中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

広東省の旅(6)

2008-04-12 21:03:02 | 中国のこと
旺洞村
 開平で1泊した翌日は肇慶(ジャオチン チョウケイ)に向かった。肇慶は開平の北東約80キロ、広州の西約80キロに位置し、この3都市はほぼ正三角形をつくっている。
 
 広州に到着して、日程についてガイドしてくれる伍海珠と打ち合わせた時に、肇慶には中学校時代の同級生がいて、肇慶に着く3月9日は旧暦の2月2日で、その同級生の実家の村の祭の日なので来ないかと言っているがどうですかと聞かれた。それは願ってもないことだと承知した。このような予定外のことができるのが個人旅行の良い点である。

 肇慶市に着いて、その同級生蘇恵清(ス・フェイチン)と彼女の息子と落ち合い村に向かった。村は肇慶から1時間ほどのところにあり旺洞(ワントン村と言う。祭と聞いていたので賑やかなことだろうと思っていたが、そのような気配はない。ただ村の入り口あたりで地面に玩具などを並べて売っているのがそれらしい様子だった。




 話によると、午前中に村の神が祭ってある所に作った料理を持っていって礼拝し、終われば料理を持って帰ってくるだけのことらしい。別に御輿のようなものが出るようでもなく、踊りがあるわけでもない。至って簡素な祭だが、この日には親しい人たちを招くらしく、蘇恵清の実家でも親戚の夫婦らしい人がいたし、彼女の会社の同僚も何人か招かれていた。

 食事の用意をしている間に村の中を回ってみた。この村は明代からあるそうだ。現在ある家屋は明代のものではないだろうが、歴史のある村と言うことか。






 祖先を祭る廟、祖廟。入り口には古い絵がある。




 中には少し広い空間があり、奥に神像が安置されている。道教系のものらしい。村人はこの日はここに参ったのだろう。






 壁に吊るされた護符のようなもの。何かの穀物の穂でできている。

 
 村の入り口。


 結婚に関する因習を打破しようと言うスローガンか。新婚の夫婦はここを通って祖廟に参ると言う。



 やがて食事の準備ができた。裏にある竹薮を開いた場所にテーブルが置かれ、手づくりの料理が出された。素朴な田舎料理だが旨かった。




 蘇恵清の息子の陳子洋(チェン・ツヤン)と従妹。仲がよくいつも一緒。





 ゆっくりと午後のひと時を過ごすことができた。このような旅先での土地の人たちとの触れ合いがあってこそ、旅は楽しいものになる。