9/19(木) ~ 21(土)
「光岳」
頂上は狭かった。 少し行くと御料局三角点のある頂上がもう一つあった。ここの方が幾らか広い。
パインアップルのカンを開け一株のハイマツの根元に腰をおろして休んだが、そのハイマツこそ日本
最南端のものであった。
深田久弥 「日本百名山」 より引用抜粋。
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9/19(木) 光岳 (てかりだけ) に登ってきました。 99座目です。
いつものように前日の水曜会社退社後 最寄りのICから高速に乗り、 北関東道 ~ 関越 ~ 中央道 ~
御殿場ICから新東名に乗り新静岡IC、 そこから細くクネ曲がった真夜中の林道を延々2時間走り畑薙ダムへ。
がしかーし! 今回はそのルートを取るのに数日間てんやわんやだったのです、 よ。
なぜかと言うと、、、
光岳に登る通常ルートは長野県側(飯田市)から易老渡(いろうど)というこれまた山奥にある登山口から入るのが一般的。
当初の予定では当然そのルートで入山と決めていたのだが、 15(日)でのいきなりの台風18号上陸直撃!
その結果、 易老渡に続く林道が土砂崩れによる通行止め。 (←飯田市観光協会へ電話し確認) こりゃマズイと再検討。
もう一つの入山口である静岡県側の畑薙ダムはどうかと東海フォレストバス会社に電話確認したのが17(火)の朝。
電話口の向こうから聞こえてきた回答は耳を塞ぎたくなる言葉が・・
「台風の影響で林道崩壊のため全面通行止め。 復旧の目途確認中、 明日また電話願う」
あちゃー。 こりゃあ今年中の登頂はムリだなと思った。
今回有給休暇を取ったのは激混み確実な3連休の前に登ると思い19(木)と20(金)と休みをもらって
いたので
この両者通行止めはホント立ち直れないほどの衝撃だったのです。 復旧までに時間がない、 と。
それでも一縷の望みをかけて18(水)の午前中に再確認。 その結果 東海フォレスト林道は簡易復旧完了したと。
ということで、 アプローチのえらい遠い静岡県側から入山することに決定しました。
(ちなみに易老渡に続く林道は今年いっぱい通行止めが決定したそうです)
とまあ 前置きはこのくらいにして。。。
夜の高速道路は大型トラックの巣と化してしました。
そんなトラック軍団に囲まれやっとの思いで新静岡IC着です。
ここから真っ暗な林道を約2時間、 畑薙ダム夏季第一臨時駐車場を目指します。
この狭さ、 奥深さ、 ちょい怖さ、 もう慣れっこになりました。 今じゃもうただいまー、 てな感じで。 (笑)
明日からの行程を考慮しゲートに一番近い沼平(ぬまだいら)にクルマを置いて3時間の仮眠です。
今日は相当長い距離を歩くことになるので4時起床 準備後4時30分過ぎ出発。
なんと、 クマ出没注意! をクマ本人に言われてしまいました。
台風の爪後濃い大井川 (畑薙ダム湖) です。 奥に薄っら見える吊り橋がこれから渡る橋です。
で、その橋着。
「畑薙大吊橋」
実際のところここ渡るの来年以降かなーと勝手に思っていましたが、こんなに早く実行する時が来るとは
思ってもみませんでしたね。(笑)
(南ア深南部を数日かけてじっくり縦走する時に渡ろうと思っていた。 そう、ここから仙丈ケ岳まで抜け
ようと)
んじゃ行ってみよう!
揺るりー 揺るりらら~♪ この時間ボク一人貸切です。 (^^v
橋を渡り終えればやっと登山道です。 ここから茶臼小屋(ちゃうす)まで登ります。
ふぅ~。。。
いくつかの吊り橋を渡って行きます。 面白いですね。
この沢に掛る橋はきちんと固定されていなく歩く度に上下左右ボヨンボヨン揺れること。(笑)
こんなんもありました。 (爆)
台風の影響で倒木が橋を覆っていました。 げっ! 下をくぐって渡りましたよ。
ザックが上の枝に引っかかりヨロヨロおっとっと。。 その時下を流れる激流が目に入りやばし状態ぃー。 (爆)
その後もいくつかの吊り橋を渡り、 全日無人のウソッコ沢小屋、 営業を終えた横窪沢小屋を過ぎ
急登尾根を登っていきます。
こんなカワイイ面白い看板が随所にあります。 茶臼小屋主人の力作ですね、癒されるなー。
ハイ、 もちろん座って休みましたとも。
こっちも変なおじさんです、 もうすぐ着きますけん。 (笑)
森林限界を抜けた直後の光景です。 茶臼小屋着。
おいしいお茶をごちそうになりました。 ちょっと一服です。。 (小屋閉めの準備中でした)
ここの小屋は遥か先に富士山が見える絶好のロケーションに立っています。
後ろは山斜面のため北風も遮られますしね。 テン場も気持ちよさそうでした。
水場もご覧のとおり。 (水より麦ジュースの方が気になって仕方ありませんでした)
麦をガマンし、 その代り正真正銘の南アルプス天然水を満タンにして先へ進みます。
茶臼岳を過ぎ希望峰という峰を越え林間コースに入って行きます。
約2時間で易老岳(いろうだけ)着。
もうこの辺で足パンパンです。 えっちらおっちら登って行きます。
きついゴーロ沢を登り木道が見え始めれば光小屋も近いです。
今日見た人間は、今朝横窪沢周辺ですれ違った昨日茶臼小屋泊の方と小屋主人の方たちだけ、
それ以降は人と会ってません。
なのでこの小屋も当然貸切です。 先週16(火)で営業を終えていて、 今は冬季小屋として
無料開放しています。
小屋にザックを置いて軽身で光岳へ。 (小屋から10分程度です)
夢にまで見た光岳登頂。
そこは、 その山頂は、、 視界効かずの森林帯の中にひっそりと立っていました。
山雑誌やヤマレコ等では “つまらない、 ちょっと寂しい” 等意見多いですが、 自分的には
やっとここまで来れた事が胸一杯で感激してしまいました。 なのでこの景観も素敵に思えました。
「百聞は一見にしかず」 三者三様、 人それぞれ。
一人ひっそりと森林の中に立って登山者たちをずーっと待っている頂。
僕にはホント素晴らしい頂きで思い出深い山頂となりました。
ここに立ってみてホントそう思えた。 この思い、 ここに立てばわかってもらえると思います。
南アルプス最南端 「光岳」 数年来ここまでいろいろと本当に遠かったです、 これにて完了。
後ろの展望台に行きましたが生憎ちょうどガスってきて景色はダメでした、 よって光石も行きませんでした。
寒くなってきたので温かいものを食べたく小屋まで戻ってきました。
本日の行動時間 11時間。 お疲れさまでしたー。
案の定貸切です。 人間は数キロ圏内ボク一人、 ちょい寂し。。
キレイな小屋です。 トイレもキレイでした。
土間から離れた暖かそうな場所を確保。 ってか、 もう完全使いたい放題。 (笑)
シャツを乾かし靴下を脱ぎ時間をかけゆっくりストレッチ。 気持ち良かったです。
お酒を飲みながら一人まったり時間を楽しみます。 今日歩いてきた道を再確認、 ホッとする時間です。。
んんっ?? おっと、 今夜は・・
中秋の名月。 ウサギも喜んで跳ねていましたっけ。
今夜のボクの話し相手は38万キロ先で跳ねているウサピョンさ。 (^^v
(ここから見た名月はボクの一生の思い出として残りました)
残すはあと一座。 リーチ!!
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初日終了です。 おやすみなさい。。