懐かしのバレエ

バレエ、パフォーミングアーツ等の感想、及び、日々雑感。バレエは、少し以前の回顧も。他、政治、社会、競馬、少女マンガ。

愛について 【加藤登紀子 in みゅーじん】

2007-06-05 01:07:21 | Weblog
愛について。

「たった一人の男(ないしは女)」を持つことができる今生とできない今生がある。

とすると、自分的には、「たった一人の男」を持つことの出来た加藤登紀子さんは、「幸せなのではないか」と短絡してみる。

でも、テレビ番組の中で、長年連れ添った夫に先立たれて「千の風に乗って」を歌う加藤さんは、寂しそうだ。

そんなものかな~。

20歳前後で知り合ったとして、先年先立たれて、現60代の女性がずっと好きでいたなら、40年位ずっと好きだった計算にになる。それは凄いし、いいなと思う。

自分もそんなに長く生きてないのでその境地はわからない。

「たった一人の男」をずっと好きでいたいと願い続けて、それが40年も全うできれば、もし自分ならば、充分幸せだと思う、のだけれど、・・考えが浅い、のか?。

思いが残るのは、彼女には思い残す所があったのか、業が深いとか寂しがりやなのか、どっちかだろうか。

そういえば、作家山田詠美さんというのが、気丈なイメージがあるけれど、案外男性に対し、寂しがりやの気がありそうだったことを思い出す。
クリエイターは、そういう風に何かに撞着する気持ちが強いのか?

「数え切れないほど愛したわ」と語った美輪明宏の言葉を、羨ましいとは思わなかった。(知ることが多くなって面白い人生かもしれないけれど。)

「愛した人数の分だけ豊かになれる」という発想は、今の所私にはない。

人生紆余曲折があるから、長くても20年位が現実的で、40年も一人を思い続けるというのは、いいな~と思うのだけれど。

円熟期の歌手の歌う「千の風に乗って」は、どうも私が思うほど単純でない、彼女の思いを伝えていた。

「みゅーじん」で久しぶりに新井満の名を見たなあ。この人も私には掴みづらい。

もっと昔の作家の小説で、
妻が死ぬ、もうすぐ病で死ぬというので、妻が死ぬことを男が必死に考える、そんな話があった。

懊悩の果てに男は、悟る。「死とは、ただいなくなるだけだ」

加藤さんの思いより、私にはこちらの方が、遥かに判りやすかった。

愛について。格闘しなきゃならないのは、生きてる時だ。

いつか別れが来る。死も含めて。

その時までに、相手に、何が出来るか。

関係の中で何が出来るか。時間切れタイムアウトが来るまでに。

死は関係にとって、関係の中断でもあるけれど、一種のゴールでもあり、
いい思いを分け合えた相手なら、もうこれで永遠の愛が確定のような気分でちょっとほっとする。

やるべきことは尽くしたと思える相手なら、「死とはただ、いなくなるだけだ」ときっと思える。
視線が宙に浮く時、相手の姿がたやすく浮かぶ。
「相手を思っていることに変わりはない」と思える。

関係が真に変容し、様々な思いをするのは、生きてる時だ。

今日も太陽光線がしみで足跡をつけている。カネボウの美白美溶液は効くのだろ~か。

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