珊瑚の時々お絵かき日記

夫と二人暮らし、コロナ自粛するうちに気がついたら中国ドラマのファンになっていました。

おばちゃん街道

2017年03月26日 | 読む

山口恵以子さんのエッセー集「おばちゃん街道」を読んだ。

山口さんは、2013年に「月下上海」という魅力的な題名の作品で

松本清張賞を受賞している。

受賞者が食堂のおばちゃんだというのでかなり話題になって、

お、読んでみたいと思ったけれど、

お金持ちの令嬢が戦時下の上海で恋と陰謀の大冒険する、らしいので、

なんか違うかな~という感じで読んでいない。

 

でも、食堂のおばちゃんの魅力は捨てがたく、

さらに、このエッセー集の「小説は夫、お酒は彼氏」という副題にも魅かれて読んでみた。

読み始めると、酒やら、猫やらの話題が続いていささか辟易、でも、お酒は彼氏なんだからしかたがないかと

かなり我慢しながら読んでいくと、やっと面白くなり始めた。

彼女の生い立ち、家族、人生を一変させた松本清張賞受賞に至るまで、

その後の激変した生活が、生き生きとしたやさしい文体で書かれていて、

そこかしこに、周囲への感謝の気持ちが溢ているのが心地よい。

彼女の成功が、幸運だけでなく、自分で引き寄せたものに違いない。

とても面白かった。

 

表紙の猫ちゃん、多分山口さんの愛猫ポニーだと思うけれど、見事に演技してますよね。