もふもふランド♪

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    by ぷーどる♂ & ぷーどる♀

続・フィクションの味  ~鬼のおやつ~

2016-06-03 10:11:28 | 食べ物
以前、漫画や映画は物語に出てくる食べ物のに対しての憧れを書きましたが、
つい先日、そのものずばりではないけれども、
ちょっとだけ、それの手掛かりになりそうな味に気付いたことがありました。

今回のあこがれの味は、泣いた赤鬼に出てくるお菓子。

作中、村人たちと仲良くなりたいと願う赤鬼が、
彼らを家に招こうとして掲げた立札の一文。

心のやさしい鬼のうちです。どなたでもおいでください。
おいしいお菓子がございます。お茶も沸かしてございます。」


ここに登場する「おいしいお菓子」というのが、
子供の頃食べたくて食べたくて仕方なかったものなのです。

当時私は保育園児。
すでに和洋菓子ともに、そこそこのバリエーションは体験済みでありました。
ですが…
「でもこれ、鬼のお菓子やぞ…。いったいどんな??」
と、その正体を想像することすらできず、
でも漠然としたイメージ、
なんか丸っこくて、そこそこボリュームがあって、甘いけれど、パクパクいける、
そんなものをぼやっと想像し、無性に食べたくてあこがれていたのです。
(確か絵も描かれていた気もしますが、丸いシンプルなものだった気がします。)

さて、このお話はそこそこメジャーですから、
その後も私が読んだ本以外もいろいろな出版社から出版され続けました。
で、私は機会があると、その問題のページをめくり、
そこにどのような挿絵があるのか確認したりしておりました。
ですが多くの場合、一目でなんだかわかる和菓子だったり御煎餅であったりと、
こちらの想像力の前にすでに知っている味をイメージさせるものばかり。
ですので、そのたび、
「違うねんな~。」
と、落胆しつつ、少しホッとしつつ本を閉じておりました。

さて、そういうことももうほとんどしなくなったつい最近。
店番の合間に出た散歩道で目にした赤飯がすごく美味しそうだったので、
それを買って帰り、お昼ご飯に食べておりました。

やや塩味のきいた赤飯は、お豆はくすっと崩れ旨みがあり、
お米はモチモチで塩味なのに噛めばだんだん甘くなる♪
おまけに箸で思い通りに切り取れて、好きなだけつまめて、好きな形に残せる♪
面白い!
「おいしいな~♪ これ、おいしいしいな~♪」
とニコニコしながらほおばり、半パック食べ終え満足し切って残りをしまっているときに。

「あれ?この満足感というか、楽しさって、食事じゃなくおやつ?」

で、そう思ったのと同時に、
もうほとんど思い出すこともなかった「赤鬼のおやつ」が頭をよぎりました。

無論赤飯がそのおやつだとは思いませんでしたが、
なんだかものすごく近いイメージのようなものな気がしてきて、
それこそ、出会って50年を経てやっとその正体に近づけそうな気がしてきました!

ですが、その後考えれば考えるほど、
イメージすればするほどに、その正体は遠ざかり、
再びよくわからない場所に逃げていってしまったのです。

う~ん、残念!

というか、これは考えれば当たり前。
もともと正体不明のものなのだから、それを明らかにできるはずもない。

でも、確かにあの時は、それにかなり近づいた気がしたんですよね~。

そう思うと、あの「鬼のおやつ」は、
「もの」の同一性というより、むしろこちらの「心情」とのシンクロによる部分が大きいのかな?
恋い焦がれた思い入れが強すぎるから、
その思い入れに近い大きさの満足感や嬉しさが食後にあれば、
もしかしたら、近くに感じることができるのかな?

たとえるなら、そう…

登ることはできない山の上からの景色を、
それとは別の同じ高さくらいの山の上から眺めることでイメージするような。
で、双方の場所が近づくほど、そのイメージはどんどん近くなる。

多分私の場合に限ってはこんな感じ。

そういうわけで、
今後また同じように何かを食べ、すごく満足していければ、
いつかは、あの「鬼のおやつ」に近づける日も近いかな?

(=^^=)ゞ





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