「脳はもっとあそんでくれる」 茂木健一郎著 (中公新書ラクレ) 定価:700円
【この本を読んだ理由】
脳科学の第一人者として有名な茂木健一郎の本であり、タイトルが何となく砕けていたので興味を持った。
【読後感】
この本は、
“週刊誌『読売ウィークリー』2007年から2008年に連載された「脳から始まる」を収録したエッセイ集である”
ことをこの本の「あとがき」で知った。
そして単行本化に当たって、中央公論新社の方がタイトルを『脳はもっとあそんでくれる』としたことが書かれていた。
“エッセイの内容を簡潔に表しているよい題だと思う”と著者も満足している由。
このタイトルに惹かれてこの本を読む気になったのだが、前半はあまり興味が無かった。
しかし、この本の後半にいくに従って、なるほどと共感を呼ぶエッセイに巡り会えた気がした。
そのエッセイの中から一部を紹介する。
“私たち人間の意識のあり方において、自分の姿を認識することは極めて大切である。”
・・・・・・
“その意味で、「鏡」の発明は、人類の精神史上画期的なものであった。”
・・・・・・
“「宇宙から見れば国境などない」という言説は言い古されたことだが、人類はまだまだ心からわかってはいない。
インターネットが結ぶグローバル経済。
自然環境の保護。
天然資源の効率的利用。
地球規模で発想しなければならないことが山積している時代。
技術によって地球そのものまで映すようになった「鏡」を大いに活用しなければ、人類の将来は危うい。”
月周回衛星「かぐや」が迫力ある「地球の出」を映し出した映像が思い出される。