アヴァターラ・神のまにまに

精神世界の研究試論です。テーマは、瞑想、冥想、人間の進化、七つの身体。このブログは、いかなる団体とも関係ありません。

極貧のクリーニング屋の女性が燈明の油を釈迦に献じる

2022-11-24 16:39:54 | 冥想アヴァンギャルドneo
◎善行のリターンを期待しない

コーサラ国王プラセーナジットが、釈迦と付き従う弟子たち全員に対しグルメな食事を一週間にわたり提供した。

ところが、釈迦はその莫大な食事提供の善行の見返り(果報)をコーサラ国王に与えるのではなく、さる乞食に与えた。

当惑したコーサラ国王が悩んでいると、釈迦は、彼が何度も国王として転生し栄華を極めているのは、彼が前世で中流家庭のもらい子であった時に、母が自分のために作ってくれた塩気のない麦団子を孤独に修行する覚者(独覚)に布施したお蔭であると説明した。

麦団子の話を聞いた、時々公的支援ももらい、善意のボランティアの支援も受けている極貧のクリーニング屋の女性が、一念発起して、燈明の油を買って釈迦に寄進しようと思い立った。やがて彼女は少量の油を買い求め、壊れた器に入れ、釈迦が散歩される道に献じ、自分がニルヴァーナに入ることを祈願した。

釈迦が言うに、彼女の受ける善行のリターン(果報)は、釈迦の高弟の布施の果報より大きく、コーサラ国王のそれより大きい、と。(出典:『ブッダが謎解く三世の物語 上 『ディヴィヤ・アヴァダーナ』全訳/大蔵出版』の第七章)

布施、寄進、寄付には、作法があるとは、このこと。東日本大震災で、インドの貧しい少女は数ルピーの金を日本に寄付してくれた。それは、何し負う巨富のウォーレン・バフェットやビル・ゲイツの数兆円の寄付よりも多額であるとは、そういうこと。

こういう類の話は、見向きもされぬ、戦争プロパガンダ合戦、圧倒的なコロナ・プロパガンダ、私利私欲最優先の時代。
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