「啓蟄」の時期に入ったことでもあり、休んでいましたブログを、再開いたします。手始めに休んでいる間のつれづれの日々に記したものを・・・。
2月26日(日)
梅一輪 いちりんほどの暖かさ
松尾芭蕉の高弟、服部嵐雪の句。今日は寒かったが、この2、3日少し暖かい日が続いたので、近くにある梅を観に行った。まだちらほらとしか咲いていなかったが、この句を思い出す風情だった。来月に入れば満開にもなるだろう。
2月27日(月)
今日の『朝日』の夕刊の一面は、橋下大阪市長のツイッターが読者61万人,政治家としては鳩山元首相を抜いて1位になったという記事。それがどうしたというのだろうか。例によって見飽きした顔写真をつけて、大きく「橋下節 頂点なう(意味不明)」という見出し。全体として紹介と言うよりも、持ち上げ記事だ。
『朝日』は先日は橋下氏に期待するという小学生の投書と、それを称賛する老婦人の投書を掲載し(どちらも読んでいて背筋がもぞもぞするような感じだったが)、20日には、朝刊一面トップに「橋下ブレーン増殖26人」という大きな記事。39面にも「なぜ集まる」という関連記事。最近の『朝日』は橋下氏や「維新の会」の広告塔、提灯持ちになり下がったのか。弟は「アンチ橋下の記事で読者に逃げられたら困るからじゃないかな。テレビも新聞も結局スポンサー頼りだから」と言った。
かねてから右派ジャーナリズムの『産経』などは『朝日』を左翼視していて滑稽だと思っていた。かなり偏った右派の『産経』から見ればそうかも知れないが、『朝日』は左翼などというものではなくリベラルくらいのもので、それはそれで良かったのだが、そのリベラルも今では色あせてきたように思う。
2月28日(火)
今日は妻の命日。13年目になる。仏教なら13回忌をするところだが、我が家は神道だからそういうことはない。でも、やはり花は新しいものを生け、好きだったちらし寿司を供えた。花はもう13年もたつたのだから、華やかな色どりのものにしてもらった。13年間1日も思い出さない日はなかった。最近はまた、夢に出てくることが多い。様子も声も元気な頃のままなので、目が覚めるとひどく悲しい。それでも少しづつだが、だんだん遠くへ行っているようにも思う。
2月29日(水)
キャベツのスープ煮という、私が勝手に名付けた料理のうちにも入らないようなものを作った。
鍋に適当に水を入れ、これも適当にブイヨンの素とベーコンの切り身を加え、そこに小ぶりのキャベツを丸ごと入れ、蓋をしてとろ火で加熱する。途中でキャベツを引っくり返す。これだけのことだ。
いたって簡単だし、一度にキャベツの半分は食べられる。私のオリジナル料理というものではなく、まだ妻がいた頃に、ある料理の本にあった、ヨーロッパのどこかの国の郷土料理のようなものらしかった。その時にそのレシピで作ったものはなかなか美味しいものだったが、そのレシピはもう見当たらないし、今回作ったものは、私の好みでもまあまあという程度で、人に食べてもらうようなものではない。
3月1日(木)
早3月に入った。閏年で例年より一日多い2月も、あっという間に過ぎ去った。こんなことはと思い出すと、大抵は1月頃のことだ。まったく「ニがつはニげる」とはよく言ったものだ。まだ寒さは緩んでいないが、この辺りは明日くらいから気温は10度を超し、5日、6日ごろは16度くらいになるという予報。暖かくなったと喜んでそうこうしているうちに「サんがつはサる」というから、すぐに4月が来るのだろう。
3月2日(金)
今日の『朝日』の社会面には「『ハシズム』人気のわけは?」という見出しで、橋下氏を批判してツイッターなどで彼の「口撃」を受けた4氏の橋下分析を掲載している。そもそもは、1月に『産経』が橋下氏を「日本のリーダーとして最もふさわしい」とする世論調査の結果を掲載し、記者団に感想を求められた橋下氏が「聞いてくださいよ。ハシズムといって批判している人に」と言ったかららしい。橋下氏としては得意満面で、いくらバカ学者が批判しても俺はこんなに人気があるのだと言いたいのだろう。
『朝日』の記者が訪ねたのは、北海道大学大学院の山口二郎教授、同じ大学の公共政策大学院の中島岳志准教授、神戸女学院大学の内田樹(たつる)名誉教授、精神科医の香山リカ氏。いずれも橋下氏から「役立たず」などと激しく批判されているようだ。その中の香山リカ氏は、橋下氏の「一回も面談したことがないのに僕のことを病気だと診断したんですよ。そんな医者があるんですかね。患者と一度も接触せずに病名が分かるなんて。サイババか」という罵倒に対して「特定の病気と断定したのではない。白か黒かでしか判断できない人は、大きな不安を抱えていることがある。二者択一を迫る政治家が支持されるのは、有権者が不安定な状況に追い込まれているからではないか」と言っている。毎度のことながらいきり立つ橋下対落ち着いた香山と言う構図だ。
取材した『朝日』の記者は、「『既得権益』があると見なした人を『敵』に仕立てて、時に口汚ないと思えるほどの言葉を使いながら徹底的にやりこめる。橋下氏お得意の手法には、違和感を持っていた』と言い、「橋下氏に拍手喝采を送っている人が、ある日突然、『敵』にされるかもしれない』と結んでいる。
「臆病な犬ほどよく吠える」と言うが、橋下氏の異様とも思えるほどの品性の乏しい口汚さと批判者への噛みつきようは、案外彼の臆病さの表われかも知れないと思ったりする。