蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

ハコウマに乗って

2025年01月07日 | 本の感想
ハコウマに乗って(西川美和 文藝春秋)

「すばらしき世界」などの作品で知られる映画監督のエッセイ。半分くらいは「Number」に掲載されたものであることと、著者の趣味がスポーツ観戦(プロ野球はカープファン)ということもあり、スポーツに関する話題が多い。

著者監督の映画もいいんだけど、同じくらい自作のノベライズやエッセイも素晴らしい。本作でも、大笑いさせてくれるものがある一方、社会的課題に関する真摯な提言もあってバラエティにあふれた素材を楽しく読ませてくれる。

伊藤みどりのジャンプを絶賛した「勝利と健康。」、
10.19近鉄VSロッテを主題にした「テレビよ継れ」、
中学受験時のおける同級生の完全犯罪?を描いた「ゆきのしわざ」、
福岡の球場にカープの交流戦を見に行った時に感じた相手球団のビジネスセンスに感心した「みるはたのし」、
が特によかった。
映画監督だけあって映像がうかんでくるような描写なんだよね。「ゆきのしわざ」は、分量は数ページしかないけど短編映画みたいだった。

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