別の2人、相次ぎ退職 若手整備士「パワハラが一因」、岐阜防災ヘリ問題
岐阜県防災ヘリコプター「若鮎(わかあゆ)3」の男性整備士(48)=停職1カ月=が部下へのパワーハラスメントを繰り返していた問題で、この部下が採用された前後、別の部下2人が相次いで退職していたことが分かった。2人は本紙取材に「整備士にパワハラを受けたことが一因」などと話しており、県は実際にパワハラに当たる行為があったかの確認を含め、事実関係を調べる方針。
県によると、処分を受けた整備士は2012年、県防災航空センター(各務原市)に配属された。14年3月に同僚が定年退職後はセンターでヘリの整備に必要な資格や経験を持つ唯一の整備士になった。翌月に整備士として採用された若手2人の指導役にもなった。
ところが、若手部下のうち、男性(30)は同年9月末に退職。もう1人の男性(33)も1カ月間の休職を経て16年3月に退職した。
本紙取材に男性(30)は「整備士のパワハラで精神的にまいってしまった」と話す。また、男性(33)は退職の際、整備士から受けた行為の内容をメールでセンターの上司に伝えたという。
一方、県人事課の担当者は、退職した2人について「在職中にパワハラ被害の申し立てはなかった」「異なる経緯で退職したと認識し、共通して不審な点があるとは考えていなかった」と説明。処分した整備士による2人へのパワハラに当たる行為が当時あったかは、現段階では確認していないという。本紙の指摘を受けて「事実関係をいま一度調査したい」と話す。
県が今回の処分でパワハラ被害を認定した20代の整備士は、15年4月の採用。県によると16年4月以降、問題の整備士について「指導が厳しい」と訴えた。職場の管理職が整備士に指導したがパワハラはやまなかった。県人事課が事態を把握したのは18年12月になってからだった。
若鮎3は今年10月以降、整備士が確保できず防災ヘリとしての運航を休止。再開のめどは立っていない。(中日新聞)
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