気の向くまま足の向くまま

できうるかぎり人のためになることを発信していきたいと思っています。

ある傲慢さ

2019-02-11 20:58:14 | 日記




三浦半島から望む海 スマホで






 

 最近また新しい友ができた。

彼はとてもバイタリティーあふれる面白い友で、リーダー的な役回りを演じるタイプの人だ。

先週はこの人と別の友と三人で三浦半島の城ケ島というところに行った。



 実はこの三浦半島には『小桜姫物語』で有名なお社がある。

この物語は室町時代後期、戦国時代初期に実在したある姫の実話で、日本のスピリチャリズムの黎明期を築き上げた浅野和三郎にゆかりのお社である。

なので立ち寄りたい思いがあったのだが、二人の友には全く関心がないためもちろん行くことは断念した。



 そして今週末はひとり鎌倉に向かったのだが、肉体的な消耗激しく、また連休の休みということで人混みがすさまじく、もうそれだけで散策する気持にはなれず引き返した。途中、小町通でうまいぜんざいを食べられたことだけが幸いだった。



 僕の友人の一人に仕事が長く続かず、つらくなるとすぐやめてしまい転職を繰り返している人がいる。

僕はそういう彼に対して世間一般的な価値観から直接的な批判はしていないが、共通の友にはかなり本音に近いことをメールで書いた。



 しかし、よくよくその仕事をよく変わる友人と話してみると、なんか違うな……という感慨を抱き始めた。

彼にとってはそういう生き方が至極自然で、特にそういう生き方を恥じていることもなく、まるで木の葉が風になびくがごとくあるがままに任せた彼らしい生き方なのではないかという印象を受けはじめた。彼の態度を見ていると、そういう風にしか受け取れないのだ。



 そしてそういう彼を見ているうちに、あれ、もしかして俺は自分の価値観を一方的に押し売りしてないか?と思い始めた。

よくよく考えてみると、一つの会社に長く勤めていることが「どうして」そうでない人より偉いのだろう?

もらえる給料が高いから?しかし、生涯独身をとおす人にとって生活に必要なだけの収入があればそれでいいのかもしれない。

どうせ多額の遺産を残しても、相続する人がいなければ、そのお金は国に没収されるだけである。また、仮に家族がいても相続税をとられて、だいたい三代相続するあいだに個人の資産はほぼなくなるといわれいている。



 安定した人生が送れるから?

しかし、そのために長時間労働が慣習化しているこの国で過労死の危険を抱きながら身を粉にしながら働くことがほんとうに「安定」なのだろうか?

僕の叔父は大手建設会社に大学を出て入り、営業畑で定年まで勤めたが、職業柄接待などでたばこと飲酒が過ぎた生活が続いて定年後数年でおそらく血管の病であろう、まだ60代で急死した。長寿の人が多い僕の家系では異例の短命であった。

 僕ら親戚の間では、そういう彼の現役時代の働き方が短命を招いたという見方で一致している。つまり殉職したのとほとんど同じである。



 転職を繰り返してもそこが人間的な労働環境を提供してくれて生涯健康を維持でき、人生平均80年を無事乗り切ったほうが「安定」した人生とは言えないだろうか?

36計逃げるにしかずともいう。



 一つの仕事を通じて人間は成長できるから?

確かにそれはそうかもしれない。でもそれが必ずしも一つの仕事である必要はないのではないか。

人がこの世に生まれてくる理由は魂の成長にあるという。そしてそのカリキュラムはその人の課題に応じて様々だといわれる。



 一つの仕事を通じて自分を磨いていくことが「その人にとって」必要なカリキュラムなのだろうし、別の人にとっては様々な仕事、様々な人間関係を経験しながら自分を磨いていくことが「その人にとって」必要なカリキュラムなのではないか。なぜなら、それぞれ人生、人間を全く別の角度から観察し体験することができるからだ。



 この「人生大学」では、ひとそれぞれみな課題が違う、という点は忘れてはならないと思う。 

 

 だから、たとえ生き方が極端に違っているとしても、だれにもそれが「間違っている」と言う権利はないだろう。

なぜなら、「間違っている」という判断を下すその根拠、価値観そのものが所詮相対的なものでしかないからだ。





 そういうことを考えているうちに、僕はしたり顔で説教がましいことを、あたかも教師ができの悪い生徒を諭すがごとく述べたことが恥ずかしくなってきた。

とてつもない傲慢さだったのではないかと思うようになった。僭越とはこういうことを言うのだろう。


 
 
 いまは僕の愚行を仮に冷笑しながらでも、大きな度量で受け止めてくれたであろうその友の寛容さに…こころからの反省とともに感謝したい。



 



 



 

 



 

コメント
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