豹頭王の来訪(グイン・サーガ139 五代ゆう ハヤカワ文庫)
ヴァラキアのブラン(カメロンの部下)は、ミロクの高僧2人に導かれて地下聖堂から脱出する。
グインはワルド城を訪れ、ヴァレリウスを会見する。自分が何者かであるかを知ったらケイロニアを捨てなければならないもしれないから皇帝にはならなかったと語る。レムスを登用しては?と提案する。
ヴァレリウスの弟子として育成されているアッシャに親を殺されたイリーンにグラチウス?が近づく。
スカールとスーティはザザらに導かれ黄昏の国へ逃げ込む。そこでスカールは、ノスフェラスの星船は異世界へのゲートであり、ゲートを開くにはいくつかの貴石を揃える必要があることを知る・・・という話。
最後の話は初耳?でサーガの根幹を成す重大な秘密だが、割合とあっさり読者に公開されてしまって、少々拍子抜け。栗本さんならたっぷり3冊くらい使って、なおかつ曖昧なままの部分を残して置きそうなエピソードかな?
その部分も含めて話が拡散しすぎで、いつまで経っても本筋が進んでいないような気がする。
リンダもナリスもイシュトヴァーンは姿も見せないし、続編になってからやたら登場場面が増えたグインもケイロニアに留まる限り、本筋が展開していかないよね・・・
ここでいう本筋というのは「パロはどうなるのか」ということで、読む人によっては「それは本筋ではない。グインがケイロニアで活躍したり、調整者としての謎を解くことが本筋」という意見もあるはず。そういう意味では本書でストーリーは大きく展開しているわけなのだが。