駅に到着し、レンタカーを返す。
「ありがとうございました。」
二度と会わぬレンタカーの方々へ、頭を下げる。
親切な方たちだった。
駅構内に入り、空を見上げた。 青空だった。
電車がくるまで30分。
ふとよぎる母との一日半を思い浮かべ、また涙がこみ上げてきた。
「上を向~いて 歩こうよ 涙が こぼれないよう~に」
そうだ、上を向いてみよう!
私は空を仰いだ。
涙が、こぼれなかった!
さすが、坂本九さん!
こぼれないのを確かめて、顔を元に戻したら、
涙がぼろぼろっと額にこぼれ落ちてきた。
「だめじゃん、九さん。 元に戻したらこぼれてきちゃうじゃん。」
そう思ったとたん、またあふれ出してきた。
無理に止めずに、泣けばいい
そんな風に、新潟の青い空は言った。
ありがとうございます、どうしようもなく止まりません。
電車が来て、座って、外の景色に目を向ける。
こみあげる感情は、何者なのか?
瞳をぬらす正体は、だれなのか?
私に何を学ばせたかったのか?
私は何から気づけというのか?
母よ あなたは 何も気づいていないのか?
ここまで落ちぶれても 何も気がつかないのか?
母に会うために書き綴った21の手紙がある。
11月1日から毎日、会いに行く21日までの、私の心の記録だ。
文房具店で、これを書くための毛筆ペンと、ノートとを選び、
貴女へ贈るはずだった。
でも、とうとう渡すことはできなかった。
貴女の心に届くかどうか、疑問が生じた。
貴女の解釈があまりに違いすぎて、誤解が生じるのではないか?と思った。
これが貴女に渡る時があるかは、今世では疑問だった。
山を越えた電車。
ガタンゴトン ガタンゴトン と 何人もの思いを乗せて走る、
電車の音は、心に心地よく響いていた。
山が開けて見えた田んぼが、ぱーっと光った。
雲の間に間に浮かぶ太陽が、白い光を放ち、
それは美しかった。
私は、とても大切な一仕事を終えたと実感した。
もやもやとした心は、晴れてはいなかったが、
この混乱は、多くの人や言葉によって中和されることも知っていた。
この日、夜は3時過ぎまで眠れなかった。
たったの二日間が、走馬灯のように思い出されて、
興奮して眠れなかった。
あれから1週間が経ち、私は平常に戻っている。
いろんな方たちへ、いろんな方法で、私のことに関わってもらい、
私はまた一つ、経験値を積み重ねることができた。
私に何を見せたのか、誰が見せたのか、それはまだ分からないが。。。
おしまい
「ありがとうございました。」
二度と会わぬレンタカーの方々へ、頭を下げる。
親切な方たちだった。
駅構内に入り、空を見上げた。 青空だった。
電車がくるまで30分。
ふとよぎる母との一日半を思い浮かべ、また涙がこみ上げてきた。
「上を向~いて 歩こうよ 涙が こぼれないよう~に」
そうだ、上を向いてみよう!
私は空を仰いだ。
涙が、こぼれなかった!
さすが、坂本九さん!
こぼれないのを確かめて、顔を元に戻したら、
涙がぼろぼろっと額にこぼれ落ちてきた。
「だめじゃん、九さん。 元に戻したらこぼれてきちゃうじゃん。」
そう思ったとたん、またあふれ出してきた。
無理に止めずに、泣けばいい
そんな風に、新潟の青い空は言った。
ありがとうございます、どうしようもなく止まりません。
電車が来て、座って、外の景色に目を向ける。
こみあげる感情は、何者なのか?
瞳をぬらす正体は、だれなのか?
私に何を学ばせたかったのか?
私は何から気づけというのか?
母よ あなたは 何も気づいていないのか?
ここまで落ちぶれても 何も気がつかないのか?
母に会うために書き綴った21の手紙がある。
11月1日から毎日、会いに行く21日までの、私の心の記録だ。
文房具店で、これを書くための毛筆ペンと、ノートとを選び、
貴女へ贈るはずだった。
でも、とうとう渡すことはできなかった。
貴女の心に届くかどうか、疑問が生じた。
貴女の解釈があまりに違いすぎて、誤解が生じるのではないか?と思った。
これが貴女に渡る時があるかは、今世では疑問だった。
山を越えた電車。
ガタンゴトン ガタンゴトン と 何人もの思いを乗せて走る、
電車の音は、心に心地よく響いていた。
山が開けて見えた田んぼが、ぱーっと光った。
雲の間に間に浮かぶ太陽が、白い光を放ち、
それは美しかった。
私は、とても大切な一仕事を終えたと実感した。
もやもやとした心は、晴れてはいなかったが、
この混乱は、多くの人や言葉によって中和されることも知っていた。
この日、夜は3時過ぎまで眠れなかった。
たったの二日間が、走馬灯のように思い出されて、
興奮して眠れなかった。
あれから1週間が経ち、私は平常に戻っている。
いろんな方たちへ、いろんな方法で、私のことに関わってもらい、
私はまた一つ、経験値を積み重ねることができた。
私に何を見せたのか、誰が見せたのか、それはまだ分からないが。。。
おしまい