母の庭の梅も花盛りです

この梅は、家を建てた時に父が選んで植えたもの。
毎年よく花を咲かせ、実もかなり付けてくれます。
近くに植木屋さんの植木畑があって、折よく花盛りの
木々の中から選んだお気に入りでした。
光琳が描く日本画の梅の木のような枝ぶりになりました。

その植木屋さんのおじいさんは毎日畑に
出て日がな木の手入れをしていました。
駅への通り道なので、植物の好きな父は
よく植木畑を覗いておじいさんと言葉を
交わしていました。

紅・白のハナミズキも金木犀もこの畑で
セレクトして、おじいさんに植えて貰いました。

大好きな「建礼門院右京大夫集」の中にこんな
一章があります。
平家が源氏に追われて都を落ちて行った後、清盛の孫、
平資盛(すけもり)の恋人であった建礼門院右京大夫
(うきょうのだいぶ)が友人に誘われて梅の花を見に
でかけた。伏見の里の小さな寺のみごとな古木の梅で
あった。寺の住職が「この梅を気に入って毎年見に
来ていた人が今年はもう来られなくなりました」と
いう。その人の名は?と聞くと資盛だという。
思ふこと心もままに語らはむ
慣れける人を花も偲ばば
(梅の花よ、あなたも資盛を偲んでいるのなら
恋しい人のことを心のままに語り合いましょう)

資盛が自分の代わりに梅に会いにいってほしい
と誘ったとしか思えない偶然であった。

植木屋さんのおじいさんも亡くなり、父も亡くなり
植木畑もマンションになった。
父のお気に入りの梅が今年も満開となりました。
亡き人を偲んで語り合いましょうとばかりに。


この梅は、家を建てた時に父が選んで植えたもの。
毎年よく花を咲かせ、実もかなり付けてくれます。
近くに植木屋さんの植木畑があって、折よく花盛りの
木々の中から選んだお気に入りでした。
光琳が描く日本画の梅の木のような枝ぶりになりました。

その植木屋さんのおじいさんは毎日畑に
出て日がな木の手入れをしていました。
駅への通り道なので、植物の好きな父は
よく植木畑を覗いておじいさんと言葉を
交わしていました。

紅・白のハナミズキも金木犀もこの畑で
セレクトして、おじいさんに植えて貰いました。

大好きな「建礼門院右京大夫集」の中にこんな
一章があります。
平家が源氏に追われて都を落ちて行った後、清盛の孫、
平資盛(すけもり)の恋人であった建礼門院右京大夫
(うきょうのだいぶ)が友人に誘われて梅の花を見に
でかけた。伏見の里の小さな寺のみごとな古木の梅で
あった。寺の住職が「この梅を気に入って毎年見に
来ていた人が今年はもう来られなくなりました」と
いう。その人の名は?と聞くと資盛だという。
思ふこと心もままに語らはむ
慣れける人を花も偲ばば
(梅の花よ、あなたも資盛を偲んでいるのなら
恋しい人のことを心のままに語り合いましょう)

資盛が自分の代わりに梅に会いにいってほしい
と誘ったとしか思えない偶然であった。

植木屋さんのおじいさんも亡くなり、父も亡くなり
植木畑もマンションになった。
父のお気に入りの梅が今年も満開となりました。
亡き人を偲んで語り合いましょうとばかりに。