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◆<東京新聞社説>再審法の整備 議員の良心で欠陥正せ

2023年04月22日 08時27分37秒 | ●YAMACHANの雑記帳
 一九六六年の静岡一家四人殺害事件の犯人とされた袴田巌さんの再審開始決定までをたどると「再審法」の不備が明らかだ。国会議員が率先し、制度見直しの特例法など法整備を進めるべきだ。
 東京高裁が「血痕の変色」という明確な争点で、弁護側の主張に軍配を上げ、「再審開始」を決めたのは三月のことだ。捜査機関による証拠捏造(ねつぞう)の可能性にも言及したほどで、検察も特別抗告を断念せざるを得なかった。
 事件から五十七年。無実を訴え続けても、なぜこんなに歳月を費やしたのか。刑事訴訟法の再審規定(再審法)が大きな欠陥を抱えつつ放置されているからだ。
 例えば証拠開示の問題がある。もともと検察はすべての証拠を裁判所に提出するわけではなく、有罪立証に必要な証拠を出し、死刑の確定判決に導いている。
 再審を求めても、再審法にはそもそも証拠開示の手続きが存在しない。裁判所の訴訟指揮だけに頼り、いわば「さじ加減」に委ねられる。法の不備を露呈しているし、無罪方向の証拠を検察が隠しうる現状は明らかにおかしい。
 袴田さんの再審請求は一九八一年から始まったが、約六百点もの未開示証拠が明らかになったのは二〇一〇年以降のことだ。争点となった犯行時の着衣のカラー写真も含まれており、それが再審開始決定に結び付いた。
 また、裁判所が再審決定をしても、検察が抗告できる仕組みも問題である。実際に静岡地裁が袴田さんの再審決定を出してから、既に九年が経過している。これも検察が抗告したためだ。一刻も早い冤罪(えんざい)救済のためには、検察側の抗告を法律で禁止すべきなのだ。検察側に不服があるならば、再審公判で主張すれば良いと考える。
 再審請求審の長期化も問題だ。無実の人がどんどん高年齢化していくのは人道にも反する。
 制度改正のためには本来なら法務省が改正案をつくる。だが、一九八〇年代に四件の死刑囚の再審無罪があり、再審法に問題点が多いのを知りつつ放置していたのは法務・検察にほかならない。それゆえ、あえて国会議員に議員立法による再審特例法など法整備を求めたい。議員の良心を発揮する場面であろう。再審要件を緩和し、一刻も早く無辜(むこ)を救う−。そんな法律の必要性を袴田さんの事件は何より物語っている。

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