ブラックサマーの殺人(M.W.クレイヴン)
イギリスNCASCA捜査官ポーは、娘殺しの罪で、遺体未発見ながらもカリスマ・シェフのジャレド・キートンを有罪にし刑務所送りにしていた。
数年後、殺されたはずの娘が姿を現す。科学的検査をすると同一人物であることが証明され、ポーは窮地に陥る・・・という話。
殺されたはずの被害者が数年後になって出現する、しかも血液や遺伝子検査をしても同一人物と判定される、という強烈な謎のインパクトがすごい。「え、それでどうなるの?」感が強すぎて読むのを止めるのがとても困難だった。
ただ、シリーズ1作、3作と比べると、中盤ちょっと間延びした感があるし、サイコパスであるキートン、ポーの攻防両陣営の手練手管が行き過ぎで「そんなにうまくいかんだろ」と言いたくなるところも多少あったし、最後の解決がやや強引。この手はほぼオールマイティーなので禁じ手なのでは??
と、文句をつけたが、抜群のリーダビリティとキャラ立ちのすごさは相変わらず。もうすぐ、シリーズ新作の翻訳がでるらしいが、とても楽しみだ。