「槍ヶ岳登山」 やっと来たアルプスにやって北。 んんっ?
---------------------------------------------------------------------
私たちがどこかの山へ登って、「あ、富士山が見える!」 と喜ぶのと同様に「あ、槍が見える!」 という叫び声を聞く。
実際そのユニークな岩の穂は見紛らうことはない。 どこから見てもその鋭い三角錐は変わることはない。
それは悲しいまでにひとり天をさしている。
一生に一度は富士山に登りたいと庶民の願いがあるように、いやしくも登山に興味を持ち始めた人で、
まず槍ヶ岳の頂上に立ってみたいと願わない者はないだろう。 深田久弥 「日本百名山」 より抜粋引用。
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【ルート】
10/8(木)
自宅~R50~関越~長野自動車道(東部湯の丸IC)~R254~松本市、
R158~沢渡温泉第二P着、足湯浸かり、ビール浴び、車泊。(22時)
(バイクツーリングで飛騨高山周遊等よく走った道、昔から知った道)
10/9(金)
3:50起床、5:30沢渡P乗合タクシーで上高地へ。(一人千円)
5:50上高地バスターミナル着、登山準備~6:30スタート。
6:35河童橋~7:20明神(小休止)~8:15徳沢。(小休止)
9:10横尾(小休止)~10:30槍沢ロッヂ。(小休止おにぎり)
<ここで10時30分> 上高地から4時間。(通常6時間)
当初の予定はここ槍沢ロッヂで宿泊し、明日槍アタックとして
いたが、この時間での宿泊申し込みは時間的にもったいない。
ここで一気に頂上まで行くことを決めた。 そのため、これ以降
少々飛ばし気味に歩き槍ヶ岳山荘を目指した。
11:00ババ平キャンプ場~11:20槍沢大曲り~12:15天狗原分岐。
13:00グリーンバンドのガラ沢の大斜面。(ここからが最もキツイ登りが延々と・・)
13:15播隆洞窟~きついガラ沢急登~14:30槍ヶ岳山荘着。
宿泊申し込み、小休止、天候回復待つ、カラ身で槍登頂目指す。
15:20槍ヶ岳登頂。 以降、夕焼け小焼け、夕食、山荘でまったり。
10/10(土)
4:00起床、外はマイナス12℃(少々降雪)で極寒ブルブル。
5:20日の出見るため再びテラスへ。 槍の穂先が素晴らしい。
5:40日の出~6:40ゆっくり朝食~7:30下山開始。
下山は槍が名残り惜しく降雪の中、超スローペースで降りた。
8:20播隆窟~9:00天狗原分岐ザックデポ~9:20天狗池着。
10:00天狗原分岐戻り~10:50ババ平~11:25槍沢ロッヂ着。
ここ槍沢ロッヂから一気に上高地BTまで降りた。
12:30横尾(ここまで降雪、ここから小雨)~13:25徳沢。
14:15明神~14:50河童橋~14:55上高地BT着。(小休止)
15:15バスで沢渡Pへ。 ゆったり足湯、ストレッチ、帰宅準備。
16:15沢渡P発~来た道戻り~20:30無事自宅着。
------------------------------------------------------
「上高地バスターミナル」 3連休前日はガラ空きだ。(1日休み取っての入山、大正解)

「河童橋」 ここも一般の観光客ゼロ。 明日からの連休は人出が凄いだろう。

「徳沢キャンプ場」 ここでキャンプしたら気持いいだろうなー 一日中ボーッと。。

「横尾」 ここが穂高組(涸沢へ)と槍組に分かれる分岐。 もちろん槍へ!

「槍沢ロッヂ」 おにぎり小休止。 ここで今日中の槍ヶ岳山荘行き決定!

「天狗原分岐」 天狗池は明日行くこととし、真っすぐ槍を目指す。

「気持のいいカール」 あの先を乗っ越す。 この辺から急登、まだまだ遠い。。

「おおおお!!!」 やっと、 やっと、、 槍ヶ岳。 ←これホント実感。

「槍UP」 ガスの中からやっと穂先が・・ 感動!!

「グリーンベルト」 ガラ沢の超急登。 モデルはこの後仲良くなった松本氏。 (松本在住だから松本氏)

「槍ヶ岳山荘着」 槍沢ロッヂからほぼ一気。 足は棒のよう、バテバテである。

「ガスガスな槍ヶ岳」 真横の槍はガスの中。 しばしガス晴れを待つ。

「やっと出た槍ヶ岳」 真近で見る槍。 今僕は槍の真下にいる。

-------------------------------------------------------
ここからは 「槍」 のオンパレード画像を載せます。
完全に自己満足です。 ですが、この画像が少しでも皆さんの今後の
槍制覇のお役に立てれば幸いと思います。 ただし、天候や日程季節に
よって状況は全く違うのであくまで参考に願います。(責任は持てません)
斜面の角度やハシゴ位置等は変わらないので、それはそれで参考になるかも。
それでは 「THE・槍」 ゆっくりご堪能くだされ。。。
「登頂開始」 山荘を見下ろす。 結構な高度感。

「小槍」 北側の残雪は滑りそうで怖い。

「最高の恐怖感」 ここは本当に怖かった。 雪の向こうは奈落の底。
足に力が入らない。 何故かと言うと、変に力を入れてズルッとしたら滑落間違いなし。
濡れた皮手袋を取り、寒さで感覚の無くなった指先で必死に岩を掴み、雪の窪みに
手を入れこの場を乗り切った。 ここが今回の中で一番恐怖を感じた場所だった。

「ハ、ハシゴが・・ 」 もうこの辺は怖くて怖くて。 怖ェー!って大声出しながら登ってた。

「ちょいと下には次が待ってる」 ゆっくり登りますと声をかけた。 右に鎖があるぞ、と指示を受ける。

「最後のハシゴ」 完璧なまでに垂直です。 背中はゾクゾク度×100。
こんな状況下でも写真を撮っているおバカな僕です。 そう、性なのれす。
もうこの辺から頭おかしくなってきた。 怖いの通り越しヘラヘラしてたよ。
人間、境目に来ると変になるか静かになるか大騒ぎするか・・
自分は全部出たように思う。 完全にどっか行ってた感じ。。。
でもこの景色見て! 真っ青な天。 これはもう行くっきゃないっしょ!!

「松本氏」 先に上がった松本のVサイン。 こっちは恐怖だってのに。 かー、参ったね。。

「もっとバカな奴」 誰だコイツ、しかも手離しで。 背中ゾクゾク度×1,000。 山荘を切っているつもりか!?

「極めた」
天気最高、 頂上3人貸切り、 ガッチリ握手&万歳三唱&ヤッホー連呼、 大感激、 大興奮。
3人が3人共 「ウォーッ」 と大声発するばかり。 全然恥ずかしくなんかない、皆自然とそうなった。

辺り一面に見えるの北ア(大天井、常念、穂高、ジャン等)の頂上に立っている
山ヤの皆さんはきっとこの槍を見ているハズ。 そしてそこに今僕は間違いなく立っている。
「槍ケ岳山荘」 よく見るシーンが今ここに・・

「富山側」 なんか、、 飛べそうな錯覚に陥った。

「ブロッケン現象」 初めて見た、しかも槍で。 虹が二重なの分かります?

「松本氏とブロッケン」 あ、あんた、、 その向こうは・・

「名残り惜しい頂上」 そろそろ降りる。 また絶対来ると誓い目に焼き付かせた。

「下る松本氏」 今回は随所でいいモデルになってくれた。 若くて元気だし、感謝である。

「鎖と松本氏」 槍を撮りに来たのか、松本を撮りに来たのか・・ ハテ??

「すれ違い」 コースを教えてあげた。 お互い情報交換は必ずやる。

「↑ の人」 こんな感じで張り付いて登ります。

「雄姿」
登り終えて満足の瞬間、 ビールで乾杯!! また誰か張り付いている。
完璧にドライだったアサヒスーパードライを槍を眺めながら飲る。 (500mm750円×2本)

「夕日」 今日一日ありがとうございました。 富山湾に沈む夕日。。。

「感無量」 あちこちの山からこの槍を見ているハズ、 写真を撮っているハズ。

「大阪からの元気印な女子二人組と松本氏 談話室での尽きない山談義。 小屋泊もいいもんだ。

------------------------------------------------------
<感想>
①コース
上高地から横尾まで高低差なくハイキング気分。
ここのペース配分がその後の予定を決めると思った。
横尾から槍沢ロッヂまで約1時間、10時30分には着いてしまった。
早朝に上高地を出発して槍を目指す場合(多くがそうであろう)、
11時頃には槍沢ロッヂ周辺にいることと思う。 そこでこの後の行動に悩む。
「ここで泊って明日槍アタック or 槍ヶ岳山荘まで行く」 か。
まあ、前者の場合はもう完全にまったりできる。 風呂もある山小屋だしね。
で、問題は後者を選択した場合である。 標準タイムがここ槍沢ロッヂから
槍まで約5時間30分。 11時出発として槍ヶ岳山荘着が16時30分。
天候、スタミナ・体力、ここまでの体の疲れ具合等を判断し最終決断としたい。
自分の場合は天候とスタミナで判断し、今日中の槍ヶ岳山荘着を決断した。
(槍ヶ岳登頂は明日でもいいと思った、まずは明るいうちの小屋着が必須)
槍沢ロッヂ先から本格的な登りになってくる。 最初は梓川脇を歩くが
段々と沢から離れ山際のジグザグ路の急登へ。 大汗が噴き出してくるし
ここまで飛ばし気味に来たのでスピード&パワーダウン。(自分の場合)
そしてそのままの急登はガラ沢を超え頂上まで続く。 凄いキツイ。。
槍が見えるのは・・ 横沢という沢を乗っ越したにようやく見える。
普通は目標物が見えると力が湧いてくるものだが、自分はこの時既に、
「お前はもう死んでいる」 状態だった。 かなりヘロヘロでした。。
そんな僕を一人の小柄な女性が淡々と登ってきて、あっと言う間に見えなく
なってしまったのには驚いた。 (後に、松本氏も同じ事を言っていた)
ちなみにその女性は15時前に槍登頂後、 「これから南岳に向かう」 と。
(槍ヶ岳から南岳は標準で3時間、 彼女なら1.5時間か・・)
僕が槍のハシゴを登っている時に上で待機していて、「私のことなど気にせず
焦らずゆっくりゆっくり登ってくださいーい」 と声を掛けてくれた。
トホホ・・ 完璧に凹んだ。。。 でも彼女は相当の強者だと思った。
(上には上がいるもんだ。 実際、ハシゴの僕の上にいたよ)
帰りは今日登って来たコースをピストンのため余裕があると思う。
でも今日の疲れもあるため確実に安全に下ることが第一である。
飛ばさなくても7時間?もあれば上高地には着けるのだから。。
(槍を7時に出ても、上高地には15時前には着ける?)
現に自分は7時30分槍発で、下山途中天狗の池に寄って(1時間)
上高地14時55分着だったから。(下りはゆっくりペースだった)
※個人差はあるので、上記はあくまで参考にお願いします。
②水場、トイレ等
ここは一番の人気コースのため、適度な間隔に小屋がありトイレも完璧。
水場は勿論、食糧(小屋がやっている食堂)や自動販売機まである。
水場がなかったとしても目の前には梓川の源流清流イオン水。 心配ご無用。
③時期
これはもうしょうがないですねぇ、 この時期を選んだ自分の責任が全てです。
今年最後のチャンスが10月の連休、金曜休みを取って混雑を避けたのは正解。
しかも初日一気に上まで行き、ガスが晴れた頂上に立てたのは出来すぎ。
翌日は早朝晴れただけ、途中から小雪と小雨。 上高地で雨は止んだ。
2日目にすれ違った人に昨日(金曜夜)の槍沢ロッヂの人の数を聞いてみた。
「60人は泊っていたよ」 と。 皆3連休の激混みを避けるため一日早い
台風一過の金曜に入山し初日は槍沢ロッヂ泊、翌土曜に余裕を持っての槍登頂。
それが皆も計画だろう。 しかしこの天候、上はきっと雪が積もっているハズ。
(帰宅後槍ヶ岳山荘のブログ確認 → 土曜は雪が積もったとあり)
自分は初日一気に登頂して結果オーライだったが、こればかりは正解という
ものはないと思う。 それとこの時期は寒さの問題もあるので確実な装備と
強い洞察力と判断力・決断力を持って行動した方がよい。
④山小屋
一泊2食付き9000円、 風呂当然なし(夏場は体臭い?)、
トイレはバイオで流さず大を拭いた紙は脇にあるダンボール箱へ、
(小屋は皆そうなのでもう慣れた)ちなみに手を洗う水は、水道が
凍っていて水は出ませんと張り紙が、布団一人一枚(今日は客ガラガラ)、
17時夕食20時消灯、5時朝食退宿8時。 こんなもんだろう。。
この寒い空の下、温かい食事と布団で寝られるのは極上である。
⑤他
道中で会った松本氏、山小屋で仲良くなった大阪女子や他の人々。
皆さん目的はただ一つ、 「THE 槍」 である。
なので、小屋では自然と仲良くなれ、話も尽きずとても楽しい夜を過ごせた。
その中でも 「岳」 の話題で凄く盛り上がった。
皆で極寒の外へ出て見た西鎌尾根の真上にでっかく見えた北斗七星、
大喰岳の上に見えた宵の明星、満点の星、ミルキーウェイ、、
そして・・ 星明かりに映えた “槍” は一生忘れられまいて。。。
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10/10(土) 2日目に進む。
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私たちがどこかの山へ登って、「あ、富士山が見える!」 と喜ぶのと同様に「あ、槍が見える!」 という叫び声を聞く。
実際そのユニークな岩の穂は見紛らうことはない。 どこから見てもその鋭い三角錐は変わることはない。
それは悲しいまでにひとり天をさしている。
一生に一度は富士山に登りたいと庶民の願いがあるように、いやしくも登山に興味を持ち始めた人で、
まず槍ヶ岳の頂上に立ってみたいと願わない者はないだろう。 深田久弥 「日本百名山」 より抜粋引用。
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【ルート】
10/8(木)
自宅~R50~関越~長野自動車道(東部湯の丸IC)~R254~松本市、
R158~沢渡温泉第二P着、足湯浸かり、ビール浴び、車泊。(22時)
(バイクツーリングで飛騨高山周遊等よく走った道、昔から知った道)
10/9(金)
3:50起床、5:30沢渡P乗合タクシーで上高地へ。(一人千円)
5:50上高地バスターミナル着、登山準備~6:30スタート。
6:35河童橋~7:20明神(小休止)~8:15徳沢。(小休止)
9:10横尾(小休止)~10:30槍沢ロッヂ。(小休止おにぎり)
<ここで10時30分> 上高地から4時間。(通常6時間)
当初の予定はここ槍沢ロッヂで宿泊し、明日槍アタックとして
いたが、この時間での宿泊申し込みは時間的にもったいない。
ここで一気に頂上まで行くことを決めた。 そのため、これ以降
少々飛ばし気味に歩き槍ヶ岳山荘を目指した。
11:00ババ平キャンプ場~11:20槍沢大曲り~12:15天狗原分岐。
13:00グリーンバンドのガラ沢の大斜面。(ここからが最もキツイ登りが延々と・・)
13:15播隆洞窟~きついガラ沢急登~14:30槍ヶ岳山荘着。
宿泊申し込み、小休止、天候回復待つ、カラ身で槍登頂目指す。
15:20槍ヶ岳登頂。 以降、夕焼け小焼け、夕食、山荘でまったり。
10/10(土)
4:00起床、外はマイナス12℃(少々降雪)で極寒ブルブル。
5:20日の出見るため再びテラスへ。 槍の穂先が素晴らしい。
5:40日の出~6:40ゆっくり朝食~7:30下山開始。
下山は槍が名残り惜しく降雪の中、超スローペースで降りた。
8:20播隆窟~9:00天狗原分岐ザックデポ~9:20天狗池着。
10:00天狗原分岐戻り~10:50ババ平~11:25槍沢ロッヂ着。
ここ槍沢ロッヂから一気に上高地BTまで降りた。
12:30横尾(ここまで降雪、ここから小雨)~13:25徳沢。
14:15明神~14:50河童橋~14:55上高地BT着。(小休止)
15:15バスで沢渡Pへ。 ゆったり足湯、ストレッチ、帰宅準備。
16:15沢渡P発~来た道戻り~20:30無事自宅着。
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「上高地バスターミナル」 3連休前日はガラ空きだ。(1日休み取っての入山、大正解)

「河童橋」 ここも一般の観光客ゼロ。 明日からの連休は人出が凄いだろう。

「徳沢キャンプ場」 ここでキャンプしたら気持いいだろうなー 一日中ボーッと。。

「横尾」 ここが穂高組(涸沢へ)と槍組に分かれる分岐。 もちろん槍へ!

「槍沢ロッヂ」 おにぎり小休止。 ここで今日中の槍ヶ岳山荘行き決定!

「天狗原分岐」 天狗池は明日行くこととし、真っすぐ槍を目指す。

「気持のいいカール」 あの先を乗っ越す。 この辺から急登、まだまだ遠い。。

「おおおお!!!」 やっと、 やっと、、 槍ヶ岳。 ←これホント実感。

「槍UP」 ガスの中からやっと穂先が・・ 感動!!

「グリーンベルト」 ガラ沢の超急登。 モデルはこの後仲良くなった松本氏。 (松本在住だから松本氏)

「槍ヶ岳山荘着」 槍沢ロッヂからほぼ一気。 足は棒のよう、バテバテである。

「ガスガスな槍ヶ岳」 真横の槍はガスの中。 しばしガス晴れを待つ。

「やっと出た槍ヶ岳」 真近で見る槍。 今僕は槍の真下にいる。

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ここからは 「槍」 のオンパレード画像を載せます。
完全に自己満足です。 ですが、この画像が少しでも皆さんの今後の
槍制覇のお役に立てれば幸いと思います。 ただし、天候や日程季節に
よって状況は全く違うのであくまで参考に願います。(責任は持てません)
斜面の角度やハシゴ位置等は変わらないので、それはそれで参考になるかも。
それでは 「THE・槍」 ゆっくりご堪能くだされ。。。
「登頂開始」 山荘を見下ろす。 結構な高度感。

「小槍」 北側の残雪は滑りそうで怖い。

「最高の恐怖感」 ここは本当に怖かった。 雪の向こうは奈落の底。
足に力が入らない。 何故かと言うと、変に力を入れてズルッとしたら滑落間違いなし。
濡れた皮手袋を取り、寒さで感覚の無くなった指先で必死に岩を掴み、雪の窪みに
手を入れこの場を乗り切った。 ここが今回の中で一番恐怖を感じた場所だった。

「ハ、ハシゴが・・ 」 もうこの辺は怖くて怖くて。 怖ェー!って大声出しながら登ってた。

「ちょいと下には次が待ってる」 ゆっくり登りますと声をかけた。 右に鎖があるぞ、と指示を受ける。

「最後のハシゴ」 完璧なまでに垂直です。 背中はゾクゾク度×100。
こんな状況下でも写真を撮っているおバカな僕です。 そう、性なのれす。
もうこの辺から頭おかしくなってきた。 怖いの通り越しヘラヘラしてたよ。
人間、境目に来ると変になるか静かになるか大騒ぎするか・・
自分は全部出たように思う。 完全にどっか行ってた感じ。。。
でもこの景色見て! 真っ青な天。 これはもう行くっきゃないっしょ!!

「松本氏」 先に上がった松本のVサイン。 こっちは恐怖だってのに。 かー、参ったね。。

「もっとバカな奴」 誰だコイツ、しかも手離しで。 背中ゾクゾク度×1,000。 山荘を切っているつもりか!?

「極めた」
天気最高、 頂上3人貸切り、 ガッチリ握手&万歳三唱&ヤッホー連呼、 大感激、 大興奮。
3人が3人共 「ウォーッ」 と大声発するばかり。 全然恥ずかしくなんかない、皆自然とそうなった。

辺り一面に見えるの北ア(大天井、常念、穂高、ジャン等)の頂上に立っている
山ヤの皆さんはきっとこの槍を見ているハズ。 そしてそこに今僕は間違いなく立っている。
「槍ケ岳山荘」 よく見るシーンが今ここに・・

「富山側」 なんか、、 飛べそうな錯覚に陥った。

「ブロッケン現象」 初めて見た、しかも槍で。 虹が二重なの分かります?

「松本氏とブロッケン」 あ、あんた、、 その向こうは・・

「名残り惜しい頂上」 そろそろ降りる。 また絶対来ると誓い目に焼き付かせた。

「下る松本氏」 今回は随所でいいモデルになってくれた。 若くて元気だし、感謝である。

「鎖と松本氏」 槍を撮りに来たのか、松本を撮りに来たのか・・ ハテ??

「すれ違い」 コースを教えてあげた。 お互い情報交換は必ずやる。

「↑ の人」 こんな感じで張り付いて登ります。

「雄姿」
登り終えて満足の瞬間、 ビールで乾杯!! また誰か張り付いている。
完璧にドライだったアサヒスーパードライを槍を眺めながら飲る。 (500mm750円×2本)

「夕日」 今日一日ありがとうございました。 富山湾に沈む夕日。。。

「感無量」 あちこちの山からこの槍を見ているハズ、 写真を撮っているハズ。

「大阪からの元気印な女子二人組と松本氏 談話室での尽きない山談義。 小屋泊もいいもんだ。

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<感想>
①コース
上高地から横尾まで高低差なくハイキング気分。
ここのペース配分がその後の予定を決めると思った。
横尾から槍沢ロッヂまで約1時間、10時30分には着いてしまった。
早朝に上高地を出発して槍を目指す場合(多くがそうであろう)、
11時頃には槍沢ロッヂ周辺にいることと思う。 そこでこの後の行動に悩む。
「ここで泊って明日槍アタック or 槍ヶ岳山荘まで行く」 か。
まあ、前者の場合はもう完全にまったりできる。 風呂もある山小屋だしね。
で、問題は後者を選択した場合である。 標準タイムがここ槍沢ロッヂから
槍まで約5時間30分。 11時出発として槍ヶ岳山荘着が16時30分。
天候、スタミナ・体力、ここまでの体の疲れ具合等を判断し最終決断としたい。
自分の場合は天候とスタミナで判断し、今日中の槍ヶ岳山荘着を決断した。
(槍ヶ岳登頂は明日でもいいと思った、まずは明るいうちの小屋着が必須)
槍沢ロッヂ先から本格的な登りになってくる。 最初は梓川脇を歩くが
段々と沢から離れ山際のジグザグ路の急登へ。 大汗が噴き出してくるし
ここまで飛ばし気味に来たのでスピード&パワーダウン。(自分の場合)
そしてそのままの急登はガラ沢を超え頂上まで続く。 凄いキツイ。。
槍が見えるのは・・ 横沢という沢を乗っ越したにようやく見える。
普通は目標物が見えると力が湧いてくるものだが、自分はこの時既に、
「お前はもう死んでいる」 状態だった。 かなりヘロヘロでした。。
そんな僕を一人の小柄な女性が淡々と登ってきて、あっと言う間に見えなく
なってしまったのには驚いた。 (後に、松本氏も同じ事を言っていた)
ちなみにその女性は15時前に槍登頂後、 「これから南岳に向かう」 と。
(槍ヶ岳から南岳は標準で3時間、 彼女なら1.5時間か・・)
僕が槍のハシゴを登っている時に上で待機していて、「私のことなど気にせず
焦らずゆっくりゆっくり登ってくださいーい」 と声を掛けてくれた。
トホホ・・ 完璧に凹んだ。。。 でも彼女は相当の強者だと思った。
(上には上がいるもんだ。 実際、ハシゴの僕の上にいたよ)
帰りは今日登って来たコースをピストンのため余裕があると思う。
でも今日の疲れもあるため確実に安全に下ることが第一である。
飛ばさなくても7時間?もあれば上高地には着けるのだから。。
(槍を7時に出ても、上高地には15時前には着ける?)
現に自分は7時30分槍発で、下山途中天狗の池に寄って(1時間)
上高地14時55分着だったから。(下りはゆっくりペースだった)
※個人差はあるので、上記はあくまで参考にお願いします。
②水場、トイレ等
ここは一番の人気コースのため、適度な間隔に小屋がありトイレも完璧。
水場は勿論、食糧(小屋がやっている食堂)や自動販売機まである。
水場がなかったとしても目の前には梓川の源流清流イオン水。 心配ご無用。
③時期
これはもうしょうがないですねぇ、 この時期を選んだ自分の責任が全てです。
今年最後のチャンスが10月の連休、金曜休みを取って混雑を避けたのは正解。
しかも初日一気に上まで行き、ガスが晴れた頂上に立てたのは出来すぎ。
翌日は早朝晴れただけ、途中から小雪と小雨。 上高地で雨は止んだ。
2日目にすれ違った人に昨日(金曜夜)の槍沢ロッヂの人の数を聞いてみた。
「60人は泊っていたよ」 と。 皆3連休の激混みを避けるため一日早い
台風一過の金曜に入山し初日は槍沢ロッヂ泊、翌土曜に余裕を持っての槍登頂。
それが皆も計画だろう。 しかしこの天候、上はきっと雪が積もっているハズ。
(帰宅後槍ヶ岳山荘のブログ確認 → 土曜は雪が積もったとあり)
自分は初日一気に登頂して結果オーライだったが、こればかりは正解という
ものはないと思う。 それとこの時期は寒さの問題もあるので確実な装備と
強い洞察力と判断力・決断力を持って行動した方がよい。
④山小屋
一泊2食付き9000円、 風呂当然なし(夏場は体臭い?)、
トイレはバイオで流さず大を拭いた紙は脇にあるダンボール箱へ、
(小屋は皆そうなのでもう慣れた)ちなみに手を洗う水は、水道が
凍っていて水は出ませんと張り紙が、布団一人一枚(今日は客ガラガラ)、
17時夕食20時消灯、5時朝食退宿8時。 こんなもんだろう。。
この寒い空の下、温かい食事と布団で寝られるのは極上である。
⑤他
道中で会った松本氏、山小屋で仲良くなった大阪女子や他の人々。
皆さん目的はただ一つ、 「THE 槍」 である。
なので、小屋では自然と仲良くなれ、話も尽きずとても楽しい夜を過ごせた。
その中でも 「岳」 の話題で凄く盛り上がった。
皆で極寒の外へ出て見た西鎌尾根の真上にでっかく見えた北斗七星、
大喰岳の上に見えた宵の明星、満点の星、ミルキーウェイ、、
そして・・ 星明かりに映えた “槍” は一生忘れられまいて。。。
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10/10(土) 2日目に進む。