2018年2月25日(日)
用水路のタマリを3ヶ所見てまわる。
どんな年でもなんやかや魚の姿があった寒冷期の避難場所。
どうにも釣れない時のとっておきの場所。
どこもかしこもきれいさっぱりおら~んっ!
せっかく腕の立つかみさんに対抗するために少し値段のする竿を新調したのに・・・
というわけで今日も
『Coral fishes(珊瑚礁魚類)』( 青柳兵司著)の続き。
この本、とにかく図版がすばらしい。
新鮮な標本をもとに、精細で正確で大きなスケッチがたくさん描かれている。
75年も前に出版された本とはとても信じられない。
例えばギンポの仲間
この図版は4つに折りたたまれた形で製本されている。
シャープペンシルと比べるとその大きさがわかる。
しかも極めて精密にペン入れされたスケッチだ。
一体この1種を描くのにどれくらいの時間をかけたのだろう?
気が遠くなりそうだ。
チョウチョウウオの仲間の図版はたくさんある。
どれもヒレ1枚も欠けていないきれいなコンディション。
ぜいたくなことに1ページに1種が大きく描かれている。
チョウハン(左)とスダレチョウチョウウオ(右)かな?
トゲチョウチョウウオ(左)とセグロチョウチョウウオ(右)かな?
学名を確認しないまま、図だけを頼りに調べてみたら意外に早く名前がわかった。
その正確さにあらためて驚かされるのである。
驚くのはそれだけではない。
カラー図版もいくつもあるのである。
カクレクマノミ(左)とインドヒメジ(右)かな?
採れたての魚1種1種を大切に標本にしながら、
体色変化がおきないうちにスケッチに起こしていったことがよくわかる。
インドヒメジ(?)が海中でいるときの体色から
採集後、少しずつ変化してきた時の体色になってきていることからもそう思うのである。
一体青柳さんは、どれくらいの費用と時間をかけて、この本を書いたんだ?
よほどの資産家だったのかもしれない。
本の販売価格が15円あまり、
現在の価格にすれば8~16万円(消費税込で)。
とてもとても買える値段ではない。
ひょっとすると資産家つながりで買ってもらえるアテがあり、
その売り上げを家人の生活資金として残そうとしていたのかもしれない。
少なくとも採集から製本までの資料作りにかけたお金は、
本の売り上げよりも膨大なものだっただろうと思う。
1000部限定で高く見て1600万円。
とてもそのお金では割が合わない内容なのである。
好きだからこそできた仕事なのである。
もっと驚くべきは、
この時の青柳さん、理学士という肩書きである。
博士でも修士でもない学士、いわゆる大学卒なのである。
私も一応大学卒で魚好きなのだが、絶対こんなことできやしない。
まあ、確かに今では単に「博物学」的な扱いになる図鑑なのかもしれない。
でもね、色とりどりに水中生態写真で紹介してる今時の図鑑では魚の判別ができないこともある。
時にインチキ生態カメラマンもいるといううわさもあったりする。
「えっ? この魚、こんなとこにおんの?」なんてね。
好きで始めた仕事なのにね。
その人も時間におわれてきっとつらいんだろうなあ。
たからこそ、この時間とお金に糸目をつけない(と勝手に想像してる)
青柳さんの情熱と業績は、もっともっと評価されてしかるべきだと思うのであった。
用水路のタマリを3ヶ所見てまわる。
どんな年でもなんやかや魚の姿があった寒冷期の避難場所。
どうにも釣れない時のとっておきの場所。
どこもかしこもきれいさっぱりおら~んっ!
せっかく腕の立つかみさんに対抗するために少し値段のする竿を新調したのに・・・
というわけで今日も
『Coral fishes(珊瑚礁魚類)』( 青柳兵司著)の続き。
この本、とにかく図版がすばらしい。
新鮮な標本をもとに、精細で正確で大きなスケッチがたくさん描かれている。
75年も前に出版された本とはとても信じられない。
例えばギンポの仲間
この図版は4つに折りたたまれた形で製本されている。
シャープペンシルと比べるとその大きさがわかる。
しかも極めて精密にペン入れされたスケッチだ。
一体この1種を描くのにどれくらいの時間をかけたのだろう?
気が遠くなりそうだ。
チョウチョウウオの仲間の図版はたくさんある。
どれもヒレ1枚も欠けていないきれいなコンディション。
ぜいたくなことに1ページに1種が大きく描かれている。
チョウハン(左)とスダレチョウチョウウオ(右)かな?
トゲチョウチョウウオ(左)とセグロチョウチョウウオ(右)かな?
学名を確認しないまま、図だけを頼りに調べてみたら意外に早く名前がわかった。
その正確さにあらためて驚かされるのである。
驚くのはそれだけではない。
カラー図版もいくつもあるのである。
カクレクマノミ(左)とインドヒメジ(右)かな?
採れたての魚1種1種を大切に標本にしながら、
体色変化がおきないうちにスケッチに起こしていったことがよくわかる。
インドヒメジ(?)が海中でいるときの体色から
採集後、少しずつ変化してきた時の体色になってきていることからもそう思うのである。
一体青柳さんは、どれくらいの費用と時間をかけて、この本を書いたんだ?
よほどの資産家だったのかもしれない。
本の販売価格が15円あまり、
現在の価格にすれば8~16万円(消費税込で)。
とてもとても買える値段ではない。
ひょっとすると資産家つながりで買ってもらえるアテがあり、
その売り上げを家人の生活資金として残そうとしていたのかもしれない。
少なくとも採集から製本までの資料作りにかけたお金は、
本の売り上げよりも膨大なものだっただろうと思う。
1000部限定で高く見て1600万円。
とてもそのお金では割が合わない内容なのである。
好きだからこそできた仕事なのである。
もっと驚くべきは、
この時の青柳さん、理学士という肩書きである。
博士でも修士でもない学士、いわゆる大学卒なのである。
私も一応大学卒で魚好きなのだが、絶対こんなことできやしない。
まあ、確かに今では単に「博物学」的な扱いになる図鑑なのかもしれない。
でもね、色とりどりに水中生態写真で紹介してる今時の図鑑では魚の判別ができないこともある。
時にインチキ生態カメラマンもいるといううわさもあったりする。
「えっ? この魚、こんなとこにおんの?」なんてね。
好きで始めた仕事なのにね。
その人も時間におわれてきっとつらいんだろうなあ。
たからこそ、この時間とお金に糸目をつけない(と勝手に想像してる)
青柳さんの情熱と業績は、もっともっと評価されてしかるべきだと思うのであった。
描かれた経緯とは関係なく、美術品としての大きな魅力がありますね。
著者自身の描いたものではないらしいのですけど・・・
東西問わずこの時代のスケッチには魅入られてしまいます。
学生の頃、カワムツを素材にスケッチの描き方を学びました。
時間がかかるのなんの。
夜明けを迎えて、やっと形になってきたのを鮮明に覚えています。