中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

つれづれに(2)

2012-03-08 09:49:17 | 身辺雑記

3月3日(金)

 桃の節句、雛祭りの日だが、やはり今頃では、まだ桃の花の暖かさが伝わってこない。街の花屋では温室育ちらしい花桃の小枝を売っているが、なんとなく縮かんでいるようにも見える。

 

        

 

 古来の伝統行事はやはり旧暦でするほうがいい。新暦では季節感が乏しくなる。旧暦では今年の3月3日は3月24日で、この頃なら桃の花に似合う。

 

 

                         2009年3月27日和歌山県紀ノ川市桃山町で

 

3月4日(土)

孔子の有名なことばに、「巧言令色、鮮(すくな)し仁」というのがある。「巧みな言葉やたっぷりした表情の人間には、仁(ほんとうの人の心)は少ないのだ。」(陳舜臣『論語抄』中央公論社)ということだ。連日のようにマスコミに騒がれている橋下大阪市長の言動を見聞きすると、ついこのことばを思い出してしまう。

 

3月5日(日)

卒業生のI君の店に行くとテレビが新しくなっていた。これまであったのはどこからか拾ってきたもので、アナログとデジタルの双用のものだったが、今月末で使用できなくなるので買ったと言った。大手メーカーの製品で3万6千円だったとのことで、BSも見られるそうだ。

テレビはかなり値下がりしているとは聞いていたが、ずいぶん安くなったものだ。これくらいなら買ってみるかとふと思ったが、そうするとテレビが見られなくなって1年以上もたち、テレビがなくて何も不便を感じなくなっているのに、またテレビの前にべったり座り込んでいる自分の姿が想像されて、やはりもう少し考えてからにしようと思い直した。  

 

3月6日(火)

 石原東京都知事を党首にして3月に新党を立ち上げるという話、その後どうなったのだろう。70代の老人達が集まって「新」でもあるまいにと思ったものだが、その石原氏が最近「僕は核武装するべきだと思っている。それができなければ核のシミュレーションだけでもやったらいいと思う。日本は世界一のスーパーコンピューターを持っているんだから。それを提唱するなら政党を作ってもいい」と言ったようだ。もともと彼は核武装論者だが、核武装するということは、行きつく先には核戦争もあるということで、この発言は極右政治家の本音と、核戦争の悲惨さに対する無関心さを露骨に表わしている。シミレーションするなどゲーム感覚なのか。

 小学生の時に広島の上空で原爆が炸裂するのを目の当たりにし、その後被爆者達の惨状を見て「これが地獄なんだ」と思ったと言う妻は、毎年8月6日の広島での原爆被爆者追悼式のテレビ放映を見ながら涙を流していた。このような庶民の心などは石原氏などにとっては一顧だにすることではないものなのだろう。

 かつてある評論家は彼の在りようを「老残」(老いぼれて生き残ること)と評していたが、私より1歳年上のこの「政治家」の姿は、ただただ「老醜」「老害」の極みだと思う。