懐かしのバレエ

バレエ、パフォーミングアーツ等の感想、及び、日々雑感。バレエは、少し以前の回顧も。他、政治、社会、競馬、少女マンガ。

羽生結弦の芸術

2021-04-19 01:11:26 | Weblog
スポーツ競技の演技としてなら、出た点数や順位がその内容への評価になるけれど。

そういうのとまったく別の観点で、羽生結弦の今季FS「天と地と」は、羽生プロデュースの一つの作品としての構想をはっきり持ったものとして、
とても新鮮な思いで見た。

私的には今の羽生のあり方の全部をマンセーする気はさらさらないし、

それと国別対抗戦、って試合のカテゴリー自体が自分は好きじゃない。

日本選手団のダサいセンスない応援のあり方も、日本の選手ばかりをだらだら流し続けるTV放送にも食傷した。

それなのに。
羽生のコメントは聞かなくてもいいかなと思ったのに(メディア対策は必要だから別にやるのは構わないんだけど。)。

ステージだけは。

なんて言って良いのか、自分にはよく見えた。

特に「天と地と」の音楽は、羽生の優れた面がさく裂してる位に感じた。大河ドラマ「天と地と」の音楽が良いのではなく、羽生のチョイスが凄くいいんだと思う。編曲、どこの音楽をどう使うかとか、鳴らし方とか、音源とか、私は音楽に詳しくないので専門的な言い方をできないんだけど。

音楽的には完成度非常に高いんじゃないかと。
(私の様な素人じゃなくて、音楽の仕事を専門的にやってる人に、これ、ちょっと聞いて貰って感想聞きたいと思った位。)

それに、全体に今迄の羽生と少し違うものを感じた。ちゃんと、トータルで「作品」になってるっていうか。構想がしっかりある感じがして。

演技も。変わってきたのかも。

こないだの世界選手権のエキシの演技の後半、心がこもっていていい演技をしていると感じてたけど、それを今回のエキシでも出してくるとは思ってなかった。前も書いたけど、演技というのは、1回目は良くても、二度目は自己模倣になって、最初の新鮮な演技をなぞりながら退化していくのはありがちなこと。

だから、演技って、感動してもあまり褒めたくないんだけど。(褒めると次回から退行しそうで)

ほんとは、「天と地と」で感じた事を、つまり全くの私の主観ワールドでの、『羽生結弦の芸術』の世界について、例によっての私の独りよがり独断文を書くはずだったのが。

さらにエキシの演技で引っ張られて、「天と地と」の感想が書けてない。時間てすぐなくなる。
国別対抗戦でのエキシの花一輪もって滑ってる時。羽生の演技が変わってきた。去年までが悪かったわけじゃないけど、以前より想いの表出が増幅して。

で、ちょっとそれ見てお腹いっぱいになってしまって、「天と地と」で感じた羽生結弦の芸術について、長々書く時間が無くなってしまったのだけど。

一つ書くと、中でも、最後の所の演技が一番、啓示に満ちて心に響いた。

羽生が思ったことと私が感じたのは全然違うかもしれないけど。

羽生は、みんなに届け!と思って、「天と地と」のフィニッシュの動きをしたのかも、と冷静な頭では思うんだけど。
自分的には、あの作品内の羽生は巫女みたいな、一種、神の使徒みたいな存在に見えて、何かを天に返す、超俗的な何か特別な意味を持った事をしている動作に見えた。

競技選手としては、皆は、いや、羽生を好きな人たちは、羽生にはネイサンに勝ってほしいのかも?しれないけど。

でも自分には、羽生がまた新たな地平に居るような、表現的に新局面を迎えているように思える今回のFSの演技とエキシの演技が見られて、勝ち負けよりそういう方が、興味があるかも。(勝っとかないと立場が悪くなるから勝った方がいいとかは、あるのかも?しれないけど??)

タイトル総なめにし、功成り名を成した後、彼は何をするのかな?とずっと思っていたけれど、こういう世界が見られて良かったと思った。

誰にでもできる事をしているように見える羽生には、自分は興味がない。(国別での応援とかの)

氷上のステージに立つ彼は、別人のようで、目を引いた。

そんな私は、今アレクサンドラ・トゥルソワに夢中なんだけど。(そういえばトゥルソワの「R&J」の感動も書けてないし。もう、幕は下りたというのに。来季は別のプログラム。)

今回の国別対抗戦は大阪で行われていて、私はそれを知ったのは大会開始後だったから、マスコミのダブルスタンダードぶりにも呆れたし、会場に詰めかけたファンの人たち、羽生を愛するのも誇張でなく命がけみたく、なってしまった。

平気でテレ朝は放送してるし、チャンネル変えると情報番組等で、コロナ感染拡大の話を延々とやっている。

羽生のFSとさらにエキシの演技はとても良かったと思うけど、それに見合うものを会場に来た観客の方々は、支払っている。そう強く感じた。
(場所が大阪だなんて、自分なんか卒倒しそうに驚いたし。ごめん大阪の人。)

私が心配性なのかも、ちょっとニュースとか、小池都知事の煽りとか、自分が洗脳されちゃってるのかなと思う部分もあるし、行ってる人たちは意外と平気だったり?するかも?分らないけど。

リスクを負ってイベントに来た人たちを思うと、羽生は素晴らしかったけれど、お客さんはこんないい演技が見られて本当に良かったと思った。

(ワクチン接種がいい事ばかりではないとは思うけど、それでもそういうのが進行すれば、こんなハラハラしながら試合のTV放送を見なくても済むようにはなるのかしら?)

コロナの話で脱線しちゃったけど、羽生、いい演技でした。

ついでに言えば、羽生の動き、これだけやれるためにこの人はどれだけの努力を、代償を支払ったんだろう、と、今回改めて思った。

ジャッジはジャッジの仕事をする。

芸術面の味わいは、別の角度が幾つもあっていいと思ってる。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明暗

2021-04-19 00:01:14 | 競馬
気が付けば皐月賞。
先週の桜花賞は人気の白い馬が快勝し、ドラマを作った。

皐月賞は、1番人気を争った2頭の馬で明暗。
ヨコノリの息子・横山武史騎手騎乗のエフフォーリアが、3馬身差で優勝。

騎乗は立派で、勝利ジョッキーインタビューは初々しく、爽やかだった。

と、そこまでは良かったんだけど。

最終的に1番人気になってたダノンザキッド。
スタートして掛かって、最後足がなくなり、ズルズル下がって結局ブービー。
(最近自分が見てるG1レースでの1番人気馬では珍しいパターン。昔は珍しくなかったと思うが。)

横山武史騎手陣営だけでなく、ダノンザキッドの陣営にもドラマが。
あの、トウカイテイオーに乗ってた安田隆行元騎手が調教師転身して手掛けた馬だった。
直前のオッズの移り方を見ると、ダノンザキッドの方が勝ちそうに見えたっぽいんだけど。

今の競馬は、去年の無敗3冠馬になった馬の調教師さんのように、昔のやり方でなく新しいやり方を取り入れている人に風が向いているという事なのかなあ?と、ふっと思った。

ヨコノリの感想も聞きたいと思ったけど、武史騎手のコメントだけしか読んでない。
オルフェーブルの仔の馬も出ていて、やっぱりオルフェにちょっと似てたが。(勝たなかった)

競馬場は今年は人が入って拍手が熱かった。

ダービーも楽しみだが、その前にオークスが楽しみ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする