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HMS「モントローズ」一般公開@晴海埠頭〜ウォーフェア・デパートメントとは

2019-03-17 | 軍艦

 今回、いつも写真をくださるKさんが一般公開の終わった月曜日に
晴海で「モントローズ」と「むらさめ」を撮って送ってくださったので、
それをご紹介します。

日英駆逐艦の競演。

甲板にヘリが出ています。
早速哨戒を行なっているのだと見た。

「モントローズ」の甲板に櫓が組まれているようですが、
もしかしてこれから艦上レセプションでもあるのかな?

もしそうなら、イギリス大使館からも人が来そう。

艦体の色の違いがよくわかる一枚。
ロイヤルネイビー軍艦は大西洋で活動するのが基本なので、
色が違うとか、そういう理由もありそうです。

そして艦体の汚れが圧倒的に目立っている(´・ω・`)

これは豊洲大橋(今回来たら開通していた)からの写真でしょうか。

そしてスマートな我が「むらさめ」の勇姿である。

埠頭前の建築中の状態を後世に残す貴重な一枚です。

 

さて、「モントローズ」見学の続きと参ります。

GTと(か)DGが走っている時は耳栓をすること

どうも略語で来られるとお手上げなんだな。
GTはグランドツァーではなく「ガスタービン」
DGはドルチェ&ガッバーナではなく「ディーゼルジェネレーター」

日本語の看板はおそらく「むらさめ」に借りたのかと思われます。

上部構造物同士の隙間から建設中のオリンピック選手村を見る。

U.A.M.R?の換気扇孔の形すら物珍しい。

CIVChemical Injection Valveと略語辞典にあったのですが、
それがカセット型のタンクに入っていてこのラックに並んでいます。

これが何かは後で判明しました。

洋上給油に使用するホースはダンロップ製。
こんなところに縛り付けてあるのを初めて見ました。
人力で上げ下ろしして結合するんでしょうか。

ふと上を見てみると、そこには何かのアンテナが。

左舷後方に謎の船が横付けされていました。
一応船体番号はついていますが、動力がないことから、
廃棄物などを回収する船ではないかと想像されます。

オイルがこぼれた時の救急キットが入ったバッグ。

多分警備的にも大丈夫だろうと思って中を見せていただきましたところ、
綿のような不繊布が入っていました。

オイルの種類もいろいろあるので、吸収させる素材の違うパッドが
三種類くらい入っているようです。

後甲板に出てきました。

AFFFAqueous Film Forming Foam

つまり水性消火泡の略です。
時計と反対回しにすると出るので、ノズルを外して火元に放泡します。

ウォーフェア、WARFARE とは「交戦」という意味です。
機雷戦だと「マイン・ウォーフェア」、航空戦は「エアリアル・ウォーフェア」、
「エア・ウォーフェア」、この説明のように、最初に
「アンタイ」Antiをつけると「対空戦」「対潜戦」です。

Warfare Department(branch)で艦内の部署の名称となります。
この部署は自衛隊だと何に相当するんだろう・・。船務科?

WDは軍艦の中心となる仕事の心臓部です

軍艦は多くの部署で成り立っていますが、
その全てに彼女が効果的に機能することが要求されます。
紛争や戦争など、地域の緊張のなかに投入されるために
デザインされているのが軍艦というものなので、
武器兵器はもちろん、各種作戦のために侵略者か、それとも
保護対象の民間かを探知し判断するための装置を搭載しています。

そのためには三つの主な場面があります。

Anti- Air Warfare(AAW ) 対空戦

Anti-Surface Warfare(ASuW) 対水上戦

Anti-Submarine Warfare(ASW) 対潜戦

HMS 「モントローズ」はタイプ23のフリゲート艦で、元々は
ASW、対潜戦のために企画された軍艦ですので、
非常に洗練されたセンサーと海面下の脅威に対抗するための
強力な武器を装備しています。

しかしながら、対空戦、対水上戦の能力も兼ね備えており、
そのためにワイルドキャット(Lynx)あるいはマーリン(Merlin)
といったヘリコプターをそれらの任務に集中的に投入します。

実はこの看板の前にいたのがこの三人でした。

搭載されている銃の展示を行なっており、時々
サービスのつもりか黙って銃を構えて見せてくれていました。

「アルビオン」の時には、銃や飛び道具各種を触らせてくれ、
それだけでなく本当に持たせてスコープを覗かせてくれた英海軍ですが、
その時どこからかクレームでも出たのか、今回の「モントローズ」では
銃に触ることすらできなくなっておりました。

「手を触れないでください」

の看板が日本語であることからも、前回のイギリス海軍の
大サービスぶりから考えて、向こうが言い出したことではなく、
どこからか文句が出る前に、我が方の防衛省が
勝手に忖度して
自主規制し、英国側の申し出を断ったのだとわたしは睨んでいます。

「アルビオン」で無反動砲にかじりついて長時間放さなかった
あの時の男性、今回来ていたらさぞがっかりしたことでしょう。
まあもっとも、強襲揚陸艦とフリゲートでは、積んでいる武器の
種類と数に天地ほどの差があるわけですけどね。

しかもこの日の大混雑ぶりから想像するに、もし銃を持てるということになれば、
ただでさえ狭い艦上から人が出て行かなくなってしまったでしょうから、
結果的に英断だったというべきかもしれません。

対潜戦(ASW )について書いてあります。

センサーでえた情報は敵と味方の潜水艦に対しどう対処するかを
決定するため艦に報告されます。
この情報は続いて艦載ヘリコプター、あるいは哨戒機に渡され、
もしその必要があれば「スティングレイトルピード」を
敵潜水艦に対して投下します。

HMS「モントローズ」はMTLSという独自の魚雷システムを持っており、
これはUWWチームによって制御されます。
彼らは海象データを使い、時には海水の温度や海深、水の透明度など
各種情報を使って情報を精査します。

この時、潜水艦の探索用に艦上のセンサーが最適化されるので、
チームは潜水艦が周囲の環境をどのように利用して
位置を特定されないようにしているのかを推定できます。

銃を持っている人に、

「あなたは海兵隊?」

と聞くと、違うよとの答え。
イギリス海軍における海兵隊は「警備」というイメージですが、
こういう時に警務の係をするのは海軍の役割のようです。

写真は、この姉御が

「彼はわたしの弟なのよ!」

と言っているところ。
わたしの連れは

「似てると思った」

と真に受けていましたが、どう見ても間違いなく冗談です。

「モントローズ」はCIWSなどではなく、どうもマンパワーでの
近接先頭を行う模様。

これどう見ても防弾用の盾ですよね?

艦上から外を見ると、日曜日なので上陸許可を得た乗員さんが
実につまらなさそうな様子でバスを待っているのが見えました。
左の人は立派なレンズを搭載したキャノンのEOSを持っています。
これから東京の街を日本製のカメラで撮りまくろうという気満々。

何れにしても東京の上陸を目一杯楽しんでいってほしいものです。

 

続く。