長岡京エイリアン

日記に…なるかしらん

貞子・伽椰子・富江 平成怨霊グータンヌーボ ラストダンスはわたしと

2010年10月16日 09時19分45秒 | ホラー映画関係
 おはようございます、そうだいです。ついに今日から、そうだいこと中村岳人の役者としての最後の公演がはじまりました。とはいっても、そんなこと関係なくても楽しい作品になっていることもあり、公演初日のお客様にはたいへん喜んでいただけたようです。
 よかったよかった! さぁ、2日目の今日もがんばるぞ~。

 で、その前にこっちのほうにケリをつける! と毎回言って、今日までズルズル延びてきたわけなんですが……

 『平成怨霊グータンヌーボ』最終決戦(ほんと)! 12の決戦のうち10までが終わり、現在の状況はというと、
 山村貞子3ポイント・佐伯伽椰子2ポイント・川上富江2ポイント・黒井ミサ3ポイント
 となっております!

 さぁいってみよう、第11の対決! 最もまわりの人にとって、本当にいたらイヤなのは、だぁれ?
 貞子さんは、伊豆のペンションにある呪いのビデオか、それをダビングしたものを観てしまうと呪い殺されちゃう。その呪いを解くためには、観た人がそのビデオをさらにダビングして他の人に見せなきゃならない! タチわりぃ!
 伽椰子さんは、東京にある、伽椰子さんの住んでいた家の中に入ったら呪い殺されちゃう。
 富江さんは、富江さんのことを好きになったまわりの男とその恋人やら友だちやら全員が、富江さんのために頭がおかしくなって破滅しちゃう。
 ミサさんは、ミサさんの周囲で悪事をはたらいたりミサさん本人に危害を加えようとした人全員が、ミサさんにこらしめられる。
 まぁ、これはね……伽椰子さんは「家」、富江さんとミサさんは「本人」が恐怖の起点になっているわけなんですが、貞子さんはダビングされただけの数の「ビデオ」ですからね。数えようがないほどの増殖が予想されます。ということで、アイデアの秀逸さからいっても、これは貞子さんの勝ち!

貞 「これだよ、これなんだよ、私の本当の恐ろしさは! 本人1人だけが恐いんじゃないんだからね。不幸の手紙みたいな要素を入れてるのが、まさにモダンホラーだろ?」
富 「ちっ、悪女をそのまんまホラーヒロインにした、っていう点ではあたしも新しかったのに!」
伽 「あああああ?(あっ、これで貞子さん4ポイント?)あああああ!(じゃあもうこの時点で、私と富江の優勝はないんじゃないっすか!)あ~あ。」
ミ 「この勝負、やっぱり貞子さんの勝ちなのかなぁ?」

 みなさん、おまんたせいたしました。いよいよ第12、最後の対決! 最も復活する可能性が高いのは、だぁれ?
 貞子さんは、2005年のハリウッド版『ザ・リング2』の公開が最後。やはり「ビデオ」という媒介にこだわる限りは、復活はないか?
 伽椰子さんは、2009年に国内版番外編2作とハリウッド版『呪怨3』が制作されるという活況だったが、国内版は短館上映、ハリウッド版はDVDリリースのみというさみしい限りの展開……
 富江さんは、2007年の映画第7作『富江VS富江』が最後だが、原作にある要素はすべて出尽くした感じ。これ以上原作のテイストを取り上げるとしたら、かの伊藤潤二ワールドのこと、映像化はむずかしくなるかも。
 ミサさんは、2006年の映画第4・5作『エコエコアザラク Rpage・Bpage』が最後。ミサさんは女子高生に設定変更されつつも、「女学生文化」と「制服コスプレ」がある限り時代を超えてミサさんも不滅なご様子。
 なかなかむずかしい問題ですが、やはりここは、設定のしばりが少なく話題のからめ方も自由なミサさんかな! これからまた、かわいいアイドルがミサさんをやるにちがいない。でも、佐藤嗣麻子監督が担当したようなハードな味わいの『エコエコアザラク』もまた観たいなぁ。

ミ 「最後はいただきました。日本は女子の国ですから。」
伽 「あああああ!(去年はけっこうがんばったんだけど、前作を超えようっていう意思がほとんどなかったんスよねぇ!)」
貞 「いいんだよ、続編なんか。100本の続編よりも1本の伝説だよ。」
富 「貞子さん、たまにはいいこと言うじゃない! 江頭さんみたい。」

 ついに、ついに12の対決が終わりました。結果発表の前に、そうだいからの講評。
 典型的なホラーヒロインである黒井ミサさんのことはさておき、貞子・伽椰子・富江という「平成ホラー3人娘」は、それぞれがまったく違った形の恐怖を武器にしているという、非常に興味深いユニットでした。
 貞子さんは、ギリギリまで恐怖の中心を「見せない」という恐怖。呪いのビデオの中で、映像がとぎれる直前に画面奥の井戸からチラッと見える白い手。ひたすら表情を隠しつづける長い黒髪。最後に見えるのも強烈な憎悪に満ちた眼だけ。非常に恐い存在である貞子さんの全体像をひたすら見せないことによって、観る人の想像力を利用してさらに恐くなる。
 伽椰子さんは、そんな観る人の創造力を常に上回る恐怖を「見せる」恐怖。これはいわば、シリーズ監督・清水崇の観客への挑戦状です。詳しくは言えませんが、これまでのホラー映画の作り方・怖がらせ方の定石を簡単に打ち壊すチャレンジの数々は見事な計算にもとづくものです。ただし、この高レベルの闘いを続けていくのは相当にキツい! 観客も当然ながら眼が肥えてくるし、シリーズも行き詰まるのは当然の結果です。しかし、この厳しすぎる実験の軌跡はもっと評価されてもいいものでしょう。
 富江さんは、富江さんよりも富江さんのために周囲にいるごくふつうの人々が狂っていく「日常が崩壊する」さまを描く恐怖。悪人によって人々が身を持ち崩すというスタイルを究極にまで持っていったこのシリーズも、ただアイドルがドギツいことをするキワモノ映画としておくには惜しすぎる魅力に満ちあふれたものです。
 3人の恐怖は、それぞれがこれからさらに発展していくべきものだし、それらの責任を90~00年代に背負った3人(とミサさん)は全員、平等に愛されてしかるべきキャラクターなのです。

 結果! 貞子さん4ポイント・伽椰子さん2ポイント・富江さん2ポイント・ミサさん4ポイントで、貞子さんとミサさんの同列優勝~!!

貞 「みんなよくやったよ。ミサ、お前なかなかやるな。除霊なんてみみっちいこと言ってないで、これから呑みに行くからつきあえよ。伽椰子と富江は店、手配しろ。今日はソバ焼酎がうまい店だな。」
伽 「あああああ!(もちのろんっスよ、私は最初っから、こんなことやんなくても貞子さんが最恐に決まってるだろって言ってたんスけどね!)あああああ?(ミサ、お前セーラー服だけど酒、飲めんの?)」
ミ 「大丈夫です。こう見えて、今年で50になりますんで。」
富 「ちっきしょ~、今夜は飲み明かすぞーい!」

 なんて気持ちのいい女たちなんじゃ……闘いのあとの友情が今、芽生えようとしております。
 この偉大なる「平成ホラー3人娘」に続く、新たなるホラークイーンが誕生することを切に祈りつつ、今回の「怨霊グータンヌーボ」をしめさせていただきたいと思います。

「ゲッゲッ ゲゲゲのゲ」
 おりから おけらやかえるたちが 平成ホラー3人娘とミサたちをたたえる歌を うたいはじめた……
コメント (2)
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