ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で、じーじ臨床心理士が公園カウンセリングやメールカウンセリングなどをやっています

福寿草を眺めながらの里山カウンセリングは、こころも可愛く元気になります

2025年02月22日 | カウンセリングをする

 こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で,じーじ臨床心理士が公園カウンセリングや里山カウンセリング,海岸カウンセリングと訪問カウンセリングを新潟市と北海道東川町(夏期)で時々やっています。

 また,メールカウンセリングや面会交流の相談・援助もたまにやっています。

 公園カウンセリングや里山カウンセリング,里山カウンセリングは,屋外で行なう個人カウンセリングや親子・夫婦の家族カウンセリング,子どもさんの遊戯療法などで,お近くの公園や自然の中で,ゆっくりとご自分やご家族のことなどを考えてみます。

 料金・時間は1回,50分,3,000円で,隔週1回,あるいは,月1回などで行ないます。

 訪問カウンセリングは,屋内で行なう個人カウンセリングや家族カウンセリング,子どもさんの遊戯療法などで,ご自宅やお近くの屋内施設で,じっくりとご自分やご家族のことなどを考えてみます。

 料金・時間・間隔は,公園カウンセリングと同じです。

 メールカウンセリングは,メールによるカウンセリングや心理相談で,2週間に1往信で行ない,1往信700円です。

 面会交流の相談・援助は,相談はご自宅などで行ない,1回,50分,3,000円,援助はお近くの公園や遊戯施設,あるいはご自宅などで行ない,1回,60分,6,000円です。

 カウンセリング,相談・援助とも土日祝日をのぞく平日の午前10時~午後3時にやっています(すみません、年寄りなもので、夕方や週末のお仕事が難しくなってきました)。

 じーじのカウンセリングは,赤ちゃんや子どもさんがご一緒でもだいじょうぶなカウンセリングですので,お気軽にご利用ください。そういう意味では,深くはないけれども,現実の生活を大切にしたカウンセリングになるのではないかと考えています。

 料金は,低めに設定させていただいていますが,月収15万円未満のかたや特別なご事情のあるかたは,さらに相談をさせていただきますので,ご遠慮なくお問い合せください。

 ちなみに,消費税には反対なのと,計算がややこしいので,いただきません。

 お問い合わせ,ご予約は,メール yuwa0421family@gmail.com までご連絡ください。

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 駅の近くに部屋を借りて本格的にカウンセリングルームを運営するような臨床心理士さんとは違って、じーじは近くの公園や海岸、河川敷などでカウンセリングをしています。 

 子どもさんを遊ばせながら、ちょっとだけ悩みごとを聞いてもらえればいいんですー、というお母さんや悩み多き若者(?)などがじーじのクライエントさんには多いです(じいじいやばあばあのみなさんもお断りはしませんが(?)、尊敬すべき先輩たちのみなさんですから、できるだけご自分で解決しましょうね)。

 おこづかいを貯めて(?)、お気軽に、遠慮せずに、ご利用ください。  

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 福寿草を眺めながらの里山カウンセリングは、こころも可愛く元気になりますよ。

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 ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人・個人開業)のご紹介

 経歴 1954年、北海道生まれ  

    1977年、浦和、新潟家庭裁判所などで家庭裁判所調査官として司法臨床に従事  

    2014年、放送大学大学院修了(臨床心理学プログラム・修士) 

    2017年、臨床心理士

 仕事 個人開業で、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の援助などを研究しています

 学会 精神分析学会、遊戯療法学会会員

 論文「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006・『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011・『遊戯療法学研究』)ほか 

 住所 新潟市西区・北海道東川町(夏期)

 mail  yuwa0421family@gmail.com  

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岩宮恵子『フツーの子の思春期-心理療法の現場から』2009・岩波書店-「フツー」という子どもの心理を考える

2025年02月21日 | 子どもの臨床に学ぶ

 2019年のブログです

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 岩宮恵子さんの『フツーの子の思春期-心理療法の現場から』(2009・岩波書店)を再読しました。

 なかなか面白い本で、読むのはもう何回目かですが、感想文を書くのは初めてです。

 「フツー」の子どもたちが、何をきかれても、「フツー」とか「ビミョー」とか、口癖のように言う現象を事例を紹介しながら、描いています。

 確かに世の中に、そういう子どもたちがいますが、それを臨床心理学的に、しかも事例を交えて分析をするところが岩宮さんのすごさです。

 岩宮さんは、こころの内側のことを言葉にしろと言われても無理なので、「フツー」と返すのではないか、という解釈をされます。うなずけます。

 じーじの経験では、ワカラナイ、を連発する子どももいます。

 総じて、こころの内側を見るのが苦手な子どもが増えていて、うわべの人間関係が多くなっているようです。

 そして、痛みや哀しみ、怒りを無視しようとしたり、なかったことにしようとする心理機制が強く働いているようです。

 できることなら、ああでもない、こうでもない、と考えるのが望ましいでしょうし、そういうような付き合い方をしてくれるおとなの存在が大切になるのでしょう。

 そういう本気の付き合いが大切なんだろうと思います。

 やさしい言葉づかいの本ですが、子どものことを深く考えさせてくれるいい本だと思います。        (2019.7 記)

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 2021年冬の追記です

 ああでもない、こうでもない、と考えられることというのは、あいまいさやわからないことに耐えられること、につながるのかもしれませんね。        (2021.2 記)

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 ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人・個人開業)のご紹介

 経歴 1954年、北海道生まれ  

    1977年、浦和、新潟家庭裁判所で家庭裁判所調査官として司法臨床に従事  

    2014年、放送大学大学院修了(臨床心理学プログラム・修士) 

    2017年、臨床心理士

 仕事 個人開業で、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の援助などを研究しています

 学会 精神分析学会、遊戯療法学会会員

 論文「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006・『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011・『遊戯療法学研究』)ほか 

 住所 新潟市西区・北海道東川町(夏期)

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樋口有介『横浜ではまだキスをしない』2018・ハルキ文庫-本の帯に「ザ・青春ミステリーの登場」とあります

2025年02月21日 | 樋口有介さんを読む

 2018年のブログです

     * 

 樋口有介さんの『横浜ではまだキスをしない』(2018・ハルキ文庫)を読みました。

 すごーく面白かったです。

 久しぶりに有介ワールドを堪能しました。

 じーじは樋口有介さんの小説が大好きですが、世間的にはどうなのでしょう。

 じーじにとっては、村上春樹さんと先日ご紹介をした東直己さん、そして、樋口有介さんの3人が現代日本の小説作家のベスト3ではないかとひそかに思っています。

 3人とも文章がうまいですし、お話は一見、軽妙ですが、なかみはかなり深いです。

 その人間観察、表現、ストーリー、内包している物語、男女のありかた、などなどは、とても読んでいて小気味よい感じがします。

 さて、本書、久しぶりに樋口さんのデビュー作『ぼくと、ぼくらの夏』(第6回サントリーミステリー大賞読者賞受賞作)を思い出させるような男子高校生が主人公の青春推理小説です。

 樋口さんには柚木草平シリーズという私立探偵ものの小説があって、これもとても面白くて、いい小説シリーズですが、それにひけをとらないくらいの推理小説になっていて、あらすじはあえてご紹介しませんが、最後までどきどきしながら読み進められます。

 登場人物は、樋口さんお得意の、それぞれに魅力的な老若男女で、人間観察がなかなか深いです。

 何より読後感がすがすがしいです。

 生きることの哀しみがしみじみと胸にせまっていますが、しかし、生きることはやっぱりいいな、と思わせてくれる、いい小説です。

 若い人だけでなく、中年や老年の人生にややくだびれてきた人にもぜひおすすめの一冊です。        (2018 記)

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 2020年6月の追記です

 先日、息子がじーじの本棚から、樋口有介さんの本を何冊か持っていきました。

 息子もファンのようです。

 ちょっとだけ、うれしかったです。         (2020.6 記)

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 2021年夏の追記です

 最初の時に書き忘れたのですが、この小説の重要な登場人物(?)のひとりが幽霊と共存しているネコちゃんで、この彼女(?)がいい味を出しています。

 小説ですからね、許されますよね(?)。

 なかなか存在感のあるかわいいネコちゃんです。

 そういえば、樋口さんの『窓の外は向日葵の畑』(2010・文藝春秋)にも幼なじみのかわいい幽霊が出てきますね。

 樋口さんは若い女性だけでなく、幽霊もお好き(?)なのかもしれません。        (2021.8 記)

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いつもクライエントのそばにいるということと,いつもクライエントにより添うということ-カウンセリングを考える

2025年02月20日 | 心理臨床を考える

 たぶん2012年ころのブログです

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 ある研究会で,一人のカウンセラーのかたが,自分はクライエントに携帯の番号を教えて,いつでも連絡が取れるようにしています,と話していました。

 すごく熱心だな,と思いました。

 一方で,でも少し違うのではないかな,とも思いました。

 いつもクライエントと連絡が取れること,が,いつもクライエントのそばにいること,と同じかというと必ずしもそうとはいえない気もします。

 ましてや,いつもクライエントにより添うこと,とはまた違うような気がします。

 さらに,そのことがクライエントの自立に繋がるか,ということになると,さらに難しい問題となります。

 カウンセリングの目標がクライエントの精神的な自立や成熟だとすると,最終的にはクライエントがカウンセラーに頼らなくてもいいようになることが課題となります。

 それにはクライエントがカウンセラーを「内在化」して,自分のこころの中のカウンセラーと対話ができるようになることが大切になります。

 精神分析では,毎日の面接と週末のお休みのリズムが大事だと言われています。

 週末,治療者の「いない」時にいかに患者が自分の「内的な」治療者と対話ができるか,がポイントになります。

 一般に,心理療法において,治療者やカウンセラーのお休みは,彼らの健康を守ると同時に,患者やクライエントの自立の契機として重要な意味を有していると思います。

 考えがまだまだ深まっていませんが,これらのことはとても大切なテーマではないかと思います。

 簡単には正解は出ないと思いますが,今後,さらに考察を深めていきたいなと思います。        (2012?記)

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 2020年12月の追記です

 今も考え続けている大きくて、奥深い問題です。         (2020. 12 記)

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 ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人・個人開業)のご紹介

 経歴 1954年、北海道生まれ  

    1977年、浦和、新潟家庭裁判所で家庭裁判所調査官として司法臨床に従事  

    2014年、放送大学大学院修了(臨床心理学プログラム・修士) 

    2017年、臨床心理士

 仕事 個人開業で、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の援助などを研究しています

 学会 精神分析学会、遊戯療法学会会員

 論文「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006・『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011・『遊戯療法学研究』)ほか 

 住所 新潟市西区・北海道東川町(夏期)

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瀬尾まいこ『ファミリーデイズ』2017・集英社-本の帯に、著者初の育児エッセイ集、とあります

2025年02月20日 | 随筆を読む

 2017年のブログです

     *

 瀬尾まいこさんの『ファミリーデイズ』(2017・集英社)を読みました。

 本の帯に、著者初の育児エッセイ集、とあります。

 そうなのです。

 じーじが知らない間に、瀬尾さんは結婚をされ(!)、出産をされ(!)、子育てをされていた(!)のです。

 びっくり、ぽん、です(じーじが知らなかっただけですけどね)。

 そういえば、先日、ブログで紹介せてたいただいた『君が夏を走らせる』(2017・新潮社)の子育てシーンがいやにリアルで、どこかの保育園に観察にでもいったのかな、と思ったりしたのですが、ご自分の子育てを参考にされていたのですね。

 あの小説では、赤ちゃんの「悪魔のような」困らせぶりが、本当によく描けていました。

 さて、本書。

 だんなさんとの交際から、子どもさんの3歳の誕生日、そして、幼稚園のプレ卒業式までのできごとが記されます。

 のんびり屋のだんなさんとのあれこれも面白いのですが、やはり、「悪魔のような」活発で元気な娘さんとのやりとりと、その中での瀬尾さんの成長が抜群に面白いです。

 かなり几帳面で真面目な新米ママが、だんだんとおおらかで「ほどよい」(小児科医で精神分析家のウィニコットさんの言葉です)おかあさんになっていく様子がとても楽しく描かれています。

 さすが、売れっ子小説家(?)です。転んでもただでは起きません(ちょっと表現が違いますかね?)。

 子育てのたいへんさと喜びと楽しさを経験することで、教師時代の思い出や経験についても考え、当時の保護者とのできごとも振りかえられます。

 ひょっとすると、貴重な立ち位置かもしれず、これからも楽しみが増えます。

 おそらく、すごくパワフルな娘さんのことなので、ますます子育てはたいへんなことになりそうですが、そんな中でも明るく、楽しい物語が生まれていくのではないかと思います。

 今後も楽しみです。        (2017 記)

     *

 2019年春の追記です

 瀬尾さんが本屋大賞を受賞されました。

 おめでとうございます。         (2019.4 記)

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西丸四方『彷徨記-狂気を担って』1991・批評社-時代に流されない真摯な精神科医に学ぶ

2025年02月19日 | 精神科臨床に学ぶ

 2019年のブログです

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 西丸四方さんの『彷徨記-狂気を担って』(1991・批評社)を再読しました。

 西丸さんはドイツの伝統的な精神医学であるシュナイダーやブロイアー、ヤスパースなどの本を翻訳されたかたで、松沢病院や信州大学病院などで精神科臨床にあたられたかた。

 その見識と実践はすごいです。

 偉い先生なのですが、飾りが全然なくて、いつも本音で語られている印象で、そのざっくばらんさは魅力です。

 幻聴についての考察など、オリジナルな発想で、とても興味深い検討がなされていて、じーじももう少し考えてみたいと思うところが多々ありました。

 また、精神科臨床の実践がとてもていねいで思わずうなってしまいます。

 トイレのたれ流しで、トイレットペーパーを集めてしまう患者さんについて、細やかにその日常行動を観察し、それまで誰もが気づかなかった不潔恐怖に気づき、ていねいな対策を講じた結果、患者さんの症状はなくなります。

 たんに精神病の症状だと皆があきらめていたことがらを解明するその姿に感動します。

 このような細やかで、ていねいな診療がいくつか紹介され、本当に感心させられます。

 他にも、東京裁判で東条英機の頭を叩いた大川周明さんの治療体験や精神病になった医学部の学生さんの治療経験など、西丸さんならではの経験も披露されます。

 いずれも真摯でていねいな精神科治療の実践例であり、経験の少ないじーじなどには宝の山のようです。

 こういう先達がおられることを誇りにして、少しでも近づけるよう努力していきたいと思いました。        (2019.6 記)

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 ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人・個人開業)のご紹介

 経歴 1954年、北海道生まれ  

    1977年、浦和、新潟家庭裁判所で家庭裁判所調査官として司法臨床に従事  

    2014年、放送大学大学院修了(臨床心理学プログラム・修士) 

    2017年、臨床心理士

 仕事 個人開業で、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の援助などを研究しています

 学会 精神分析学会、遊戯療法学会会員

 論文「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006・『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011・『遊戯療法学研究』)ほか 

 住所 新潟市西区・北海道東川町(夏期)

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星野知子『トイレのない旅』1997・講談社文庫-新潟美人ちゃんの秘境探検記です

2025年02月19日 | 随筆を読む

 2019年のブログです

     *

 新潟美人ちゃんの星野知子さんの『トイレのない旅』(1997・講談社文庫)を再読しました。 

 去年の後半、沢木耕太郎さんの『深夜特急』を読んでいましたが、沢木さんが泊まる安宿はシャワーが水だけだったりして、たいへんなところが多く、それを読んで、じーじは、それではトイレはどうなのだろう?と少し疑問を持ちました。

 トイレは問題がなかったのか、それともダンディーな沢木さんなので、トイレのことはあえて触れなかったのか(じーじは後者かなと思いますが…)、気になっていました。

 その点、じーじの尊敬する椎名誠さんは、トイレの話が大好きで(?)、トイレのリポートが詳しいですし(?)、トイレのお話だけで一冊の本を出している(!)ほどです。

 そんなことから、ある日、本棚を眺めていたところ、本書を見つけてしまいました。

 あの新潟美人ちゃんの星野さんの、トイレのない秘境探検記です。

 ペルー、シベリア、中国雲南省と、まさしく、秘境中の秘境の旅。

 どこも満足なトイレがないところで、星野さんはさんざん苦労をしますが、星野さん流の人々との交流がとても心地よく、読んでいて楽しいです。

 新潟美人ちゃんは意外とタフで(うちの奥さんもそうですが…)、どんな困難もものともせず、前に進みます。

 星野さんもその美しさに似合わず、かなりタフで、なかなかです。

 さまざまな困難を乗り越え、どこでもよく眠り、なんでも食べてしまう様子は本当に感心させられます。

 人間への好奇心、人生への好奇心、そして、生きていることを楽しめる遊びごごろ、それらが大切なことを教えてくれるようです。

 いい本を再読できて、良かったなと思います。            (2019.1 記)
 
 

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松木邦裕・藤山直樹『愛と死-生きていることの精神分析』2016・創元社-「生きること」と「生きていないこと」

2025年02月18日 | 藤山直樹さんを読む

 2018年のブログです

     *  

 松木邦裕さんと藤山直樹の『愛と死-生きていることの精神分析』(2016・創元社)を再読しました。

 じーじとしてはめずらしく(?)、2年目での再読です。

 それでも結構、忘れている部分が多くて、びっくりです。

 本書は創元社が主催する「精神分析スタディDAY」というセミナーの第7回の記録です。

 このセミナーはじーじも以前、一回だけ参加したことがありますが、深い内容の講義がなされ、それをもとに出版されている本もレベルが高く、参考になります。

 今回のテーマは、愛と死。

 なんだか小説の題のようですが、精神分析はなんだかんだと難しい議論がなされますが、しかし、やはりこの二つのテーマが重要だということだと思います。

 愛、というと、じーじなどはなんだか恥ずかしくなりますが、精神分析では、生きることは愛することだ、と藤山さんは言い切ります。

 そして、愛を支える生とそれを揺さぶる死を見つめることの大切さを論じています。

 一方の松木さんは、二つの症例を提示して、死んでいるように生きている患者さんの不毛さへの援助のあり方を論じています。

 いずれの症例も長期間の困難な治療ですが、参考になります。

 今回は、以前より、アンダーラインと付箋がだいぶ増えました。

 それだけ理解が深まっているといいのですが、どうでしょうか。

 愛と死を胸に秘めて、じーじは今日も勉強に励んでいきたいと思います。        (2018 記)

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 ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人・個人開業)のご紹介

 経歴 1954年、北海道生まれ  

    1977年、浦和、新潟家庭裁判所で家庭裁判所調査官として司法臨床に従事  

    2014年、放送大学大学院修了(臨床心理学プログラム・修士) 

    2017年、臨床心理士

 仕事 個人開業で、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の援助などを研究しています

 学会 精神分析学会、遊戯療法学会会員

 論文「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006・『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011・『遊戯療法学研究』)ほか 

 住所 新潟市西区・北海道東川町(夏期)

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マイクル・コナリー(古沢嘉通訳)『ブラックボックス』(上・下)2017・講談社文庫

2025年02月18日 | 小説を読む

 2018年1月のブログです

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 この間読んだマイクル・コナリーさんの『転落の街』がとても面白かったので、最新作の『ブラックボックス』(上・下)(2017・講談社文庫)も読んでみました。

 こちらも、ボッシュ刑事のシリーズの一冊ですが、ドキドキ、ハラハラで、すごい小説です。

 詳しくは書けませんが、ロサンゼルス暴動やイラク戦争に関係した犯罪をめぐって、ボッシュ刑事の野生の魂が叫ぶかのような刑事ものです。

 前作同様、官僚制に支配された警察組織の中で、ボッシュはただ被害者やその家族の無念さを決して忘れずに、困難さと闘います。

 現実の世の中では、つい長いものに巻かれてしまいがちなわたくしたちの目を覚ましてくれるかのような行動に、ドキドキしながらも読者は一体化してしまいます。

 ここがこの警察小説の真骨頂でしょう。 

  また、アメリカらしく、再婚同士の恋愛模様やそれぞれの家族との葛藤も描かれ、私生活でもことは楽天的にはなりえない社会が描かれます。

 何が正義で何が悪か、簡単には見極められない、時間と丁寧な生き方を貫かないとわかってこないような現代の世の中がこまやかに描かれます。

 読者も単純な判断はできず、読者は時間と丁寧さと誠実さを持って読み進めなければ、ボッシュ刑事との理解を分かち合えないような、複雑で、深い事態も描かれます。

 そこには、人々への深くて、温かで、確かなまなざしが感じられます。

 だからこそ、年寄りのじーじのような読者にも心地よい満足を与えてくれるのだろうと思います。

 組織や国家、人生や社会を深く考えてみたい人や正義や悪、救いなどを感じてみたい人などにはおすすめの小説だと思います。      (2018.1 記)

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 2020年11月の追記です

 今ごろ、気がつきましたが、ここでも、単純な二分法に陥らずに、あいまいさに耐えることの大切さが描かれているようです。      (2020. 11 記)

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本多勝一『北海道探検記』1985・集英社文庫-人のいない北海道を歩く

2025年02月18日 | 北海道を読む

 2020年2月のブログです

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 本多勝一さんの『北海道探検記』(改訂版・1985・集英社文庫)を再読しました。

 この本もかなりひさしぶり。

 本棚の隅っこに隠れていたのを(?)見つけて読みました。

 探検記、ということで、観光地ではなく、人のいないところを訪ねる旅です。

 人混みが嫌いらしい(?)本多さんと意見が一致してしまい、思わず引き込まれてしまいました。

 知床の山奥、離島、根釧原野、天北の開拓地などを巡りますが、今回、わたしが印象に残ったのが、日高の奥高見部落。

 当時の5級僻地校という少人数の学校が紹介されていますが、ここがすばらしい。

 子どもたちの夢が、海を見ること、という山奥の素朴な子どもたち。

 授業は複数の学年が一緒の複式学級ですが、地元出身の先生が中心となって音楽教育に力を入れていて、日高地区のコンクールで優勝をしたりしています。

 本多さんにもすばらしい演奏を披露して、本多さんは本気で感動をされます。

 成績よりも大切なものを大事にしている先生方の努力に脱帽をされます。

 しかし、数年後に再訪をしようとしますが、部落は全員引き揚げで消滅、学校も廃校となってしまいます。

 北海道の厳しい現実と直面をする旅でもあります。

 根釧原野や天北でも同じようなケースに遭遇。

 敗戦直前の拓北農兵隊を思い出させるような、無謀な開拓の姿を見せつけられます。

 もっとも、その自然の厳しさが北海道の魅力でもあります。

 今年の夏は、本多さんの『北海道探検記』を片手に、あちこちを回ってみたいと思いました。       (2020.2 記)

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松木邦裕・藤山直樹『精神分析の本質と方法』2015・創元社-精神分析に深く学ぶ

2025年02月17日 | 藤山直樹さんを読む

 2018年のブログです

     *  

 松木邦裕さんと藤山直樹さんの『精神分析の本質と方法』(2015・創元社)を再読しました。

 2015年の本ですから、のんびり屋のじーじとしては、めずらしく早めの(と、言っても3年ぶりですが…)再読です。

 松木さんと藤山さんのそれぞれの講義と討論からなっていますが、なかなか充実した内容で、奥が深いですし、やはり難しいです。

 特にじーじは、藤山さんの講義に感心させられましたし、刺激を受けましたが、自分の経験が少ないために、どれくらい理解ができているかとなると、かなり心もとない感じがします。

 それでも、勉強になったことを、一つ、二つ。

 一つめは、今、フロイトさんを読む意義。

 藤山さんは、精神分析を学ぶには、フロイトさんを読んで、フロイトさんと語り合うことが大切だ、といいます。

 フロイトさんの学説だけでなく、フロイトさんの迷いや不安を体感することから精神分析に近づくことができるのではないか、と述べます。

 藤山さんのような大家でも、何度も何度も読み返すそうですから、初学者のじーじなどはさらに読み込まなければなりません。

 二つめは、精神分析の面接の特異性。

 精神分析では、普通の心理療法と違って、親しい人間関係を目指すのではなく、あくまでも両者の間に起こる転移関係を「生きる」ことが大切、といいます。

 親しさを優先しない点で、精神分析は対面法の心理療法と大きく異なった技法のように感じられます。

 改めて、両者の違いに気づかされるとともに、より良き精神分析的心理療法の形を考えていく必要があるな、と考えさせられました。

 討論では、率直な藤山さんとあくまでも学術的な松木さんの好対照な姿勢が印象に残りました。

 しかし、お二人とも、個人開業の中で苦労しながらも精神分析を深められてきた先達であり、共通点も数多く、また、仲の良さや信頼しあっている様子がうかがわれて、本を読んでいてもとても心地よい雰囲気を感じることができました。

 いい本を再読できて、有意義なひとときを過ごしました。         (2018 記)

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 ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人・個人開業)のご紹介

 経歴 1954年、北海道生まれ  

    1977年、浦和、新潟家庭裁判所で家庭裁判所調査官として司法臨床に従事  

    2014年、放送大学大学院修了(臨床心理学プログラム・修士) 

    2017年、臨床心理士

 仕事 個人開業で、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の援助などを研究しています

 学会 精神分析学会、遊戯療法学会会員

 論文「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006・『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011・『遊戯療法学研究』)ほか 

 住所 新潟市西区・北海道東川町(夏期)

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小檜山博『人生讃歌』2016・河出文庫-どさんこの本音を懐かしく読む

2025年02月17日 | 北海道を読む

 2017年のブログです

       *

 どさんこの小説家である小檜山博さんのエッセイ集『人生讃歌』(2016・河出文庫)を読みました。

 2016年の本ですが、なぜか読みそびれていて(小檜山さん、ごめんなさい)、今回、旭川の本屋さんで偶然見かけて読みました。 

 いい本です。

 JR北海道の車内誌に連載中とのことで、軽く読めるエッセイですが、中身は小檜山さんの小説のように、時には重く、時には哀しく、しかし、愚直で、誠実な生き様がすごいです。

 素敵な人たちがたくさん出てきます。 

 女の子が母に頼まれて持っていた闇米を事情を知って見逃してくれるお巡りさん、小檜山さんと知らずに小檜山さんの小説を読んで生きてこられたと話す靴磨きの老婆、アル中の患者に代金は持ってこないかもしれないぞと言われて、それでも待っているぞと怒鳴る貧乏医師、などなど。

 すごい人たちばかりですし、彼らと巡り合い、それをお話にできる小檜山さんの力量もすごいです。

 小檜山さんは大雪山の東側の滝上町の育ち、じーじは西側の旭川の育ちで、くしくも大雪山をはさんで、両側から同じ山を眺めながら育ったことになります。

 だから、小檜山さんの描く大雪山の描写には、とても懐かしい気がしますし、癒されます。 

 また、小檜山さんのご両親は東北の飯豊山の東側の会津の出身、じーじは今、飯豊山の西側に位置する新潟で暮らし、散歩の時は飯豊山を眺めながら歩くのが楽しみなので、小檜山さんの描く飯豊山の描写にも癒されます。

 ふるさとを同じにするすてきな小説家と同じ時代を生きられる喜びをつくづくと感じます。           (2017.8 記)

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 2023年3月の追記です

 北海道滝上町に高橋武市さんという人が作られた陽殖園という自然庭園があります。

 この自然庭園をさとうち藍・著、関戸勇・写真『武市の夢の庭』(2007・小学館)という本が紹介しています。

 写真の美しい、素敵な本です。       (2023.3 記)

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小澤征爾『おわらない音楽-私の履歴書』2014・日本経済新聞出版社-小澤さんの自伝的エッセイです

2025年02月16日 | 随筆を読む

 2024年2月のブログです

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 小澤征爾さんの『おわらない音楽-私の履歴書』(2014・日本経済新聞出版社)を再読する。

 2014年1月に「日本経済新聞」に連載されたエッセーが本になったもので、とても読みやすい。

 小澤さんの本を読んでいると、この本だけでなく、『僕の音楽武者修行』(1980・新潮文庫)や村上春樹さんとの『小澤征爾さんと、音楽の話をする』(2011・新潮社)などの本を読んでも、小澤さんの友達や援助する人々、そして、指導してくれる人々の豊かさにうらやましくなる。

 小澤さんの人柄なのだと思うが、すごいと思う。

 小澤さんの才能もすごいと思うが、人々に愛される力が本当にすごいと思う。

 これが小澤さんの宝物だろうと思う。

 若い時の小澤さんの話を読んでいると、結構、失敗が多い。

 世界のオザワ、も、決して順風満帆ではなかったわけだ。

 しかし、それにめげずに進むところが小気味よい。

 フランスの指揮者コンクールで優勝する前も、フランス政府給費留学生の試験に落ちて、自費で留学しての挑戦である。

 その後、世界中のあちこちの交響楽団で経験を積むが、最初はブーイングの嵐で、その中から実力を認めてもらっていくことが多い。

 そこには、小澤さんを推薦してくれる指導者や友人たちの存在などが大きいと思うし、一方、それに応える小澤さんの頑張りもある。

 小澤さんを見ていると、人と人とのつながりの大切さを教えられる。

 そして、それが年を取っても自然体なところが魅力だと思う。

 決して真似のできないことだが、少しでも見習っていきたいと思う。         (2024.2 記)

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内田樹『もういちど村上春樹にご用心』2014・文春文庫-村上春樹を読む

2025年02月16日 | 随筆を読む

 2015年のブログです

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 内田樹さんの本を初めて読みました。 

 村上春樹論,なかなか深い内容でした。

 村上さんにもぜひ読んでもらたいくらいでした(ちなみに村上さんはご自身について書かれた本は読まないらしいですが…)。

 村上文学の理解度が確実に深まると思います。おすすめです。

 なお,内田さんは哲学者レヴィナスさんのお弟子さんとか…。

 実はじーじもレヴィナスさんのファンで,レヴィナスさんは難しくてあまり理解できていませんが,面白いつながりでびっくりしています。

 これからは村上春樹さんとレヴィナスさんの時代です!        (2015.2 記)

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 2024年2月の追記です

 9年ぶりに再読をしました。

 こんないい本を9年も放っておくなんてもったいないことなのですが、村上さんの本は変に解釈をするより、小説そのものを味わったほうがいいとじーじは強く思っているので、こういうことになりました。

 しかし、内田さんはすごいです。

 こんなに的確な村上春樹論はそうありません。

 じーじがもやもやと感じていることをかなり明確に言葉にしていただいて、すごくうれしいです(2回目なのに、今ごろわかるなんて、かなりどんくさいですが…)。

 じーじが一番おもしろく読んだのが、村上さんの翻訳仲間である柴田元幸さんと内田さんの対談。

 お二人の村上さんへの尊敬や信頼が表れていて、すごくよかったです。

 次は、9年といわずに、数年うちにまた再読しようと思います。        (2024.2 記)

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赤ちゃんとも遊びながらの公園カウンセリングは、こころもウーウーにっこりします

2025年02月16日 | カウンセリングをする

 こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で,じーじ臨床心理士が公園カウンセリングや海岸カウンセリング,里山カウンセリングと訪問カウンセリングを新潟市と北海道東川町(夏期)で時々やっています。

 また,メールカウンセリングや面会交流の相談・援助もたまにやっています。

 公園カウンセリングや海岸カウンセリング,里山カウンセリングは,屋外で行なう個人カウンセリングや親子・夫婦の家族カウンセリング,子どもさんの遊戯療法などで,お近くの公園や自然の中で,ゆっくりとご自分やご家族のことなどを考えてみます。

 料金・時間は1回50分3,000円で,隔週1回,あるいは,月1回などで行ないます。

 訪問カウンセリングは,屋内で行なう個人カウンセリングや家族カウンセリング,子どもさんの遊戯療法などで,ご自宅やお近くの屋内施設で,じっくりとご自分やご家族のことなどを考えてみます。

 料金・時間・間隔は,公園カウンセリングと同じです。

 メールカウンセリングは,メールによるカウンセリングや心理相談で,2週間に1往信で行ない,1往信700円です。

 面会交流の相談・援助は,相談はご自宅などで行ない,1回,50分,3,000円,援助はお近くの公園や遊戯施設,あるいはご自宅などで行ない,1回,60分,6,000円です。

 カウンセリング,相談・援助とも土日祝日をのぞく平日の午前10時~午後3時にやっています(すみません、年寄りなもので、夕方や週末のお仕事が難しくなってきました)。

 じーじのカウンセリングは,赤ちゃんや子どもさんがご一緒でもだいじょうぶなカウンセリングですので,お気軽にご利用ください。

 そういう意味では,深くはないけれども,現実の生活を大切にしたカウンセリングになるのではないかと考えています。

 料金は,低めに設定させていただいていますが,月収15万円未満のかたや特別なご事情のあるかたは,さらに相談をさせていただきますので,ご遠慮なくお問い合せください。

 ちなみに,消費税には反対なのと,計算がややこしいので,いただきません。

 お問い合わせ,ご予約は,メール yuwa0421family@gmail.com までご連絡ください。

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 駅の近くに部屋を借りて本格的にカウンセリングルームを運営するような臨床心理士さんとは違って、じーじは近くの公園や海岸、河川敷などでカウンセリングをしています。 

 子どもさんを遊ばせながら、ちょっとだけ悩みごとを聞いてもらえればいいんですー、というお母さんや悩み多き若者(?)などがじーじのクライエントさんには多いです(じいじいやばあばあのみなさんもお断りはしませんが(?)、尊敬すべき先輩たちのみなさんですから、できるだけご自分で解決しましょうね)。

 おこづかいを貯めて(?)、お気軽に、遠慮せずに、ご利用ください。

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 赤ちゃんとも遊びながらの公園カウンセリングは、こころもウーウーにっこりしますよ。

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 ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人・個人開業)のご紹介

 経歴 1954年、北海道生まれ  

    1977年、浦和、新潟家庭裁判所などで家庭裁判所調査官として司法臨床に従事  

    2014年、放送大学大学院修了(臨床心理学プログラム・修士) 

    2017年、臨床心理士

 仕事 個人開業で、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の援助などを研究しています

 学会 精神分析学会、遊戯療法学会会員

 論文「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006・『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011・『遊戯療法学研究』)ほか 

 住所 新潟市西区・北海道東川町(夏期)

 mail  yuwa0421family@gmail.com  

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