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練習艦かしま艦上レセプション~サイドパイプ再び

2014-05-15 | 自衛隊

みなさま。
行って参りました。

練習艦隊の出航に向けての練習艦「かしま」艦上レセプションに。

はっきりいって4年前は国民の一人としてその活動に感謝こそすれ
その存在は常にニュースで見るだけの遠い世界であった自衛隊。

気がつけば観艦式や観閲式、航空祭にはフル出動するわ、階級について
無駄に詳しくなるわと何の因果かどっぷりとはまっておりましたが、
さらにさらに、先日はなんと、練習艦隊が海外出航前に行なう
艦上レセプションに参加する光栄を得ることになったのです。



金の桜に錨のマークの付いた招待状。
ああ、わたしもついにここまで来たか・・・・・・・。

と、感慨に耽るには少し今回のご招待は「チート」だったんですけどね。

政治家や関係企業の関係者など、防衛省が正式に名簿を作成した
招待客とは全く別のルートからのご招待によるもので、

つまり、わたし自身の「肩書き」に対して頂いたものではないのです。

いずれにしてもこのようなブログをやっていなければ一生なかった機会であり、
つまり自分に都合良く言えばこれをすなわち


「わたし自身の業績」

と言ってもいいのかな・・・・と(照れ)



しかしながら常識的に考えて「海軍海自を趣味にしているブロガー」
なんていうのが防衛省主宰行事招待への正式な肩書きになるはずはありません。


というわけで、練習艦隊司令部から練習艦隊司令官の名前で送られてきた招待状は

宛名がわたしではなくTOになっておりました。orz


わたしと違ってTOには自衛隊行事に招待されても不思議ではないような

世間的に見てまともな肩書きがあるからなんですね。

つまり、上の返信用はがきの「ご本人」とは、
数ヶ月前までスコードロンという英単語も知らず

4年前までは「旧日本軍に空軍ってなかったっけ」と真顔でいうような、
そういう「軍事音痴」のTOのことなのです。


つまり、ご本人のみ出席、に丸を付けた場合 わたしではなくTOだけが
このパーティーに参加することになるという・・・・
・・・・

田嶋陽子が自衛隊に噛み付くのはつまりこういう部分?

いやわたしは別にこれが不満などとは全くおりませんし、とにもかくにも
初めて自衛隊から招待を頂いた嬉しさが何よりも勝っていたため、
その日を指折り数えて待ち、ついにその日がやってきました。 



それはうちにやってくる「外猫」(ちなみにどちらも雄)が、
卍になって熟睡している午後のことでした。(この部分捨てゴマ)

パーティ開始は6時。

TOを職場の近くで1時間前に拾う予定になっていましたが、
車を洗うために早く家を出ます。

うちは3月に車を買ったのですが、ディーゼルエンジンで給油の機会が
今までの4分の1(現在まで給油回数まだ3回)に減ったため、
その分スタンドにいかなくなり、今まで一度も洗車していなかったのです。

ところが都内のGSというのは本当に洗車待ちが多く、どこにいっても
「40分待ちです」「1時間なら」という返事。
3軒目にようやく30分で手洗いしてくれるところを見つけました。

「こんなに時間かかるのなら別に洗車しなくてもよかったかな」

後からそれは大間違いだと知るのですが、こんな考えも頭をよぎりました。
しかも晴海埠頭までは道が工事中、ナビの案内で行くと行き止まりになってたりして、
その辺をぐるぐる回ることになってしまい、おおいにあせりました。



しかし、何事も早めに行動を起こすが吉ですね。

道路から目標の練習艦「かしま」が見えてきたときには開始時間の30分前。

ほっとしながら誘導されるままに車を駐車場に向けたのですが、
次の瞬間我々はあっと(比喩ではなく)叫んだのです。
なぜなら、 




侵入していったところ、この車のようにどこに停めるか指示を受け、



このようなテントと隊列の前を通り抜けていくことになったからです。
しかもこのときにはまだ車はあまりいませんでしたから、
そこに起立している全自衛官が皆で見つめる前をしずしずと車は進むことになります。

「洗車しておいて良かった・・・・・・」

実につまらないと言われそうですが、これが心の底からの声でした。

しかも、来る車来る車が黒塗りのクラウン、レクサス、フーガにメルセデス、
車内に運転手を待たせている車も多数。

深川製磁の社長がプリウスに乗っているのを「かっこいい」と思いましたが、

あれほどの立場の方であると知っているからそう見えるのであって、
凡人はこういうときプリウスだったら引け目を感じてしまうかもしれません。

余談ですが、つまり本人の「実力」のない凡人(しかも俗人)ほど、

せめて車や持ち物で「格上げ」を図ろうとするものなのかもしれないですね。


ともかくこの埠頭に設けられたスペースは「そういう車」だらけでした。

「格上げ組」かどうかまでは勿論わかりませんが(笑)


さて、車を停めたもののそのときTOに仕事の電話がかかってきて、

わたしはカメラを手にしたまま「かしま」に乗艦する人々の様子を
何となく眺めていたのですが、ふとそのときに気づきました。

何分かに一度、サイドパイプの音色が聴こえるではないですか!

1佐たる艦長、指揮系統上の1佐以上の司令
(隊司令、群司令、艦隊司令官)の他、将官の場合は
指揮系統上になくても吹鳴され、陸自、空自に対しては
たとえ幕僚長であっても吹鳴されない

とされるサイドパイプ。

最近すっかりサイドパイプに詳しくなったわたしとしては、
先日、有田の次の日に立ち寄った倉島岸壁の海自売店で
自衛官が購入するものと全く同じ(そりゃそうだ)サイドパイプを
購入した直後だったんですねー。



それがこれ。


実はちょっとだけこれをペンダントにして、この日胸に下げて行き、
自衛官にだけわかるウケを狙ってみようかとも思ったのですが、
(行ってみてやらなくてよかったと思いました)
それはともかく、これ、買って帰ってすぐちょっと吹いてみました。

難しいです(笑)

なぜなら、護衛艦の乗り込みの際に吹鳴され、しかも遠くまで
音が聞こえると言うことはこれかなり音が大きいんですよ。
つまりまともに鳴っている状態のサイドパイプは、近くにいると
実は耳がつんざけそうなくらいなんですね。
ちゃんと鳴らそうと思ったらかなり強く鳴らさないとそもそも音が出ません。


余りの音の大きさに近所迷惑を恐れ早々に諦めたわけですが、そのとき
mizukiさんの父上が書斎から人を呼ぶときに使っていた、という話を思い出して

「どんだけmizukiさんの家は広いんだ・・・・」

とあらためて考えた次第です。
(mizukiさん家族もかなり迷惑だったというお話ではありましたが)

とにかくこのサイドパイプが聴こえてからと云うもの、
目の色変えたわたしが(笑)車を停めた場所からしばらく
その対象が乗艦するチャンスを窺っておりますと、




該当者、キタ━(゜∀゜)━!
艦上のサイドパイパーがもうこのときには吹き始めているのがおわかりでしょうか。

ちなみにラッタルの下に整列している乗組員は客のアテンドが任務。
右のテントで受付を住ませた客は必ずこの前を通りますから、
各グループに一人が付随して艦内に案内し、飲み物を取ってきたり
質問に答えたりして、来たばかりで所在のない客の面倒を見てくれるのです。

これ、素晴らしいシステムですよね。

人見知りでついつい知人や同じ人とばかり話し込んでしまう傾向のある
パーティ苦手な日本人には、こういうアテンドがいてくれると
非常にスムースな出だしで場にとけ込むことができます。

元々この練習艦隊の艦上レセプションというのは、実習幹部が
初めて洋上にでて約5ヶ月の長期航海に出るまえの「出陣式」の意味合いがあり、
その実習幹部と関係者が一夕の機会を共にし、彼らを励まし、また彼らの立場からは
自衛隊協力者とふれあい懇親を深める、というのが最大の目標であるわけです。


ですから、便利なシステムとかなんとかより、これがメインイベントなんですね。
上の写真では階段の先頭に立っているのが実習幹部で、
そのとき来た客に並んでいる順番でアテンド役が決まるようでした。



さて、サイドパイプです。
吹いている隊員を見ると、どうも口の正面ではなく、
右寄りに咥えるのがお作法みたいですね。

女性の実習幹部が案内しているのは背広姿の人。
にもかかわらず吹鳴されているということは、
この人にではなく、後ろに該当者が来ていたのかもしれません。


また、この日わたしは艦上で元海幕長の赤☆氏にまたまた遭遇し、
ご挨拶したのですが、たとえば赤☆氏のような退官した一般人は
もうサイドパイプが吹かれることはないわけですよね?

これ、ご本人には寂しいことに思われたりしないのでしょうか。



また該当者キタ━━━━━━━━m9( ゜∀゜)━━━━━━━━!!

因みに一番後ろを歩いているのが副官です。



こんな大アップにしてしまった・・・・。

「かしま」乗組員のこの様子をご覧下さいませ。
勿論誰が乗艦してきてもそれなりの緊張を持ってお迎えするとは思いますが、
なんかもう、この瞬間全員の注意は乗艦者に激しく集中してます。
気のせいかアテンドしている実習幹部も緊張しているような・・。

それもそのはず、乗艦者の右袖をご覧下さい。
この方は海将です。
階級社会の自衛隊でトップである将官がどのように遇されるか、
この一瞬に見事に捉えられている気がしますね。

実習候補生も、来た順番でアテンドが決まるわけですが、

海幕長や海将に当たったら、内心ドキドキするのかもしれません。



そして海将の敬礼。

・・・はあ、大変いいものを見せて頂きました。わたしは満足です。
それでは・・・・

・・ってこれで帰っちゃだめだろ(笑)
わたしはまだ受付もすませておらんのだ。



おりしも空を報道ヘリが・・・。
「かしま」を空から撮っている、というのではないと思いますが、
空を飛ぶ回転翼を見ると反射的に写真を撮ってしまうエリス中尉。


というところでTOがようやく仕事の電話を終えました。
練習艦「かしま」にいよいよ乗り込みます。


・・・・やっぱりサイドパイプ持ってくればよかったかな(心の声)



(続く)