米メディア ネバダ州“サンダース氏 勝利確実” 集計率50%
ことし秋のアメリカ大統領選挙でトランプ大統領に対抗する野党・民主党の候補者選びは、第3戦となる西部ネバダ州の党員集会で左派のサンダース上院議員が勝利を確実にし、最有力候補に躍り出ました。一方、サンダース氏の躍進を警戒する中道派は混戦模様が続いています。
ことし11月のアメリカ大統領選挙に向けて、政権奪還を目指す民主党の候補者選びは、第3戦となる西部ネバダ州の党員集会が日本時間の23日の朝、行われました。
AP通信によりますと、日本時間の午後6時50分現在、集計率50%で、
▽サンダース上院議員が46.6%、
▽バイデン前副大統領が19.2%、
▽ブティジェッジ前サウスベンド市長が15.4%、
▽ウォーレン上院議員が10.3%、
▽クロブシャー上院議員が4.5%で、
AP通信はサンダース氏が勝利を確実にしたと伝えました。
サンダース氏は民主党左派の代表格で、格差の拡大を批判して国民皆保険や公立大学の無償化などを公約に掲げ、若者を中心に支持を広げて全米の世論調査で支持率トップに立っています。
第2戦のニューハンプシャー州に続く連勝で、サンダース氏は民主党の指名争いに名乗りを上げる8人のなかで最有力候補に躍り出ました。
これに対し、中道派はサンダース氏では主張が偏りすぎ、トランプ大統領には勝てないとして躍進を警戒していますが、依然、候補者が乱立し、混戦模様が続いています。
初戦で首位となっているブティジェッジ氏は、今回はこれまで程の勢いは見られず、マイノリティー層に支持を広げられていないという課題が浮き彫りになったほか、バイデン前副大統領は一定の黒人票を獲得して上位に食い込んだものの、巻き返しには至っていません。
来月3日に全米14の州で一斉に予備選挙が行われるスーパーチューズデーからは、独自の戦いで支持率を伸ばすブルームバーグ前ニューヨーク市長も参戦し、中道派の本命候補争いは一層激しくなることが予想され、勢いを増すサンダース氏に対抗できる候補者が現れるかどうかが今後の焦点となりそうです。
サンダース氏「アメリカ全土で勝利する」
またサンダース氏の陣営は声明を発表し、「われわれはネバダで大勝利をおさめた」と勝利を宣言しました。そして「われわれを止めようと他の陣営が躍起になり巨額な資金を投入したが、ボランティアの熱意や記録的な寄付金のおかげで勝利した」と支持者に謝意を表しました。
そのうえで「第4戦のサウスカロライナや来月3日のスーパーチューズデーに向けて既存の政治勢力や経済エリートたちはわれわれを打ち負かそうと動きをさらに加速させるだろう」と警戒心を示し、支持者にさらなる協力を訴えました。
バイデン氏「前に向けて進むときだ」
そのうえで、バイデン氏は「私は社会主義者でも金権主義者でもない。私こそが民主党員だ」と述べ、左派のサンダース氏やウォーレン氏、それに、選挙戦に巨額の資金を投じているブルームバーグ氏をやゆし、引き続き支持を呼びかけました。
バイデン氏は、候補者選びの初戦のアイオワ州と2戦目のニューハンプシャー州で低迷したあと、全米の支持率でも首位の座をサンダース氏に明け渡していて、ネバダ州で上位に食い込み、巻き返しに向けた足がかりを作れるかが注目されます。
ブティジェッジ氏「アメリカの未来のため団結しよう」
そのうえで、「私は党派を超えて国民の統合を実現する大統領になる。これはほかの誰でもなく、あなたたち一人一人の戦いだ。アメリカの未来のために団結しよう」と呼びかけ、指名獲得に向け改めて意欲を示しました。
ブティジェッジ氏は、初戦のアイオワ州と続くニューハンプシャー州で躍進し注目の候補者となりましたが、サンダース氏やバイデン氏と比べ、ヒスパニック系や黒人などマイノリティー層からの支持が伸び悩んでいると指摘されています。
10日後のスーパーチューズデーでも、マイノリティー層が多い大票田のカリフォルニア州などで予備選挙が行われるため、ブティジェッジ氏にとってはこうした有権者たちにも支持基盤を広げていけるかが課題となります。
トランプ大統領「サンダース氏が好調」
サンダース氏 勝因は…
この調査結果を踏まえ、ABCテレビはサンダース氏の勝因をヒスパニック、若者、そしてリベラル層の支持を獲得したことだと分析しました。
まず、調査の回答者を人種ごとに見ると、白人が65%、ヒスパニックが19%、黒人が11%と、白人の占める割合がともにおよそ90%だった第1戦のアイオワ州と第2戦のニューハンプシャー州に比べてマイノリティー層の割合が増えました。
このうち、サンダース氏はヒスパニックの51%の支持を獲得したことが勝利につながった一方、黒人の支持は最も高かったバイデン氏の39%に対して27%にとどまり、今月29日のサウスカロライナ州の予備選挙に向けた課題だと指摘しています。
年代別では、サンダース氏が45歳未満の若い世代から57%と圧倒的な支持を集めた一方、45歳以上の世代ではバイデン氏が29%、クロブシャー氏が19%の支持を得たのに対し、サンダース氏は11%の支持しか得られませんでした。
また、参加者のうちみずからの考え方が「非常にリベラル」だとする人が30%を占め、サンダース氏はこうした有権者のおよそ半分の支持を集めたということです。
そして、候補者を選ぶ際に重視する政策を尋ねたところ、「医療保険制度」を挙げた人が44%と最も多く、サンダース氏はこうした人たちの38%から支持され、さらに国民皆保険制度の導入に賛成する人からは48%の支持を集めました。
このほか、調査では「政策に賛同できるかどうかより、トランプ大統領に勝てる候補者を選ぶ」と回答した人が全体の66%を占め、このうち23%がサンダース氏、21%がバイデン氏、17%がブティジェッジ氏を支持しました。
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