≪あらすじ≫
暗い古いアパートの一室に暮らす、
植物状態の母親、17歳の誠、12歳の正二、そして幼稚園に通う6歳の香、
父親・信道は借金で一年前から失踪、
その筋の金融屋の取り立てに、ヤバい仕事をする長男と次男、
長男は朝早くから市場で働き、夜は中華屋で働き、
夜中は正二とふたりで薬のパケ作り、
正二は学校からは無視され続け、ただひたすら家に人が来ないことだけを目的とし、
寝たきりの母親の面倒を見ている、
香はあるときから、死んだ人が見えるようになり、
外国人の子どもたちが多くいる園で過ごしている、
何もかもに「くさい」と言う言葉がつながる
彼女にだけに父親が会いに来る・・
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夜逃げしたにもかかわらず、借金の身代わり返済した金融屋に行政の不手際で居所をつかまれ、
追い詰められ、窓から転落した母親が入院し、
その後、好転しないまま退院、
薬の仕事をさせられながら、借金の返済を待つ兄弟、
誠に仕事をさせている組関係は裏切りもあるなかで、
彼の口の堅さは誰もが認めている、
福祉が入ることはそんなわけで避けている、
生活は労賃と差し引きで組が面倒を見ている、
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※ネタバレあります
父親のストーリーや、
母親のストーリーがつまびらかにされたり、
また兄弟には、
誠に好きな人ができたり、
正二に難民のルスランと出会って愛以上のものを見つけたり、
香はクラスメイトの遠く離れた刑務所に居る母親にところへ「群れ」で行ったり、
とそれぞれの物語が語られ、
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で、最後ここは驚きでした、
香が見えていたお父さんは既に死んでいて、
そのお父さんを死なせたのは母親であって、
その現場を見た正二が押し入れの下を掘って埋めた、・・・と
だからなおさら人が来ることも嫌がったり、
引っ越しも出来なかったり、
香がお父さんが見えたり、
母のショックが大きくて病になったりと、
最後はつらいですね、
じゃあなんで「歓喜の子」だと?
誠は幸せに暮らしてた時、音楽が好きで、独唱とかしたり、
それが「歓喜の歌」
こどもたちが片寄せあって、でも強くて、愛情もあって、
スゴイよこの子たち、
天童荒太さん、骨太ですね、
誠が作った妄想の「外国の少年兵士リース」の話はちょっと飛ばし読みしてしまいましたが、
良かったですね、
最後まで読んで、
相変わらずとっても暗くて、キツくて、でも良かったです、
映像はダメですね
「家族狩り」「悼む人」も本では読めるけど、
「永遠の仔」が再び本を読みだすきっかけだったもんで、
天童さんのファンです、
しんどかったけど、やっぱり良かった