いちよう:二千和会だより

 会報「いちよう」を通して、人生がさらに豊かに広がるよう「今も青春!」の心がけで楽しく交流しながら散策しましょう。

秋深く

2008年10月14日 | SO-Color

 いつの間にか実がついている。
幼いころ、花を鼻の上にくっ付けて天狗になった気分を味わったテングサ(天狗草)
とも呼んでいたヘクソカズラは誰に見られなくても静かに丸い実をつけている。
 身の程をヘクソカズラは知るのかや
小さくも丸く結んで逞しい

 秋も深くなってきた。日が暮れるのが早い。雨も冷たく感じられる。月が冴え冴えと空にある。やはり人間も時を経れば充実感を身に纏い、ある重さを伴っていければいいと思うのだけれど……それにつけても、静かだ。いつの頃か秋が好きになってきていた。この静かさ、この落ち着き…ちょっとおこがましいけれど、まとめて面倒を見てあげたくなる!
 ヘクソカズラも蔓にいっぱい実をつけて、やっぱりまとめて面倒をみてくれそうな蔓の強さ!

  
金木犀の香りにつられ小路ゆく
煉瓦坂 金木犀を散り敷いて
暮れなずむ秋明菊は確かな位置
包みこむ手のひら 頬も花びらも

 そこはかとなく訪れる月の光り、やんちゃで活発だったあの子も、眠くなってきたのか静かに動きが止まった。あたりはほんわか温かい。秋が深くなってきたね。



馬込文士村・下見②

2008年10月09日 | 会報お役立ち


                   萬福禅寺↑  

  ↓犀星の歌碑 説明板
 “笹鳴きや馬込は垣もまばらにて”

 さてこの句をどのように鑑賞しますか?
 ①冬の鶯の笹鳴きと馬込の村の寂しさを並べて…まだ成長途上であると詠んでいるのかと?句の心を解釈しました。

 *追記*
 12日は散歩会の当日です。この句の解釈について、A.O.さんは俳句にお詳しいのでお訊ねしてみました。彼女は…。
“笹鳴きや馬込は垣もまだらにて”
と読まれました。
 あ~!それでは始めから私は違う位置から鑑賞していました。何故って、①の解釈は“まばら”と万葉仮名の“は”と読んでいましたから。
 これは「まだら」。よくよく見れば「ば」ではなく、「だ」であり、それが犀星の句なのだ。
 ②春先のまだ鳴き方も幼い鶯が、馬込の里の間遠く建っている家々の敷地で、鶯もまだらに居るようす。周辺を歩いていくと鳴き声もまだらだ…という意味ではないかな?と、教えてくださった。

 山王地区と馬込地区の空気で感じる雰囲気は、やはり今でも違う。そんなところも歩くと感じられる…。 犀星はこの地にあちらこちらに足跡を残しているが、一箇所に落着かず転居好きだったのか? 向上心がより強いがゆえの行動だったのだろうか?
 *追記*  犀星の「杏っ子」のモデルにもなっている娘・朝子。愛する朝子のためを思って、弁天池の近くは湿気が多く子どもの健康に障るだろうと、万福寺の隣、高台の澄んだ空気の地形に引っ越したと言う。その近所で我らが道を尋ねたお爺さんは、「よく犀星がこの前の道を散歩していましたよ」と言われた。

             万福寺境内・室生犀星の歌碑↓
 
 これも万福寺境内。下見①でも扱っている「景時の墓」について。

 デジカメは凄く役に立つと感じる。読もうと思えば読みとれる案内文の文字。凄いと改めて思う。
 写真を見たから行かなくても良いと私は思わない。直に歩いて自分の目で見たくなる。この立て看板が何処にあって、周りの風景はどうなのか?


 JR大森駅前に立つと、この看板がある。さあ、どんな街だろう?文士たちの住まいは残っているのだろうか? 一応、期待して歩いて行こう!ネ。
  
  
    
 写真のような案内板が道路際のあちこちにある。近くに住んで文士同志が仲良く、刺激し合って己の芸術に磨きをかけていたのだろうと思う。
 互いに「スープの冷めない距離…」というが、この場合もある意味では当てはまるのかも知れない。適当な間隔で行き来し合えるのは素晴らしいだろうなと思う。

 文士たちは、文学を楽しみ、他の作り出す芸術を理解し、情熱をかけてそれぞれの持論を展開させて、口角泡を飛ばしていたのだろうか? 時にはダンスやマージャン、相撲なども興じ、遊びも取り入れながらの交流…何だか考えると理想的だ。
 実際のところの微妙な心模様はどうだったか測り知れないが…? 自分も文学者になったとしてぇ!?…などと想像しながら歩くのも面白いかも知れない。



馬込文士村・下見①

2008年10月08日 | 会報お役立ち

 
 
  
                                  
 噂に聞きし…文士村。その当時の文士たちがレリーフで勢ぞろい。彼らは文化的生活を楽しみ、友好を広めて特別階級を気取っていたのでは? そしてその近隣に居を求め、文士と呼ばれる仲間たらんと頑張って努力を重ねた輩もいるだろうなぁ、なんて見方もできる。レリーフは視覚的ゆえにさらに深く想像もされるのである。
 ここは、大森駅のまん前、天祖神社のめぐる石段沿いにある。


 しかし、下見時、傾斜勾配の感じられる道より奥まった階段を横目にスタスタと通り過ぎてしまい、尋ねながらぐるりめぐってやっと出会えたレリーフ群…だったが、判ってしまえば何故通り過ぎたかと不思議なくらいに、気になる階段ではあった。その神社の階段ぐるりと取り囲むようにしてレリーフはあった。
  
 

  このページでのご紹介の順序は実際の下見と異なる。最初は坂道を通って、大田区立山王会館へと向かい、その途中レリーフ群にようやく辿り着いて昼食。かなり疲れたところで、昼食を摂るための一休みは有り難かった。
そしてまた、山王会館方面に戻ったりして、その辺りをぐるぐる巡ってしまった。
 訪ね廻っているとき、犬の散歩のご夫人に望翠楼ホテル跡を尋ねたり、地図と照らし合わせて歩きまわり、結局見つからない?ホテル。多分あれだろう…などとはっきりしないが、想像力逞しくと言われた山田先生を思い出してもいた。
 レストランを出て元気を回復された伊藤会長と、快くご協力を申し出て助けてくださった小島さんのスナップ写真を撮る。ちなみに、どちらのお方もこの記事アップしている私を、撮りましょうとは言ってくれなかったよ~(^!^;
       
 室生犀星が住んでいた跡という標識の写真を撮っていたら、その木の葉の影が邪魔だろうと、枝葉の影を避けてくださって涙ぐましき協力体制! ありがとうございます。恐縮です!
              
 万福寺では、史蹟・梶原景時公の墓所も見つかり感激気分。
 その間の道程では、富士講燈籠。そこにはもう花の時期も過ぎた彼岸花がそっと私たちの目を休めてくれたりした。
 
  万福寺は立派なお寺である。
 そしてもう一つの見所たるお寺は池上本門寺のお会式。散歩当日は「万灯行列」に合わせて当てたから、かなりの人出となろう。この行事を楽しみに参加される方も多いと思う。日も暮れてからという時間帯なので、これは自由参加としたい。きっと思い出に残るような印象的風景を期待されると思う…しかし日暮どきでは遠い所からの参加のために、帰りのことが気になる。
 また、ご朱印帖を忘れずにご持参なさるとよいかも知れない。
 そして坂が多い街ということを念頭に置いて、それなりのおつもりでお出かけくださることをお願いしたい。
 この度の下見は、区立郷土博物館で、帰路についた。この郷土博物館は2階が文士たちの展示室で充実していたし、その生活など近親者が語っているとかをビデオで拝見できる。これは文士の方たちを身近に感じられる具体的な企画と感じた。

 散歩当日はゲストもいれて総勢25人の参加のお返事を頂いた。多分快い疲労感と満足感を抱いてお帰りなされるのではないかと思われる。乞うご期待!というところか!

 
 


フェスティバル便り

2008年10月07日 | SO-Color
         
 10月4,5日に開催、とある市の第12回福祉センターフェスティバルに出向いた。たまたま、SOの妹が着物のリフォームサークルで講師を務め指導しているため、応援のつもりで二千和会の親しい仲間、KMさんにもお誘いしてみた。
 KMさんは、ちょうど予定が空いていてお近くだったのでお見えくださった。
  
 タンスの中で眠っている和服、上等な素材の絹ものが後生大事にしまったままでは勿体無いじゃないか…という考えから、着物のリフォーム教室を開いている妹。その展示室には早い時間にも関わらず見物のお客さんで賑わっていた。
 
 非売品で製作者ご自身のための洋服に代わった(リフォームされた)着物素材の作品が並べられている。どれも素敵だ。そんな中に、試着も出来て販売品もある。着物地で作ったブラウスやジャケット、特に浴衣地のチュニック丈のブラウス~ふわっと着られ大きさも手頃で素材も涼しげな、これはリフォームではなく、新しい反物から作られているもの~だったが、求めたいと思って試着してみたら、残念! 拝見している場合と実際着てみると、自分のイメージとはややずれていたので、やめてしまったが!
  
 指導している妹と指導者よりもちょっと年上の生徒さんと。
 作品には指導者の色彩センスも光って、素材を如何に活かすかでは目を見張り感心するものばかりであった。
 販売品では、手近で使い良さもあるバッグ、ブローチ、ネックレス、いろいろな大きさ・形のポーチ、パッチワークの作品など全て着物などからのリフォーム作品であった。
 見ているとどれも欲しくなるような物…しばらく品定めや鑑賞をしているうちに、タイムリミット! 急いで母のもとに駆けつけなければならない時間!
   
 慌ててKMさんにもお別れで…。彼女はまだまだ、楽しいと他の展示品(絵画・陶芸・ちぎりえ・書道などの作品)をご覧になって帰ったそうだ。

知らん顔する海

2008年10月06日 | SO-Color


 今はもう秋、誰もいない海…う~ん、今朝は薄曇ながら清々しくていい空気。
 広々とした海を眺め日常の慌しさと少し雰囲気を変えて、秋の海を独り感傷的に見渡す。


 遥か彼方に大型船が移動している。いいなあ、こんなときもあっていいよね。
 朝7:30に家を出て8:30が集合だから、遠い私は少し早めに到着した。
 ここは茜浜パークゴルフ場。まだ皆さんが来ないひととき海を眺めていた。パークゴルフは始めてから今回で7回目。先生のお話だと、一番ゴルフに近いルールで、本当のゴルフよりも手軽に遊べるという。それならと、ちょっと体験してみる。
 今回はコンペということだが、ちょうど終了の頃に、ここを出発すれば、母の食事介護に間に合う。

 一応試合中に、デジカメを取り出して班を組んだ皆さんをこっそり撮影。私は初めから点数にはあまりこだわらずに楽しんで運動ができることに主眼を置いているので、撮影にもちょっと手を出して…なんて下手だからの言い訳か! グループの皆さんも点数にはこだわっているようではなくて、楽しむつもりの参加をなさっているのだ。そしてルールを学びながら、ボチボチとボールを打っている雰囲気だ。
  
 お上手な方はハンディ12とか。やはり男性がいつも優勝なさる。
 上の写真は点数申告中。お世話役が纏めて、賞品を手渡してくださる。今日は3班11名が参加した。女性の一番良かった方には、T先生が、お料理自慢の奥様の手作りあじ味噌つき、インターネットで取り寄せた特においしいという里芋や手作り食パン、また時には女性に限って「特製手作りショウガ佃煮」瓶詰めを持って来られたりで、楽しみなのだ。私はそれが狙い。今日は北海道から取り寄せたというホクホク南瓜だった。 でもなかなか!いつも一番最後…悪い点数が私なんだもの。
 しかし……今回は初めて参加の方がいらしたので、ブービー賞を頂けたのだ。代わりに次回の世話人になるんだけれど、今日のブービー賞はズワイ蟹缶をずしりと3缶を頂いて嬉しい…!! と思う間もなく、「皆さんお先に!」とばかりに、母の居る施設に一目算に向かった。

 “あかしあコース”と“あじさいコース”があり、 2ラウンド約2時間で競う。いつの間にか楽しみながらウォーキングをしていることになり、最初の頃は1ランドですっかり疲れて集中力も無くなり、あきらめの体であったのだが、この頃はマイボールも買って、ようやくやる気になったと自己評価している。

 二千和会の皆さん!パークゴルフのお仲間になりませんか? 私の車でご一緒しませんか? お仲間を募集中です。当方にご連絡ください。
 *クラブ・ボール貸してくださって1500円(65歳以上は1000円)で、時間が許される方は一日中遊べる。
 


演劇を見る会 (9月)

2008年10月03日 | SO-Color

   6週間のダンスレッスン (草笛光子・今村ねずみ 出演)
               
 実年齢が70歳を疾うに過ぎている草笛光子は、体もこんなに柔らかな美しさ。よく人から見られている職業は年相応に老いては居られないとか、常に美しいと言われていたいという情熱が、最大限気をつけて年を重ねているから実現するのだという。

  105回ちば演劇を見る会の例会は、充分に目を楽しませて魅せてくれたベテラン俳優、草笛光子のダンスも少し見せてくれるお芝居(シアター・フォーラム。相手役の今村ねずみに対してはテレビにも出演していないので知らなかったが、この方もまたスマートで軽妙ないい俳優だと思えた。
  
 
 72歳の未亡人と、若い(50歳くらい)ダンス出張教授の人生の機微や哀しさ、そしてウィットに富んだ台詞で展開する物語。年を取ってからの侘しさ、用心深さ、頑なさなど演出で見せてくれた。行動や考え方などの滑稽さや納得するところ、洒落ている。そして来るべきその年まで元気でいたいもの!美しくありたいね!と、思って観劇した。
             
 娘たちは私の誕生日にメッセージを送ってくる。この度もまた。「いつまでも若くてかわいいママでいてね。お誕生日おめでとう。これからの年も素晴らしい日々でありますように」 とか 「元気が一番!体に気をつけてますます楽しい毎日を過ごしてね 私たち家族も応援しています」 なんてメッセージカードや、ケータイメールで送ってくる。
 そうね、一般人も気をつけて年をとっていきたいと願い、一生懸命に日々を過ごしていきたいと思う心がけは大切ですよね。
            
 役柄ではなくて、草笛光子という俳優の生き方を垣間見るような素敵さを感じて観ていたひとときだった。