蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

トーマスのリアリティ

2010年05月15日 | Weblog
トーマスのリアリティ

「きかんしゃトーマス」という、イギリス製の人形(?)アニメ番組があります。
蒸気機関車の前面が人間の顔になっていて、しかも顔色(?)がとても悪い(灰色)ので、昔は「気味悪いなー 趣味悪いなー」と思っていました。

子供ができて、しかも鉄道好きの子になったので、この番組を四六時見るようになり、私も見るともなく見ているうちに、意外とアニメとして魅力的であることに気づきました。

人形アニメなので、実際にミニチュアモデルを作って撮影しているのですが、簡素な作りのモデルなのに、イギリス風機関車のムードが上手に表現されていています。
これは省略やデフォルメがうまいせいでしょう。戦車や飛行機のプラモデルは、実物を縮尺通りに正確にモデルにしても本物らしくならないそうで、省略や、それらしく見せるための意識的な改変が必須だそうで、その辺がモデル作家(原型師)の腕のみせどころなのだそうです。
風景は、機関車本体とは逆に、細かいところまでしっかり作りこまれていて、よくできた鉄道模型を撮影したもののような出来栄えです。

一見、(機関車に人間の顔がくっついているという)子供だまし風なのに、良く見ると、作者の仕組んだリアリティが浮かび上がり、大人の観賞にも耐えられる出来になっている・・・このへんがイギリス的なセンスというところなのでしょう。
コメント
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