:10:18
アメリカの製造業が復活し、余力のある国なのは事実だと思う。

ただ、超大国として君臨していた現在のように世界をすき放題してきたような時代は、無理じゃないでしょうか?

今のアメリカの国力は、中東の石油を自由にすることによって、基軸通貨体制をしくことによって達成されているわけですから。

まあ、日本がアメリカ以上に厳しいのは事実ですが、一方でアメリカみたいな広大な国土の国は、国内に安い原油を流通させないと、社会インフラがストップしてしまって、国家が分断状態になる。
返信する
Unknown (けんじ)
2007-11-14 20:42:04
私は経済については、よく判らない。CDOとか、円キャリートレードとかはどうやって金を借りるのだ、さっぱりわからない。
只すべてをご破算にして、新たに始めるとしたら。どの国が最初に回復するかと考えれば、人口が増えている唯一の先進国であるアメリカだと思う。我国は高齢化が進むが、韓国はもっと進む。但し北があるからそれは判らないが、貧乏の極の国だからまあだめだろう。中共はもっと進む。中共は一人当たりの農地が我国の三分の一だから、事食糧生産を、考えれば、我国よりはるかに及ばない。
 アメリカは今海外へ行ってしまった産業はその気になれば自国で再開は簡単であろう。
 事はペーパーマネーのことだから、どうにでもなると私は思う。世界が大混乱になっても、その混乱の被害が最も少ない国はやはりアメリカだろう。それから最も早く立ち直るのもアメリカだと私は思っている。

以前読んだ石油の話を少し記す。記憶によるから、ご容赦を。
大東亜戦争が始まる前、我国は石油をほとんどアメリカから輸入していた、対米戦争が始まりそうだから、我々は必死になって石油を輸入した。アメリカは石油の禁輸をしたが、一定以下の量は禁止しなかったため、ドラム缶での輸入に奔走した。それを積極的に我国に売るアメリカ人がうようよ居たので、なんとアメリカ人は愛国者がいないのかと思った。更に制限されて、18リットル以下となった、我々は早く早くと、必死になって輸入した。そのうち全面禁止になった。やがて戦争になって、我国は敗北した。あんな愛国心がないアメリカ人にと思ったが、彼等にしてみれば、別に法律に違反しているわけでもなく只の商行為としてしていただけであると戦後気がつき、よくよく調べたら、われわれが釈迦力になって輸入した石油の量は海軍が戦闘活動できる二年分であった。丁度、我国が開戦するかしないかの判断をする上で微妙な量であった。それ以上多くあると、海軍の活動範囲が広くなって、アメリカは戦闘がしにくくなる。それ以下だと我国が開戦に踏み切らないかもしれない。仮にそうなっても、石油は海軍が動けば自動的に減少していく。思えば我々がアメリカの裏をかいて石油を輸入していると思っていたが、すべてはオ見透しであった。
 
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Unknown (Unknown)
2007-11-15 02:09:48
>米国はすこぶる元気に見える

破綻して通貨安になった韓国みたいな
輸出商法をするんでしょ。
韓国がどうなって、これからどうなるか見れば
アメリカもどうなるかわかるというもの。
それとも給料を支那水準(給料1/30)にするのか?
返信する
焦点は政治的に (面白い発想だが)
2007-11-15 20:52:56
名無しの経営者様

> 共産支那が、1998年元切り下げをして、一気に世界の工場と化ししたように、ひょっとすると、この米ドル安は、再び米国が世界の工場に復帰する決意を示したものである可能性も否定できない。

第一の問題は米国が輸入なしに上記を達成できるかです。
米国は資源国や農業国でもあるため、ある程度は可能ですが、
ここで第二の問題である、国内生産より消費が多い状態をどのように解消するかです。
経済的な解答は難しくないようですが、問題は政治的にどのように行うかです。
現在の米国の政治体制でそれが可能かという点に集中しています。米国保守派はかつての大日本帝国が自壊した手法を使うのではないかというのが管理人の読みではないでしょうか。

また別な視点を提示すると、世界の工業生産が集中する地域で戦争、それも全面核戦争を起こし、米国の大幅消費減にとまなう、生産過剰を解消するということも考えられます。

これはずばり東アジアでの、日中間の戦争を意味します。
これが起きてしまった場合は一時的にせよ米国内の国際金融資本派と反国際金融資本派や、米国と欧州が手を結ぶような状況が考えられるのです。日本としては何としてもこの局面は避けないといけないです。
返信する

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