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フランスを代表する2大スターの共演!
ボルサリーノ【坂本朋彦のシネフィル・コラム】
11月10日(木)[BSプレミアム]後1:00
アラン・ドロンとジャン・ポール・ベルモンド。今回ご紹介するのはフランスを代表する2大スター共演のギャング映画です。
舞台は1930年代のマルセイユ。刑務所から出所したシフレディは、彼女だったローラに会いに行きますが、そこで居合わせたカペラと殴り合いになります。ところが2人は意気投合、ともに暗黒街を生き抜き、のし上がろうとしますが…。
シフレディを演じるのがドロン、カペラを演じるのがベルモンド。ピンストライプのスーツやタキシード、ソフト帽にハンチング、どんなファッションも完璧に着こなし、文句なしにカッコいい2人をみているだけであっという間に時間が経ってしまいます。
アラン・ドロンは1935年生まれ。海軍除隊後、映画界に入り、コメディーや恋愛映画でたちまち人気者に。「太陽がいっぱい」(1960)で世界的なスターとなり、イタリアのルキノ・ヴィスコンティ監督の「若者のすべて」(1960)や「山猫」(1963)での演技も絶賛されました。その後も、アメリカ映画などに出演し、国際的に活躍していましたが、5年前に引退を決意したと報道されました。端正な顔だち、どこか暗さを感じさせるクールさの一方、コメディーでの明るい笑顔…、娯楽作品だけでなく、作家性・芸術性の高い作品にも出演、プロデューサーとして、企画や製作にも積極的に関わりました。
ジャン・ポール・ベルモンドは、ドロンの2つ年上、1933年生まれ。運動神経抜群でサッカーやボクシングに熱中する少年時代を送りますが、やがて演劇に興味を持ち、演劇学校に入学。演技を学びながら舞台で活動した後に、映画に出演するようになります。そしてヌーベルバーグを代表するジャン・リュック・ゴダール監督の長編デビュー作「勝手にしやがれ」(1959)で主演を務め、世界的に注目されます。その後、フィリップ・ド・ブロカ監督の「リオの男」(1964)などでは体を張ったアクションを見せ、タフさとユーモアを兼ね備えた大スターとして数々のヒット作を発表します。
そんな2人が、人気・実力ともに絶頂期のときに出演したのがこの作品。製作も務めたドロンが、ベルモンドとの共演を企画し実現させたということです。監督は、犯罪映画を得意とし、ドロンとは10作品で組んだ、ジャック・ドレー。ドロンとベルモンド、それぞれの見せ場を作りながら、アクションとユーモアをほどよくブレンドした、第一級のエンターテインメントに仕上げ、大ヒットに導きました。クロード・ボランの軽快な音楽も印象的です。
“粋”な大人のおとぎ話、じっくりお楽しみください!
プレミアムシネマ「ボルサリーノ」
11月10日(木)[BSプレミアム]後1:00〜3:05
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