世界経済のオセロゲーム(滝田洋一 日本経済新聞出版社)
本書の奥付けを見ると、初版が2011年3月8日で、この手の本の出版タイミングとしては最悪だったろう。
震災もさることながら、ストロスカーンに触れた箇所があり、「会見を終えて、専務理事(=ストロスカーン)は女性たちとのツーショット写真に笑顔で応じていた」というフレーズには笑えた。(それ、「応じていた」じゃなくて「強要していた」じゃないの?みたいな・・・)
表題は、一瞬にして主役が入れ替わる世界秩序を表したもの。
まあ、今に始まったことではなくて、ソ連という重石がなくなって以降、そういう状態が20年くらい続いているようには思うが。
日本経済の低迷の原因は、資源価格高騰による交易条件の悪化で、それを輸出型企業の努力で補っているはいるものの本格的回復には及ばないとする。
一方で、国内消費が盛り上がらないのは企業の分配が足らないからだとするが、その前の、企業努力でなんとか持っている日本経済、という部分と矛盾があるようにも感じられる。
アメリカの金融緩和によるデフレとバブルの同時進行、その裏側で繰り広げられる中国とアメリカの経済覇権争い、国家の過大債務、など現状の問題点を並べるが、まあ、なんというか新聞のダイジェストを読んでいる感じで、読んでいてなるほどと思わせるような解説はあまりなかった。
日本経済への処方箋は「モノづくりは日本の稼ぎの大元と理解したうえで、「貿易+投資立国」を目指すとともに、「環境・省エネルギー」と「経済成長」を両立させる」(P201)だとするが、その実現へのプランも、まあ、ありきたり(日経の記者という立場で、自社から出す本で、あまり奇抜なことを書くのは難しいのだろうけど)だった。
本書の奥付けを見ると、初版が2011年3月8日で、この手の本の出版タイミングとしては最悪だったろう。
震災もさることながら、ストロスカーンに触れた箇所があり、「会見を終えて、専務理事(=ストロスカーン)は女性たちとのツーショット写真に笑顔で応じていた」というフレーズには笑えた。(それ、「応じていた」じゃなくて「強要していた」じゃないの?みたいな・・・)
表題は、一瞬にして主役が入れ替わる世界秩序を表したもの。
まあ、今に始まったことではなくて、ソ連という重石がなくなって以降、そういう状態が20年くらい続いているようには思うが。
日本経済の低迷の原因は、資源価格高騰による交易条件の悪化で、それを輸出型企業の努力で補っているはいるものの本格的回復には及ばないとする。
一方で、国内消費が盛り上がらないのは企業の分配が足らないからだとするが、その前の、企業努力でなんとか持っている日本経済、という部分と矛盾があるようにも感じられる。
アメリカの金融緩和によるデフレとバブルの同時進行、その裏側で繰り広げられる中国とアメリカの経済覇権争い、国家の過大債務、など現状の問題点を並べるが、まあ、なんというか新聞のダイジェストを読んでいる感じで、読んでいてなるほどと思わせるような解説はあまりなかった。
日本経済への処方箋は「モノづくりは日本の稼ぎの大元と理解したうえで、「貿易+投資立国」を目指すとともに、「環境・省エネルギー」と「経済成長」を両立させる」(P201)だとするが、その実現へのプランも、まあ、ありきたり(日経の記者という立場で、自社から出す本で、あまり奇抜なことを書くのは難しいのだろうけど)だった。