戦国24時 さいごの刻(木下昌輝 光文社)
豊臣秀頼、伊達政宗の父、今川義元、山本勘助、足利義輝、徳川家康のそれぞれが死ぬ前24時間を描く短編集。
今川義元を描いた「桶狭間の幽霊」がよかった。
桶狭間に到達した時点では今川方は強行軍で疲れ切っていた(本書によると今川方の行軍スピードは秀吉の中国大返し並だったという)という設定で、桶狭間での敗北を必然のものとするストーリー。筋自体には説得力があるのだが、表題の通り、義元が語りかける相手は幽霊ということになっていて、ケレン味を出そうとしている試みは必ずしもうまくいっていないと思う。
秀頼が主人公の「お拾い様」は、「なぜ、淀君は愚かな戦略ばかりを取ったのか?」という謎解きになっていて、それなりに論理的でかつ意外性はあるのだけど、さすがに突飛すぎるかなあ、という感じだった。
豊臣秀頼、伊達政宗の父、今川義元、山本勘助、足利義輝、徳川家康のそれぞれが死ぬ前24時間を描く短編集。
今川義元を描いた「桶狭間の幽霊」がよかった。
桶狭間に到達した時点では今川方は強行軍で疲れ切っていた(本書によると今川方の行軍スピードは秀吉の中国大返し並だったという)という設定で、桶狭間での敗北を必然のものとするストーリー。筋自体には説得力があるのだが、表題の通り、義元が語りかける相手は幽霊ということになっていて、ケレン味を出そうとしている試みは必ずしもうまくいっていないと思う。
秀頼が主人公の「お拾い様」は、「なぜ、淀君は愚かな戦略ばかりを取ったのか?」という謎解きになっていて、それなりに論理的でかつ意外性はあるのだけど、さすがに突飛すぎるかなあ、という感じだった。