本棚7個じゃ足りません!

引っ越しのたびに蔵書の山に悩む主婦…
最近は二匹の猫の話題ばかりです

『昼下がりの情事』

2006年05月24日 | 映画・DVD・テレビ

恋の駆け引きって難しい…。
真正面から体当たりの愛情が伝わらない時は、
わざとクールな振りして
殿方の気を引くのも手だと知りつつも。
実際はなかなか映画のようにうまくは行きません。

気持ちを隠せないわたしには
何の影響も及ぼさなかったけれども(笑)、
ちょっと背伸びする女心に共感する作品。
モノクロ時代のオードリーが、清純で愛らしい。

『昼下がりの情事』1957 監督 ビリー・ワイルダー
 出演 オードリー・ヘップバーン ゲーリー・クーパー

 パリの音楽学校に通うアリアーヌは、私立探偵の娘。ある時父の事務所にやって来た依頼者が、妻の不貞を知り、逆上。浮気相手の男を消そうと外へ飛び出した。それを阻止しようとしたアリアーヌは、依頼者の妻の愛人フラナガンを助けることになる。彼は富豪でプレイボーイ。早速アリアーヌを口説きにかかる。愛することを知らないフラナガンに恋したアリアーヌは、正体を隠して彼との逢瀬を続けるが…。

  <ネタバレ注意です!>

女泣かせだった熟年のプレイボーイが、
若い娘に振り回されるのも因果というものでしょうか。
自分の女性遍歴は棚に上げて、
彼女の交友関係にやきもちを焼く男というのも、
巷にはよくある話。
その辺の中年男の哀愁というか、滑稽さがよく描かれております。

小ネタも楽しいワイルダー監督。
フラナガンはパリではいつも専属の楽団を雇い、
ここぞという時にBGMを演奏させるのですが、
この楽団のサウナでの奮闘振りも笑えます。
最後の最後まで忠実な彼ら。結構好き。

 本当の愛から逃げるフラナガンを警戒させないために、
自分も“遊んでいる”振りをするアリアーヌは、健気です。
男に毛皮を貢がせたなんて言っておきながら、彼からは何もねだらず、
たった1輪の花を貰って大事にしているんだもの、
気づかないフラナガンもどうかと思う。

そうなの。この映画のオードリーって、
どんなに経験豊富そうにしてみても、
見るからに純真で無垢な雰囲気なんだけど。
…もしかして、そのギャップが駆け引きなのかしら?
子供のようにあどけない目をしているのに、
実は発展家らしい彼女って、なんとなく興味をそそる、という。
男心は想像ができませぬ。
(だから常に直球勝負なのよね、わたし…

さてこの映画、何度も観ているのですが、どうしても分かりません。
二人に実事はあったの?なかったの?
(たはー。いつも馬鹿なことばかり考えてすみません
ないって考えるのが普通なんでしょうね。
どこにもそれらしきことは描かれていないし。
会うのは昼下がりだし。

でも雰囲気を盛り上げる楽団を帰した後は、二人きりで。
その後の場面は飛んでいるけど、
アリアーヌは帰り支度の時に、
バスルームで髪を梳かしているのですよね。
その他の場合では、ナゼか脱げた靴を探しているし。
フラナガンは室内着を着ていたりするし。
これって、さりげなーく大人の空気を出しているのかなぁ。
深読みしすぎなんでしょうか?

雑念だらけだとそう見えるのだ!と皆様から叱られそう…。
いや、真面目に真面目に考えて、
プレイボーイのフラナガンが相手なんですもの。
ねえ?(なーんて。本当はどっちでもいいんですけど☆)

昔の映画って、あからさまじゃないところが
妄想をかきたて…いやいや、上品でいいですよね。




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