「いや、それは有難いが必要ない。ただもう一つある……」
「何でございましょう?」
「この……何と言うか、取り決めにはいくらかかるのかな?」
この問いをパスカルは予期していたので、自分の役割にふさわしい答えを用意していた。
「通常の料金をいただきます。すなわち六パーセント、そして一・五パーセントの手数料でございます」
「ふうん、それだけか……」
「それと私への謝礼金を頂きます」
「ほう! でその謝礼金とやらは、いくらに設定しているのかね?」
「千フランでございます。高すぎましょうか?」
侯爵がまだ疑いを持っていたとしても、それは消え去った。
「ふふん」と彼は鼻で笑った。「千フランは私には良心的な額と思えるよ」
しかし彼が代理人だと思っている相手がこの言葉をどう受け取ったかを見たとき、彼は嘲笑的なにやにや笑いを後悔したようであった。
パスカルは白いネクタイの上に昂然と顔を上げ、いかにも気持ちを傷つけられたという態度で、前言を取り消そうとする人間の凍るような口調で言った。
「何も決定したわけではありません、侯爵。この方法では負担が大きいとお思いのようですので、この話はなかったことに……」
「いやいや、そんなことは言っていない」とド・ヴァロルセイ侯爵は慌てて遮った。「そんなこと思ってさえいませんよ……」
パスカルが自分の計画を明らかにする機会がついにやって来た。彼はそれを逃さなかった。
「他の人たちは相手を気に入っているというだけの理由で金を用立てる約束をいたしますが、私はもうちょっと危険のない方法を選びます……私が取引をするのは、そこに利益があると見るからです。私の仕事がどれくらい求められているか、その程度によって報酬の額を決めます。私のような仕事をする者が固定した報酬を定めることはあり得ません。おそらく侯爵もご存じの、ある紳士を私は二度も破産の縁から救ったことがございます。最初のとき私は一万フランを要求いたしました。二度目のときは一万五千フランです。これは法外でございましょうか? もう一つの例を引きますと、ある若い子爵が求婚をなさっている三か月の間、その方の債権者たちを引き留めておきました。無事婚礼が行われた翌日、その方は私に二万フランを支払ってくださいました。これはふさわしい報酬ではないでしょうか? もし侯爵閣下がほんの一時持ち金に不自由しておられるだけのことでなく、破産状態であれば、私の要求額は千フランなどでは収まらないでしょう。私は貴方様の資産状況を調べ、私がそこから得られるであろう利益に基づいて貴方様と契約を結びます」
このシニカルな宣言のうち、ド・ヴァロルセイ侯爵の悪しき本能を刺激すべく張り巡らされたエサとして、前もって計算されていないものは片言一句もなかった。それでもパスカルは逸る心を抑えきれなかった。用心に用心を重ねるべきであったとすれば、やや性急であったかもしれない。しかし侯爵は眉を顰めることさえしなかった。9.30
「何でございましょう?」
「この……何と言うか、取り決めにはいくらかかるのかな?」
この問いをパスカルは予期していたので、自分の役割にふさわしい答えを用意していた。
「通常の料金をいただきます。すなわち六パーセント、そして一・五パーセントの手数料でございます」
「ふうん、それだけか……」
「それと私への謝礼金を頂きます」
「ほう! でその謝礼金とやらは、いくらに設定しているのかね?」
「千フランでございます。高すぎましょうか?」
侯爵がまだ疑いを持っていたとしても、それは消え去った。
「ふふん」と彼は鼻で笑った。「千フランは私には良心的な額と思えるよ」
しかし彼が代理人だと思っている相手がこの言葉をどう受け取ったかを見たとき、彼は嘲笑的なにやにや笑いを後悔したようであった。
パスカルは白いネクタイの上に昂然と顔を上げ、いかにも気持ちを傷つけられたという態度で、前言を取り消そうとする人間の凍るような口調で言った。
「何も決定したわけではありません、侯爵。この方法では負担が大きいとお思いのようですので、この話はなかったことに……」
「いやいや、そんなことは言っていない」とド・ヴァロルセイ侯爵は慌てて遮った。「そんなこと思ってさえいませんよ……」
パスカルが自分の計画を明らかにする機会がついにやって来た。彼はそれを逃さなかった。
「他の人たちは相手を気に入っているというだけの理由で金を用立てる約束をいたしますが、私はもうちょっと危険のない方法を選びます……私が取引をするのは、そこに利益があると見るからです。私の仕事がどれくらい求められているか、その程度によって報酬の額を決めます。私のような仕事をする者が固定した報酬を定めることはあり得ません。おそらく侯爵もご存じの、ある紳士を私は二度も破産の縁から救ったことがございます。最初のとき私は一万フランを要求いたしました。二度目のときは一万五千フランです。これは法外でございましょうか? もう一つの例を引きますと、ある若い子爵が求婚をなさっている三か月の間、その方の債権者たちを引き留めておきました。無事婚礼が行われた翌日、その方は私に二万フランを支払ってくださいました。これはふさわしい報酬ではないでしょうか? もし侯爵閣下がほんの一時持ち金に不自由しておられるだけのことでなく、破産状態であれば、私の要求額は千フランなどでは収まらないでしょう。私は貴方様の資産状況を調べ、私がそこから得られるであろう利益に基づいて貴方様と契約を結びます」
このシニカルな宣言のうち、ド・ヴァロルセイ侯爵の悪しき本能を刺激すべく張り巡らされたエサとして、前もって計算されていないものは片言一句もなかった。それでもパスカルは逸る心を抑えきれなかった。用心に用心を重ねるべきであったとすれば、やや性急であったかもしれない。しかし侯爵は眉を顰めることさえしなかった。9.30