https://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2019072302000058.html
自民党総裁の安倍晋三首相は二十二日、参院選の投開票を受け、党本部で記者会見した。与党と日本維新の会などの改憲勢力が改憲発議に必要な三分の二の議席を割り込んだことを踏まえ、与野党に幅広い憲法論議を呼び掛けた。憲法九条に自衛隊を明記する党改憲案については「この案だけにとらわれることなく、柔軟な議論を行っていく」と述べた。改憲発議に向け「衆参両院の第一党として強いリーダーシップを発揮する決意だ」と強調した。首相は、選挙戦で憲法論議の是非を争点に掲げ、自民、公明の与党が改選過半数を獲得したことに触れ「少なくとも議論は行うべきだ。それが国民の審判だ」と強調した。野党に「この民意を正面から受け止めてほしい」と求めた。改憲勢力の三分の二割れを受け「与野党の枠を超えて三分の二の賛同が得られる案を練り上げたい」と表明した。「国民民主党の中には議論すべきだと考える方々がたくさんいる」と重ねて期待感を示した。次期参院議長を選ぶ臨時国会については、八月一日に召集すると明言した。参院選は二十二日、改選百二十四議席が確定した。自民が五十七議席を獲得。公明は十四議席で、非拘束名簿式導入後の最多議席に並んだ。与党は改選前の七十七議席は下回った。与党と維新は計八十一議席で、非改選を含めた改憲勢力は百六十議席となり、三分の二に四議席届かなかった。自民は単独では非改選を含めて百十三議席となり、過半数を失った。野党では、立憲民主党が改選九議席から倍近くの十七議席を獲得した。国民は二減の六議席、維新は三増の十議席、共産党は一減の七議席。社民党は改選前と同じ一議席で、得票率2%以上を確保して公選法上の政党要件を維持した。比例代表では、れいわ新選組が二議席、NHKから国民を守る党が一議席を得た。政党要件を満たさない諸派が比例で議席を得たのは現行制度では初めて。三十二の改選一人区では立民、国民、共産、社民の野党四党が擁立した統一候補が十議席を得た。二〇一六年の前回参院選の十一議席には届かなかった。選挙区の投票率は48・80%だった。過去最低だった一九九五年の44・52%に次いで低かった。(*安倍首相の態度が尊大なのも頷ける。改憲発議には、力づくで徹底的に反対して欲しい。議論の呼びかけに参加したら負けだ。数の力にゃ勝てないから・・。)