「薬師岳」
その重量感のあるドッシリとした山容は、北アルプス中随一である。 ただのっそりと大きいだけではない。
厳とした気品もそなえている。
深田久弥 日本百名山」 より引用抜粋。
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7/15(金) 週末3連休はどこの山も混むと予測し一日有給休暇を取り、金・土一泊での山行とした。
木曜夜自宅出発。 もう何回通ったことかの三才山TNを越え松本市 ~ 鎌TN手前では豪雨後の通行止めの
爪痕残る片側通行 ~ 有料化復帰した安房TN ~ 奥飛騨温泉郷からR471で有峰湖までの林道がある
“林道東谷線” を真夜中、 料金所まで登って行った。
「土砂崩れのため東谷線は通行止め」 がーーーーーーーーーん。。。 (大泣)
現在時刻真夜中2時、 辺り真っ暗、 人家など一切なし。 でもここまで来たら諦められない。
即UターンしR41神岡から富山市一歩手前で県道43号へ、 そして有峰林道小見口料金所5時30分着。
30分休憩し6時開門と同時に薬師岳登山口である折立(おりたて)へ。
※有峰湖への進入路は、有峰林道東谷線、有峰林道小口川線、有峰林道小見線の3本しかない。
(20:00~6:00夜間通行止め。 全線1,800円)
「遠かったーーー!! & 眠い・・」
折立登山口前。
金曜朝で登山口駐車場はほぼ一杯。 土曜からの3連休は道路に溢れかえるだろう。
おにぎり、ストレッチ、水汲みして登山開始。
快晴、 今日も暑くなるだろう。。
太郎坂から太郎平小屋を目指す。 7時スタート。
樹林帯とキツイ登りがずっと続く。 額からは大粒の汗が浸たり落ちる。
有名? なアラレちゃんのポスターを過ぎ、、
コースは樹林体、 ゴロ石の道がずっと続く。 重いザックが肩に圧し掛かる。 ここは気合いしかない。
展望のいい三角点ポイントに到着。 しばし休憩。
薬師岳の雄姿。 太郎平へはここから大きく右に巻く形でコースを取る。
そして遠くに剱岳が。 (カメラズーム)
ここからは開け放たれた木道を上がって行く。 頭上には夏の太陽が燦々と。 汗が一気に噴き出す。
背中に火鉢、 頭にヤカンを乗せているような感じ??
斜面一面に咲くニッコウキスゲ。 この時期は花が見られるからいいね。
こんな位置関係。
登る、
振り返る、 眼下に有峰湖。
また登る、
そしてまた登る、、 しかない。 遠くに太郎平小屋が・・
あともうちょっと。
ここまで登り一辺倒、 容赦ない太陽の日差し、 頭の先から膝まで衣服も汗でびっしょり。
10時30分、太郎平小屋着。 ガンバリました。
北アルプス最奥地です。
3連休前の静かなひと時、、 かな。
ここで小休止。 遠くに昨年登った山々を日本海側から望む。 そしてテント場へ移動。
テン場へ続く木道、 目前には薬師岳。 「暑いけど、 それでもやっぱり晴れて良かった」
と、 横を見ると・・
ハイ、 やはり目がいってしまいます。
テン場が見えてきました。
11時、 薬師峠キャンプ場着。
テント張ってしばし休憩。 早い時間だったので高台のベストな場所確保。 ブロックもあり言うことなし!
家から持参のおにぎりをほおばる、 うんまい♪ 正面は黒部五郎岳。
12:10 少々休んだ後 薬師岳本コースの下見に出かけた。 (明日早朝暗いうちに登り出すため)
コースはキャンプ場上から樹林帯へと分け入る形で付いていた。 脇に流れる沢の音がスゴかった。
沢の中を遡上して行く。
時折大きな岩もあり、 二手に分かれる個所ありで、 明日の備えにもなる下見歩きは非常によろし。
で、 ここがポイント。
一見何の変哲もない普通の登り道。 しっかりと赤テープもあり何等問題なく登って行ける。
BUT!! それが落とし穴だと思えた。 自分が明日再度ここを歩いているシチュエーションを想定。
目前の赤テープ、 今は昼間だから上を見れば簡単に確認できるが明日はきっと真っ暗闇の中。
足元だけ照らしながら登るハズで、 赤テープを確認することは無いだろう。 で、右の沢へ行く可能性あり。
実際に右コース先を確認してみたらとんでもない方向に曲がって行っていた、 怖い。 これが現実。
そういった意味でもテーマを持って今日中に危険個所を把握できたことは非常にプラスになった。
(足元にある大石や別れ道等、 事前に頭に刻んでおく。 (地図以外の事柄や情報を頭に入れる))
涸沢を登っていく。
振り返る。 夏雲が山小屋を覆っては遠くに吹き飛んでいく。
って、ただ振り返るだけじゃなく、 悪天候時を考慮想定し今の自分の立ち位置や構図を客観的に記憶しておく。
ズーム。 太郎平小屋。
更に登っていくと雪庇が出現。 さほど危険性は無かったものの、もしもの事を考え素直に左側を巻いた。
雪渓と夏の雲。 そのコントラストが美しい。
薬師平。
ここでもやはり、、
「槍ヶ岳」 昨年歩いた西鎌と全編ルーファイ必須な北鎌が見える。
コースの下見はここ薬師平まで。
明日はきっとここまでヘッデン点けながら上がってくるハズ。
さっきの沢コースの下見ができてホント良かった。 テント場へ戻るとする。
(ここから上は稜線上コースのため、よほどの悪天候にならない限りミスコース無しと判断)
太郎岳に湧き立つ夏の雲。 あのモクモク感が好きです。 平地で見る雲とは全然違います。(笑)
太郎平小屋ズーム。 さっきより人が出ているようだ。 僕も早くあそこに行って例のモノを・・
13時、 下山開始。
下見を終え無事テン場まで戻ってきました。 数も増えていた。
今日のマイスイートホーム。 (今回はBC型キャンプのため、モンベルを持参)
BC型時はモンベル、 縦走時はより軽いアライのエアライズを使い分けようと思っている。
このモンベルテント、 もう15年は使っている。 当時の前扉は全部開く形。 この方が
前面が全てオープンになるのでテント内から外を見た時の見晴らしがいいので好きなのである。
(今の同形ステラは前面1カ所開き ⇒ そのかわりペグの本数が少なくなるので軽量化してる?)
少々休憩した後、 例のモノをゲットしに太郎平小屋まで木道を上がって行く。
ハイ、 例のモノです。 (^^v
冷えててスゴクおいしい。 14時過ぎ、 本日の行程はここで終了。
あとの午後の長い時間は回りの景色を眺めつつのんびりすることに決めた。
鷲羽岳、 三俣蓮華岳、 双六岳、 黒部五郎岳・・ が遠くに見渡せる。
これも泊登山のオイシイ過ごし方のひとつ。 この一瞬で今日のきつかった登りが全て報われる。
明日登る 「薬師岳」 デカイ!! (頂上は左奥)
明日は あのチョンと見える避難小屋の横の立つケルンの前で合掌する予定。 それも今回の目的のひとつ。
さあさ、、 もう1本ビールを買ってテン場へ戻るとするかね。。
どお? この夏雲。 いい感じっしょ。
水場で再度冷やす、 冷やす。 (爆)
(奥に見えるのがトイレ。 簡易水洗で綺麗だった)
17時。 楽しい夕食のひと時。
富山湾に日が沈む。 明日も晴れますように。
夕闇せまるテン場。 皆食事を終え就寝準備中。 周りが段々静かになっていく。 これもいい感じ。
今日一日ありがとうございました。
今夜は満月。 おやすみなさい。。
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本日振り返りと明日の予習。 (テントの中で必ずすること)
・有峰湖 林道東谷線線通行止め情報を事前に確認していなかった。 (反省)
・炎天下でのキツイ登り、 今後何らかの暑さ対策が必要。 (自己管理)
・1年ぶりの一泊山行。 のんびりできてとても良い。 (余裕を持った行動)
・明日は4時出発。 本日のうちに分かりずらいコースを下見出来てよかった。
(沢登りコース、 歩く場所を選ばないとミスコースの恐れあり)
・故愛知大生のケルン前で合掌する。 (先人の想い、教訓と安全意識やレスキュー組織の確立)
・本日も安全無事に終わることができた。 (明日へのステップ)
・ムニャムニャ・・
明日が楽しみだなー