いちよう:二千和会だより

 会報「いちよう」を通して、人生がさらに豊かに広がるよう「今も青春!」の心がけで楽しく交流しながら散策しましょう。

演劇を見る会

2008年08月30日 | SO-Color

 高校時代のグループで演劇を見る会が出来ていたので所属させてもらう。私は今年の入会だから、今回で4回目。
 
 1回目:薔薇の花束の秘密
     安奈淳・毬谷友子

 2回目:ミュージカル
     天切り松人情闇がたり
     左とん平・劇団員

 3回目:春 忍び難きを
     川口敦子・河原崎次郎

 4回目:説教節をぐり考
     中西和久 

 
 ちょうど100回目の記念公演からの参加となる。その鑑賞の日は一日中、皆と楽しむ日としていたが、今回はどうしても参加できない方が出てしまい、三人となったため、いつものお楽しみプログラムはやめることになっていた。
 
 ものがたりは、二条大納言の世継ぎ小栗判官は、相模の横山家の娘照手姫の婿になるが、義父の怒りに触れ、毒殺されてしまう。照手も許されずに相模川に流され、遊女屋で拾われ、美人なので遊女として生きていけと危うく遊女にさせられそうになるが、絶対にそれだけはなりたくないと拒んだため、下働きの苦役を強いられる。小栗は地獄の閻魔さまの慈悲で生き返るが…。65役をひとりで演じ分け、能や狂言的手法で時空をスピーディーに乗り越えるドラマチックな切ない恋物語の芝居。ハンセン氏病の隔離される病人のことも批判というか実情を織り込んでいた。

 

 会報編集で緊張感から開放されて、ちょっと「うとうと…」したようだったが。

 でも、中西和久という役者、小柄ながらよく声が通り、右向けば女役、飛び跳ねて左側になり男役と変わり、本当に女性の顔に見えてくるから不思議。これぞ日本文化と言っているようだ。そして嫌な女や閻魔様の轟くような声を出して衣装も前のままなのに別人に見えるので、退屈させない。衣装は巫女姿になるためと、後は錦織の狩装束のようなものの2回羽織って替えた。
 ミイラのような変わり果てた姿の小栗(人形)を黒子が操り…中西和久に渡し、そして影へ。このミイラのような痩せさらばえた姿の人形がハンセン氏病の罹患患者も象徴している。
 どこからこの芝居を見いだしたのか?「ちば演劇を見る会」の役員さんは偉いものと思った。
 
  これが済んだら、またず~っと夜になるまで楽しんでしまうが、お馴染みメンバーがいないし…キョロキョロしていたわけではないが、珍しく役者の幟がたっていたので、閉場後のざわつきのなかで、ちょっとパチリと、三人で交代にカメラ目線をしていたら…! 「Oさん!」と文学散歩の「Someyaさん」が呼び止めてくださった。
 
 Someyaさんは、小鼓を長いことお稽古、舞台も踏まれている。千葉市の主催する「市民文化芸術大学」―文学美術音楽部門で、ご一緒した方―偶然文学散歩にお誘いできて、私たちの参加メンバーになられた。
 だから、能や狂言にはとても親しんでおられて劇場が引けて、本当に偶然呼び止められたが、生き生きと水を得た魚のような感激したお顔にお会いできた。
 その後、私たちメンバーは甘味どころで寛ぎのひとときを楽しんだ。低気圧が関東・中部地方に停滞して物凄い土砂降りを引き起こし、道路が川のようになったりしているこの一両日。とても蒸し暑かったが、幸い雨降りの時間をかいくぐって無事に傘も差さずに帰ることができた。