市場や道路を走っていると竹筒に入った餅米を蒸した食品をよく見かけます。地域によって用いる竹筒が異なったり、味のと違いはあるものの、基本は餅米をココナッツミルクで蒸したおやつのようなもので「カオ・ラーム」と呼びます。バンコク周辺では、チョンブリーのバンセーンが有名で、いまだに昔ながらの方法で作っている店があるとのことで、写真を撮りに出かけてきました。
バンコクから約80km、午前5時40分にスタートして午前6時40分に到着です。狭い路地を入っていくと早朝から「カオ・ラーム」を販売している店があり、車を停めて作っている場所を訪ねると、店の向で煙が上がっています。「何しに来た。」との問いかけに「写真撮影。」と答えると、家の中の荷車をどけ駐車スペースを確保してくれました。
まだ全体に火が回っていません。
真ん中に並んで立っている青竹が「カオ・ラーム」で中には黒餅米、「トゥア・デーン」と呼ばれる小豆によく似た赤い豆、ココナッツの果肉数片、そして「ナム・カティ」というココナッツ・ミルク入りの炊き汁が入っています。蒸すと書きましたが、炊くといった方が良いようです。炊きあがると甘い赤飯のようになります。
白い餅米を炊くときには、黒い豆が入ります。やはり甘いおこわです。
まだ燃えていない所へ椰子殻の種火を分けていきます。
3時間炊き続けます。
燃え尽きてきました。椰子殻の投入です。
彼の話では、ほとんどの店が炉で炊いているそうです。この近くににも店がありますが、ブロックで囲まれた炉で作業をしていました。
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「メー・ニヨム」というお店です。朝からたくさんの人が買いに寄っています。
売れると竹を鉈で割ってから客に渡します。
この老婆が店名の「メー・ニヨム」でしょうか、短い竹筒の「カオ・ラーム・チョット」の汚れを丁寧に落としていました。
「カオ・ラーム・チョット」です。
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店の裏では竹筒に餅米を入れています。
切った青竹です。節が中程にあって、ずいぶん上げ底になっています。
「カオ・ニョウ・ダム」(黒い餅米)、赤い豆、ココナッツの果肉を適当に詰めていきます。
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駐車のため庭を空けてもらい、長時間にわたりうろうろしたので、手ぶらで帰るわけにも行かず、ちゃんと買ってきました。
長い「カオ・ラーム」は3本が100バーツ、短いのは1個が25バーツです。ただ、竹筒が長いと言えども上げ底で、内容量はどちらが多いのかよく分かりません。
赤飯のようになった黒い餅米です。口のあたりには炊きあがったココナッツミルクがクリーム状になり、竹の香りが全体を包み、柔らかく炊きあがっておいしくいただけました。
店の説明では3日間ぐらい日持ちするとのことでした。
こちらは白い餅米と黒い豆です。
「カオ・ラーム・チョット」です。黄色い実は「ペックワイ」といいますが、どのようなものかよく分かりません。こちらには竹のスプーンも付いています。
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