
湊かなえさんと言うと「イヤミス」もの、と勝手に思い込んで買った文庫本、
へえ~~山やりはるんやって第一印象
今まで読んだ中では違ったもので、
こんなんも書きはんねんなあ、と、お得感が、
「山女」やし、女性が主人公のオムニバスストーリー、
1.「妙高山」
デパートの店員しっかり者の律子と、上司と不倫をしている由美の山行、
もうひとりが急きょ来れなくなって、
律子はあんまし好きでない由美を遠ざけながらも、マリッジブルーの気分を整理するように淡々と登るが、
由美の本当の姿に気づいていく・・・
2.「火打山」
バブル期に青春を費やした美津子は集団お見合いをして、真面目な人と付き合うことになって、
彼から誘われ初めての登山をすることに・・
3.「槍ヶ岳」
学生の頃、登山サークルで槍ヶ岳に上るも、メンバーの体調不良で頂上を諦めた過去がある牧野しのぶは、
単独登山をしてきた、
そして今回こそ頂上をと目指していたところ、熟年男女と共に行くことになり・・
4.「利尻山」
何もかも手に入れ勝ち組の姉と未だ自立できず、父の仕事を手伝いながら翻訳の仕事をしている妹、
姉に誘われ、利尻山に登ることに、
常に上から目線の姉の物言いに反発を感じていた妹だが、実は姉は夫から離婚を切り出され、気を使わない妹との旅行で悶々としたこころと向き合うためだった・・
5.「白馬岳」
4話の姉が小学生の娘を伴い、再び妹と白馬岳を目指す、
プライドの高い姉が、妹と娘に助けられる・・
6.「金時山」
律子たちと妙高山に行けなかった舞子が、恋人に日本一の山を目指して富士山でなくなぜか金時山に・・
7.「トンガリロ」
帽子作家になった柚月、昔恋人と一緒に行ったニュージーランドのトンガリロを再びトレッキング、
そこには、2話と3話の登場人物たちも・・
8.「カラフェス」
単独行ばかりしてきた主人公が山友達を求めて「涸沢フェス」に・・
結構楽しく読みました、
女性たちのいろんな思いは共感できるものだし、山のイメージが出て良かったですね、
とりわけ、「トンガリロ」は素晴らしいとこなんやなあ、と行ってみてえなあ、と
ニュージーランドに弱いもんで・・
それにストーリーも切なくて、柚月さんの悲しい胸中がよく出てた

久しぶりの小説で重くなく、意外な山話、恋バナで楽しめましたね
