
「昭和天皇」 原 武史著 (岩波新書) 定価:740円
【この本を読んだ理由】
岩波新書の新刊(2008.01)の中に、私の歩んできた時代と最も関わりの深い「昭和天皇」について書かれたこの本があったので。
【読後感】
「昭和天皇」とは、どんな人であったのだろうか?私には馴染みの少ない昭和史の前半を勉強する機会となった。
昭和天皇は、父・大正天皇が病気であったため、若くして摂政となったこと。
母・皇太后との微妙な関係、兄弟・秩父宮、高松宮との確執、太平洋戦争の戦争責任問題、退位・留位問題、マッカーサーとの対話、生物学研究など。
「お濠の内側」での新嘗祭など数々の祭祀。
「お濠の外側」における各地への巡幸。
これらの事柄が豊富な文献を添えながら記されている。
1989年(昭和64年)1月7日、昭和天皇は87歳8ヶ月にわたる生涯を閉じた。
この年は、私が単身赴任をはじめた1988年の翌年であった。(この後、私は現役を引退するまで単身赴任を通した。)
ということで、私には、この時は生涯忘れられない転機なのである。
この本は、昭和天皇の生涯を中心に密室的な宮中での出来事を垣間見ることができる一冊であると思った。