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ホセ・クーラは2008年、トリノのレージョ劇場で、プッチーニのオペラ「エドガール」(Edgar)の4幕版の世界初演に主演しました。
エドガールはプッチーニの2作目のオペラ。1889年4月21日にミラノ・スカラ座で初演されたそうですが、脚本が荒唐無稽であるなどのため不評で、その後3幕版に改訂されました。4幕版は失われたと考えられていたそうです。
エドガール自体が、あまり上演されないうえに、この時は、復活した4幕版のはじめての上演でした。
この公演はDVDになり、現在も購入可能です。日本でも一度、NHKで放送されました。ぜひ、このユニークで美しいオペラに多くの人に接していただきたいと思います。
この時の思いやクーラの解釈などについて、2015年9月にスロバキア国立歌劇場に出演した時に、インタビューにこたえて語っています。そこから興味深い内容を抜粋しました。また、YouTubeからいくつかの場面を紹介します。
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出演:ホセ・クーラ、アマリッリ・ニッツァ、マルコ・ヴラトーニャ
トリノ・レージョ劇場 2008年世界初演
World premiere with act IV
Artists: José Cura, Amarilli Nizza, Julia Gertseva, Marco Vratogna, Carlo Cigni
Conductor: Yoram David
Direction: Lorenzo Mariani
Orchestra e Coro del Teatro Regio di Torino
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●出演のきっかけ
2008年に、トリノ・レージョ劇場が私に「ジャコモの最後の後継者シモネッタ・プッチーニがエドガールの4幕版の公表を決めた」と語った。
私はすぐに、ぜひ、この「ワールド・プリミエ」のエドガールになりたいと言った。
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●4幕版の意義
実際には、エドガールは、第1、2、3幕では、決して素晴らしいオペラではない。しかし、第4幕は、信じられないほどの発見だ。
ほぼすべてのプッチーニのオペラの萌芽が、このエドガールの第4幕のなかにある。私はおそらく、プッチーニ自身が、この驚くべき違いを認識していたために、このスコアを「隠す」ことにしたのだと思う。
エドガールの音楽は、彼の30にのぼるその後の作品の大部分に影響を与えている。プッチーニはこのことを秘密にしておこうと考えたのだろう。4幕版のエドガール世界初演へ出演は、偉大な歴史的な特権だった。
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●DVDについて
私はこのDVDのカットの方法には満足していない。画像と音楽の両方の面でだ。
このレコーディングの品質は非常に良好だ。しかしこの歴史的イベントとしては、より丁寧な仕事が必要だったと思う。
クーラのHPのDVD紹介
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●音楽業界の変化
私はまた、1994年に、プッチーニのオペラ「つばめ」の最終バージョンの世界初演に、テノールとして参加する偉大な歴史的機会があった。14年の間に、2回の大きな栄誉だった。
しかし今日では、私は、業界がこうした偉大な文化的イベント(初演版の発掘など)に興味があるとは、もはや感じることはできない。「時と金」(ミニット&マネー)、これが今日の世界を動かす唯一のものだ...。
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第2幕エドガールのアリア「快楽の宴、ガラスのような目をしたキメラ」
Puccini Edgar. José Cura
エドガールのアリアはコンサートでも歌っています。2000年ブダペストのコンサートより。
José Cura Puccini: Edgar Budapest 2000
クーラが「プッチーニのオペラの萌芽のすべて」があると絶賛するエドガールの第4幕から、本当に美しいデュエット。
トスカの最後のデュエットにそっくりという指摘もありますが・・。いかがでしょうか?
ホセ・クーラとアマリッリ・ニッツァ Jose Cura , Amarilli Nizza Edgar last duo
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初演の際のリハーサルの様子やインタビューが見られるメイキング動画。おすすめです!
Puccini - Edgar - Prima Della Prima
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*写真はクーラのHPなどからお借りしました。