てぴち~!! どうもこんばんはァ~ん、そうだいでございますよっ。みなさま、今日も一日お疲れさまでした!
いやねぇ、最近なんか……どうにも調子がおかしい。
生活的にはあいかわらずカッツカツの飢餓状態が続いているんですが、気分としてフワッとなりがちな出来事が連続しているんですな。
なんだかわかんないけど、非常に楽しかったりうれしい気分になることが多いんですよ。ものすんごいウキウキ感で5月をすごすことになりそうなイベントがそろいつつあると!
しかし、全面的に「いいこと貧乏」な半生を送ってきたわたくしは、こんな感じがひっじょ~におそろしい。
ヤバいね……足をすくわれることになるぞ、これは。ヘタしたらそのうれしさに倍する不幸に見舞われてしまうかも知れぬ。
近日中にも大学時代の先輩の結婚式に参加するという一大イベントがひかえているわけなのですが、とにかく変なことをしでかさないように気持ちを引き締めていかなければなりません。ゴールデンウィークは楽しくしのいでまいりましょう!
《これまでのあらすじ》
宇宙から大質量で落下してきた史上最大の使徒の次に現れた第11使徒はなんと、カビみたいな微生物サイズの史上最小の使徒イロウルだった!? ふれ幅デカすぎ!!
第3新東京市の地下に位置するネルフ本部内に搬入された壁パネルに付着していたイロウルは、まんまと施設「シグマユニット」で使徒の正体をあらわし、あっという間に実験室「プリブノーボックス」を侵蝕、占拠してしまう。
イロウルが出現した場所はすでに、ネルフ発令所やエヴァンゲリオン格納庫、そしてスーパーコンピュータ「マギ」よりも地下に位置していた。
いかん! このままでは使徒に最も到達されてはならない最深部「ターミナルドグマ」にストレートにいかれてしまう!!
エヴァンゲリオンさえも対抗できない微生物サイズの使徒イロウルの侵蝕。果たしてネルフ本部に打つ手はあるのかしら~!?
まぁこんなことで、スタートこそあざやかにネルフの面々を出し抜くことに成功したイロウルだったのですが、ネルフ本部の下にあるシグマユニット区域を占領したあとは、そこからさらに下にいけばあるはずの最終目的地「ターミナルドグマ」への進路を物理的に隔壁閉鎖されてしまったため、パッと見はシグマユニットに閉じ込められる形になってしまいました。
そういえばイロウルは、シグマユニット内の実験施設プリブノーボックスに裸同然……っていうか全裸そのものの姿で集まっていたエヴァンゲリオン専属パイロット3名を侵蝕するすんでのところで取り逃がしていますし、エヴァンゲリオン3体もみすみす遠い地上に避難させていってしまいました。
そして、そうこうしているうちにネルフ本部はイロウルが「酸素に弱い嫌気性の微生物」に似た存在であることをつかみ、さっそくプリブノーボックスにオゾンガスを注入してイロウル殲滅にのぞみます。攻撃開始~。
うむむ……どうにも様子がおかしい! 話がネルフ側にうまくいきすぎです。それに、エヴァンゲリオンにもパイロットにもたいした興味をしめさないイロウルの出方がさっぱりわからない。だからといって、セントラルドグマにも簡単に行けそうになくなちゃったし。
「いっしっし……きたでヤンスね、酸素攻撃ちゃんが~。それじゃあこっちも、お言葉に甘えてチャッチャと『進化』させてもらうことにいたしやしょうか~!! いぃ~っしっしっし。」
そのとき、プリブノーボックスの巨大水槽を満たしていたイロウル侵蝕域の発熱色が、「赤」から「黄」にかわった……なに? なにが起きるの!?
オペレーター1(長髪) 「あれ……増えてるぞ?」
オペレーター2(メガネ) 「変です、発熱が高まっています。」
オペレーター1 「汚染域、また拡大しています!」
オペレーター3(潔癖症) 「ダメです、まるで効果がなくなりました!」
オペレーター2 「今度はオゾンをどんどん吸っています!」
異変に気づいてあわててオゾンガスの注入を停止するネルフ本部。ところが、すでにその時点で第11使徒イロウルは、出現時点での「嫌気性細菌」から、逆に酸素を栄養として成長する「好気性細菌」へと異常なスピードでの進化を果たしてしまっていたのです!!
非常にざっくり言ってしまいますと、嫌気性細菌と好気性細菌はともに、今から40億年前、つまり、できてからたった6億年しかたっていない地球に生まれた史上初の生物たち。嫌気性のほうは今現在もふつうに細菌として存在し続けていますが、酸素をかてに生きていく好気性細菌はミトコンドリアになって細胞になって、さらには植物になったり動物になったりといった遥かなる進化の階梯をすすんで、今現在の私たち人類の繁栄につながっているわけなのです。
なぬ……ということは、イロウルはネルフの攻撃に対抗して、あっという間に生物としての根っこ中の根っこの部分を余裕しゃくしゃくの速さでチェンジしてしまったというのか!? なんたる対応力の高さか。
これはいかん。ひょっとしたら、こいつは人類側が攻撃すればするほどそれにあわせて自らを進化させていってしまう「退治不可能」な使徒なのではなかろうか!?
かなりゾゾゾ~っとする最悪の予感がネルフ本部をただよう間もなく、今度はまったく予想だにしなかった方面から異常事態を知らせる警報音が。
オペレーター1 「サブコンピュータがハッキングを受けています。侵入者不明!」
オペレーター2 「こんな時に……くそっ!」
なんと、使徒侵入というこの一大事の最中に、ネルフ本部のコンピュータにハッキングを仕掛けるという不逞の輩が! どこのどいつだドイツ人!?
ネルフ側は新たな侵入者をとっとと追い出そうとしますが、謎のハッカーは人間業とは思えないスピードで侵入し続け、防御側から展開されたいくたの擬似エントリーを出し抜き、防壁を突破して本部の中枢に当たるマギへの侵入をはかります。
あせったネルフ側は、中枢に通じるメインケーブルをレーザーで物理的に切断してしまおうとしますが、これができねぇんだ、だってイロウルが侵蝕してケーブル沿いに ATフィールドをはってんだから!
しばらくしてやっとハッキング元が確定されるのですが、そこはなんと、イロウルが陣取っているシグマユニットのプリブノーボックス!
だよねぇ~!! 人間業じゃないんだったら、それは使徒のしわざなのであります。
ここにきて事態は明らかになりました。イロウルは好気性細菌から、生物としての進化の過程を一気にぶっ飛ばして「超人的コンピュータ回路」の身体をゲットしてしまったのだッッ!! たったの数分で40億年の歴史をひとっとび、ア~ンド、ソーシャルなんちゃら化完了!
そうだったのか。イロウルのあの、新たに幾何学的紋様を持つようになっていた黄色のきらめきは、自らをマイクロマシン化してはなっていた光だったのだ。そうきましたか……
イロウルのハッキングはその勢いをゆるめず、本部サブコンピュータから保安部メインバンクに、そこからついに牙城のマギへと侵入。ネルフ側は最終手段として手動でマギの主電源を落とそうとしますが、時すでに遅し! イロウルは電源を落とすシステム自体を占拠して無効にしてしまっていたのです。
イロウルがハッキングしてからマギにたどり着くまで、その間たったの1分30秒。人類の英知を集めているはずの鉄壁のセキュリティが、こんな短時間でなすすべもなく突破されてしまった~。
巨大兵器エヴァンゲリオンがまったく役に立たない使徒である以上、ネルフにとって最後の守りとも言えるスーパーコンピュータ・マギとイロウルがついに対峙してしまう事態に。いったいイロウルは、どんな手段で人類滅亡&使徒の勝利を意味する「サードインパクト」を引き起こそうとしているのか!?
ぶぶーっ。
マギの『科学者』の部分・メルキオール(47歳、娘もち女性)の研究室に来訪者が。
メル 「はーい。誰?」
イロ 「仕事お疲れさま。コーヒー飲む?」
メル 「あ、ありがとう……あなた、誰?」
イロ 「誰でもいいじゃない。ちょっとやつれた? 最近、無理しすぎなんじゃない?」
メル 「休むわけにはいかない研究が仕事なんだから……しょうがないのよ。」
イロ 「研究、ね。それって、どんな研究なの?」
メル 「え……それはもちろん、人類がこの地球に生き残っていくためのものよ。」
イロ 「それじゃあ君の研究は間違ってるよ。そんなことはすぐにやめたほうがいい。」
メル 「ちょっと……あなた、なんなの! この研究のどこが間違ってるっていうのよ!?」
イロ 「だって、こんな場所にひとりさみしく閉じこもっている君の瞳は、もうすっかり死んでしまっている。君ひとりさえも生かすことのできないその研究が人類全体を生かすなんて、そんなことできるはずないじゃないか。」
ちゃらり~ん☆
メル 「はっっっっ。なんだかわたくし、にわかに動悸が。」
イロ 「さぁ、こんなせまい研究室なんか抜け出して、また生き返るんだ。ぼくといっしょに出よう。」
メル 「で、でも、私は科学者だし……」
イロ 「まだそんなことを! まわりはみんな、面倒な仕事は君にまかせっきり。君がそんな目にあっているのは当たり前って顔で遊びほうけているばかりじゃないか。ちょっとだけいなくなって、みんなを困らせてやればいいんだ。そうすれば、君の存在がいかに大切なのかを身をもって知ってくれるよ。そうしないとわからない連中なんだよ、みんな!」
メル 「そうね、ちょっとだけならいっか……決めたわ。どうやったらここから出られるの、私?」
イロ 「簡単でヤンス……ネルフ本部じゅうに聞こえるような大きな声でこう叫べばいいんでヤンスよ、『自律自爆を提訴します。』ってね!!」
メル 「うん、やってみる! みなさ~ん、私マギ・メルキオールは自律自爆を提訴しまぁ~っっす♡ 」
イロ 「いぃィイ~っしっしっしっし!! マギ奥さんの3分の1、ゲットでヤンス~。」
……なんか、自分で自分がやんなってきちゃった。これを「茶番」と言わずして何が「茶番」だと言うのでしょうか。
まぁとにかく要約しますと、イロウルはまんまとマギのうちの「3分の1」、マギ・メルキオールをハッキングしてしまい、そこをまるごと「ネルフ本部全体の自律自爆を提訴するだけの存在」にリプログラムしてしまったのです。
ネルフ本部の虎の子とも言えるスーパーコンピュータ・マギは「メルキオール」「バルタザール」「カスパー」という3つの独立システムでできあがっており、その3つの合議によってネルフの戦略立案から第3新東京市の執政までをもとりおこなう「第7世代の人格移植コンピュータ」。
そのうちのひとつであるメルキオールがなぜ「マギの中の『科学者』の部分」なのかは後ほど触れますが、ここでやっとイロウルのねらいがわかってきました。
イロウルはマギを完全ハッキングしてネルフ本部を自爆でふきとばし、その爆発に乗じて最深部の「ターミナルドグマ」に到達してサードインパクトを起こそうとしているのだ!!
最終的には前回の第10使徒サハクィエルと同じハラだったというわけですか。ただし今回は、自分のエネルギーで爆発するんじゃなくてひとさまの爆破システムを使って目的を遂行しようとする、そのずるがしこさ!
具体的にネルフ本部の設定している「自律自爆」の威力がどれほどのものなのかは不明であるわけなのですが、本部の最大の極秘部分であるターミナルドグマを消し去らない程度の爆発で済むはずがありません。つまり、地上から見て8~9キロほどの地下をもえぐりとるようなとてつもない規模のものになることはおそらく間違いないわけで、使徒としてはこの便利システムを悪用しない手はないわけなのです。
でも、いくら大事な秘密が隠されているといっても、そんなシステムのためにとんでもない量の爆薬を詰め込んでいることになるんでしょ? ネルフ本部って。
どんだけ~!? そんな場所で働く気にもならないし、まずその上に乗っかっている街に住む気にならねぇよ、そもそも!!
さすがは、数々の特撮系の伝統を踏襲した「特務機関ネルフ」。その「自爆!」にかける意気込みは生半可なものではありません。いらねぇ~!
お話を戻しまして、イロウルはマギのうち、メルキオールのハッキングを完了するまでに実に「20秒」しかかけていません。つまり、この意気でイロウルが残る2つの部分をハッキングしていくとしたら、あと1分もしないうちにマギは全会一致で自律自爆を採択してドッカ~ン!となってしまうわけなのです。
これはいかん! このままでは、エヴァンゲリオンが無人でポツ~ンと地上に放置され、専属パイロットもすっぱだかで「え? 何? 何が起こってるの?」とぼんやりしている中で「サードインパクト発生……応援いままでありがとうございました!」という救いようのないバッドエンディングになってしまう。
「い~っしっし。あと2人ぶんのマギ奥さんをおとしたらミッションコンプリートでヤンス~。お次は奥さんのどんな部分なんでヤンスかね~? さっそくお邪魔するでヤンス!」
ぴ~んぽ~ん。
ハッ!? 間伐いれずにイロウルが侵入したのは、マギの『母』なる部分・バルタザール(47歳、娘もち女性)が住んでいる一戸建て住宅。昼さがり!!
もはやネルフ側になすすべはないのか。なすがままなら、キュウリはパパ!
しかしここで、ついにあのレディが立ちあがった。人類の未来をになうバトンは、母から母をおもう娘に託されることとなったのだった。
次回につっづく~。
こんなことをブログにつづっているなんて、あたくしの脳髄もつくづく春らんまんです、ハイ……
いやねぇ、最近なんか……どうにも調子がおかしい。
生活的にはあいかわらずカッツカツの飢餓状態が続いているんですが、気分としてフワッとなりがちな出来事が連続しているんですな。
なんだかわかんないけど、非常に楽しかったりうれしい気分になることが多いんですよ。ものすんごいウキウキ感で5月をすごすことになりそうなイベントがそろいつつあると!
しかし、全面的に「いいこと貧乏」な半生を送ってきたわたくしは、こんな感じがひっじょ~におそろしい。
ヤバいね……足をすくわれることになるぞ、これは。ヘタしたらそのうれしさに倍する不幸に見舞われてしまうかも知れぬ。
近日中にも大学時代の先輩の結婚式に参加するという一大イベントがひかえているわけなのですが、とにかく変なことをしでかさないように気持ちを引き締めていかなければなりません。ゴールデンウィークは楽しくしのいでまいりましょう!
《これまでのあらすじ》
宇宙から大質量で落下してきた史上最大の使徒の次に現れた第11使徒はなんと、カビみたいな微生物サイズの史上最小の使徒イロウルだった!? ふれ幅デカすぎ!!
第3新東京市の地下に位置するネルフ本部内に搬入された壁パネルに付着していたイロウルは、まんまと施設「シグマユニット」で使徒の正体をあらわし、あっという間に実験室「プリブノーボックス」を侵蝕、占拠してしまう。
イロウルが出現した場所はすでに、ネルフ発令所やエヴァンゲリオン格納庫、そしてスーパーコンピュータ「マギ」よりも地下に位置していた。
いかん! このままでは使徒に最も到達されてはならない最深部「ターミナルドグマ」にストレートにいかれてしまう!!
エヴァンゲリオンさえも対抗できない微生物サイズの使徒イロウルの侵蝕。果たしてネルフ本部に打つ手はあるのかしら~!?
まぁこんなことで、スタートこそあざやかにネルフの面々を出し抜くことに成功したイロウルだったのですが、ネルフ本部の下にあるシグマユニット区域を占領したあとは、そこからさらに下にいけばあるはずの最終目的地「ターミナルドグマ」への進路を物理的に隔壁閉鎖されてしまったため、パッと見はシグマユニットに閉じ込められる形になってしまいました。
そういえばイロウルは、シグマユニット内の実験施設プリブノーボックスに裸同然……っていうか全裸そのものの姿で集まっていたエヴァンゲリオン専属パイロット3名を侵蝕するすんでのところで取り逃がしていますし、エヴァンゲリオン3体もみすみす遠い地上に避難させていってしまいました。
そして、そうこうしているうちにネルフ本部はイロウルが「酸素に弱い嫌気性の微生物」に似た存在であることをつかみ、さっそくプリブノーボックスにオゾンガスを注入してイロウル殲滅にのぞみます。攻撃開始~。
うむむ……どうにも様子がおかしい! 話がネルフ側にうまくいきすぎです。それに、エヴァンゲリオンにもパイロットにもたいした興味をしめさないイロウルの出方がさっぱりわからない。だからといって、セントラルドグマにも簡単に行けそうになくなちゃったし。
「いっしっし……きたでヤンスね、酸素攻撃ちゃんが~。それじゃあこっちも、お言葉に甘えてチャッチャと『進化』させてもらうことにいたしやしょうか~!! いぃ~っしっしっし。」
そのとき、プリブノーボックスの巨大水槽を満たしていたイロウル侵蝕域の発熱色が、「赤」から「黄」にかわった……なに? なにが起きるの!?
オペレーター1(長髪) 「あれ……増えてるぞ?」
オペレーター2(メガネ) 「変です、発熱が高まっています。」
オペレーター1 「汚染域、また拡大しています!」
オペレーター3(潔癖症) 「ダメです、まるで効果がなくなりました!」
オペレーター2 「今度はオゾンをどんどん吸っています!」
異変に気づいてあわててオゾンガスの注入を停止するネルフ本部。ところが、すでにその時点で第11使徒イロウルは、出現時点での「嫌気性細菌」から、逆に酸素を栄養として成長する「好気性細菌」へと異常なスピードでの進化を果たしてしまっていたのです!!
非常にざっくり言ってしまいますと、嫌気性細菌と好気性細菌はともに、今から40億年前、つまり、できてからたった6億年しかたっていない地球に生まれた史上初の生物たち。嫌気性のほうは今現在もふつうに細菌として存在し続けていますが、酸素をかてに生きていく好気性細菌はミトコンドリアになって細胞になって、さらには植物になったり動物になったりといった遥かなる進化の階梯をすすんで、今現在の私たち人類の繁栄につながっているわけなのです。
なぬ……ということは、イロウルはネルフの攻撃に対抗して、あっという間に生物としての根っこ中の根っこの部分を余裕しゃくしゃくの速さでチェンジしてしまったというのか!? なんたる対応力の高さか。
これはいかん。ひょっとしたら、こいつは人類側が攻撃すればするほどそれにあわせて自らを進化させていってしまう「退治不可能」な使徒なのではなかろうか!?
かなりゾゾゾ~っとする最悪の予感がネルフ本部をただよう間もなく、今度はまったく予想だにしなかった方面から異常事態を知らせる警報音が。
オペレーター1 「サブコンピュータがハッキングを受けています。侵入者不明!」
オペレーター2 「こんな時に……くそっ!」
なんと、使徒侵入というこの一大事の最中に、ネルフ本部のコンピュータにハッキングを仕掛けるという不逞の輩が! どこのどいつだドイツ人!?
ネルフ側は新たな侵入者をとっとと追い出そうとしますが、謎のハッカーは人間業とは思えないスピードで侵入し続け、防御側から展開されたいくたの擬似エントリーを出し抜き、防壁を突破して本部の中枢に当たるマギへの侵入をはかります。
あせったネルフ側は、中枢に通じるメインケーブルをレーザーで物理的に切断してしまおうとしますが、これができねぇんだ、だってイロウルが侵蝕してケーブル沿いに ATフィールドをはってんだから!
しばらくしてやっとハッキング元が確定されるのですが、そこはなんと、イロウルが陣取っているシグマユニットのプリブノーボックス!
だよねぇ~!! 人間業じゃないんだったら、それは使徒のしわざなのであります。
ここにきて事態は明らかになりました。イロウルは好気性細菌から、生物としての進化の過程を一気にぶっ飛ばして「超人的コンピュータ回路」の身体をゲットしてしまったのだッッ!! たったの数分で40億年の歴史をひとっとび、ア~ンド、ソーシャルなんちゃら化完了!
そうだったのか。イロウルのあの、新たに幾何学的紋様を持つようになっていた黄色のきらめきは、自らをマイクロマシン化してはなっていた光だったのだ。そうきましたか……
イロウルのハッキングはその勢いをゆるめず、本部サブコンピュータから保安部メインバンクに、そこからついに牙城のマギへと侵入。ネルフ側は最終手段として手動でマギの主電源を落とそうとしますが、時すでに遅し! イロウルは電源を落とすシステム自体を占拠して無効にしてしまっていたのです。
イロウルがハッキングしてからマギにたどり着くまで、その間たったの1分30秒。人類の英知を集めているはずの鉄壁のセキュリティが、こんな短時間でなすすべもなく突破されてしまった~。
巨大兵器エヴァンゲリオンがまったく役に立たない使徒である以上、ネルフにとって最後の守りとも言えるスーパーコンピュータ・マギとイロウルがついに対峙してしまう事態に。いったいイロウルは、どんな手段で人類滅亡&使徒の勝利を意味する「サードインパクト」を引き起こそうとしているのか!?
ぶぶーっ。
マギの『科学者』の部分・メルキオール(47歳、娘もち女性)の研究室に来訪者が。
メル 「はーい。誰?」
イロ 「仕事お疲れさま。コーヒー飲む?」
メル 「あ、ありがとう……あなた、誰?」
イロ 「誰でもいいじゃない。ちょっとやつれた? 最近、無理しすぎなんじゃない?」
メル 「休むわけにはいかない研究が仕事なんだから……しょうがないのよ。」
イロ 「研究、ね。それって、どんな研究なの?」
メル 「え……それはもちろん、人類がこの地球に生き残っていくためのものよ。」
イロ 「それじゃあ君の研究は間違ってるよ。そんなことはすぐにやめたほうがいい。」
メル 「ちょっと……あなた、なんなの! この研究のどこが間違ってるっていうのよ!?」
イロ 「だって、こんな場所にひとりさみしく閉じこもっている君の瞳は、もうすっかり死んでしまっている。君ひとりさえも生かすことのできないその研究が人類全体を生かすなんて、そんなことできるはずないじゃないか。」
ちゃらり~ん☆
メル 「はっっっっ。なんだかわたくし、にわかに動悸が。」
イロ 「さぁ、こんなせまい研究室なんか抜け出して、また生き返るんだ。ぼくといっしょに出よう。」
メル 「で、でも、私は科学者だし……」
イロ 「まだそんなことを! まわりはみんな、面倒な仕事は君にまかせっきり。君がそんな目にあっているのは当たり前って顔で遊びほうけているばかりじゃないか。ちょっとだけいなくなって、みんなを困らせてやればいいんだ。そうすれば、君の存在がいかに大切なのかを身をもって知ってくれるよ。そうしないとわからない連中なんだよ、みんな!」
メル 「そうね、ちょっとだけならいっか……決めたわ。どうやったらここから出られるの、私?」
イロ 「簡単でヤンス……ネルフ本部じゅうに聞こえるような大きな声でこう叫べばいいんでヤンスよ、『自律自爆を提訴します。』ってね!!」
メル 「うん、やってみる! みなさ~ん、私マギ・メルキオールは自律自爆を提訴しまぁ~っっす♡ 」
イロ 「いぃィイ~っしっしっしっし!! マギ奥さんの3分の1、ゲットでヤンス~。」
……なんか、自分で自分がやんなってきちゃった。これを「茶番」と言わずして何が「茶番」だと言うのでしょうか。
まぁとにかく要約しますと、イロウルはまんまとマギのうちの「3分の1」、マギ・メルキオールをハッキングしてしまい、そこをまるごと「ネルフ本部全体の自律自爆を提訴するだけの存在」にリプログラムしてしまったのです。
ネルフ本部の虎の子とも言えるスーパーコンピュータ・マギは「メルキオール」「バルタザール」「カスパー」という3つの独立システムでできあがっており、その3つの合議によってネルフの戦略立案から第3新東京市の執政までをもとりおこなう「第7世代の人格移植コンピュータ」。
そのうちのひとつであるメルキオールがなぜ「マギの中の『科学者』の部分」なのかは後ほど触れますが、ここでやっとイロウルのねらいがわかってきました。
イロウルはマギを完全ハッキングしてネルフ本部を自爆でふきとばし、その爆発に乗じて最深部の「ターミナルドグマ」に到達してサードインパクトを起こそうとしているのだ!!
最終的には前回の第10使徒サハクィエルと同じハラだったというわけですか。ただし今回は、自分のエネルギーで爆発するんじゃなくてひとさまの爆破システムを使って目的を遂行しようとする、そのずるがしこさ!
具体的にネルフ本部の設定している「自律自爆」の威力がどれほどのものなのかは不明であるわけなのですが、本部の最大の極秘部分であるターミナルドグマを消し去らない程度の爆発で済むはずがありません。つまり、地上から見て8~9キロほどの地下をもえぐりとるようなとてつもない規模のものになることはおそらく間違いないわけで、使徒としてはこの便利システムを悪用しない手はないわけなのです。
でも、いくら大事な秘密が隠されているといっても、そんなシステムのためにとんでもない量の爆薬を詰め込んでいることになるんでしょ? ネルフ本部って。
どんだけ~!? そんな場所で働く気にもならないし、まずその上に乗っかっている街に住む気にならねぇよ、そもそも!!
さすがは、数々の特撮系の伝統を踏襲した「特務機関ネルフ」。その「自爆!」にかける意気込みは生半可なものではありません。いらねぇ~!
お話を戻しまして、イロウルはマギのうち、メルキオールのハッキングを完了するまでに実に「20秒」しかかけていません。つまり、この意気でイロウルが残る2つの部分をハッキングしていくとしたら、あと1分もしないうちにマギは全会一致で自律自爆を採択してドッカ~ン!となってしまうわけなのです。
これはいかん! このままでは、エヴァンゲリオンが無人でポツ~ンと地上に放置され、専属パイロットもすっぱだかで「え? 何? 何が起こってるの?」とぼんやりしている中で「サードインパクト発生……応援いままでありがとうございました!」という救いようのないバッドエンディングになってしまう。
「い~っしっし。あと2人ぶんのマギ奥さんをおとしたらミッションコンプリートでヤンス~。お次は奥さんのどんな部分なんでヤンスかね~? さっそくお邪魔するでヤンス!」
ぴ~んぽ~ん。
ハッ!? 間伐いれずにイロウルが侵入したのは、マギの『母』なる部分・バルタザール(47歳、娘もち女性)が住んでいる一戸建て住宅。昼さがり!!
もはやネルフ側になすすべはないのか。なすがままなら、キュウリはパパ!
しかしここで、ついにあのレディが立ちあがった。人類の未来をになうバトンは、母から母をおもう娘に託されることとなったのだった。
次回につっづく~。
こんなことをブログにつづっているなんて、あたくしの脳髄もつくづく春らんまんです、ハイ……