泣き虫弱虫諸葛孔明 第四部(酒見賢一 文春文庫)
三国志といっても史書としてのそれと「三国志演義」とかの翻案本では内容にかなりの隔絶があることは、本シリーズでも著者が度々指摘するところだが、日本での翻案本も多くの有名作家が手掛けるところで、ファンでなくても吉川、柴田、陳あたりのシリーズは多くの人が読んでいるに違いない。
私も吉川、柴田、北方のシリーズは読んだのだけど、その中では柴田錬三郎の(英雄シリーズ)が最もよかったかなあ、と思えた。孔明が死んだあとの話が特に印象に残っている。
繰り返し物語化されてきた、手あかのついたネタなので、いまさら長編小説化しようというのは大変だったろうなあ、と想像されるが、本シリーズはメタ的視点?を取り入れてできるだけ客観化した三国志にしようとしているように思えた。
そうはいっても第四部で語られる(関羽の敵討ちのための)劉備の最後の出陣シーン(著者自身が、ここが三国志最大の見どころであるとしている)や劉備が孔明に遺言(自分の後継者(息子の劉禅)がダメなら孔明が蜀の支配者となれ、と)するシーンなどは感動的に描かれていて、うまいなあ、と思えた。
三国志といっても史書としてのそれと「三国志演義」とかの翻案本では内容にかなりの隔絶があることは、本シリーズでも著者が度々指摘するところだが、日本での翻案本も多くの有名作家が手掛けるところで、ファンでなくても吉川、柴田、陳あたりのシリーズは多くの人が読んでいるに違いない。
私も吉川、柴田、北方のシリーズは読んだのだけど、その中では柴田錬三郎の(英雄シリーズ)が最もよかったかなあ、と思えた。孔明が死んだあとの話が特に印象に残っている。
繰り返し物語化されてきた、手あかのついたネタなので、いまさら長編小説化しようというのは大変だったろうなあ、と想像されるが、本シリーズはメタ的視点?を取り入れてできるだけ客観化した三国志にしようとしているように思えた。
そうはいっても第四部で語られる(関羽の敵討ちのための)劉備の最後の出陣シーン(著者自身が、ここが三国志最大の見どころであるとしている)や劉備が孔明に遺言(自分の後継者(息子の劉禅)がダメなら孔明が蜀の支配者となれ、と)するシーンなどは感動的に描かれていて、うまいなあ、と思えた。