以前、二つの群の差が同じだとすると比較対象とする人数は多い方が統計学的な有意差が出やすい事をお話しました。これは逆に言えば、差が少ない場合でも比較対象とする人数を多くすれば有意差が出てしまう事でもあります。その例をお話したいと思います。
心筋梗塞や脳梗塞は血中のコレステロールが高いとなりやすい事はよく知られています。そこでコレステロールを下げる薬が開発された訳ですが、この薬は何種類もあり「・・・スタチン」と物質名の最後にスタチンという名前が付く事から、それらを総合してスタチンと呼ばれています。スタチンがいかに有効であるかを調べた報告はたくさんあります。その中の1つをご紹介したいと思います。
2002年にPROSPERという研究の結果が発表されました。その研究では、70歳から82歳の方で、メバロチンと言うスタチンを1日40mg内服した2,891人と内服していない2,913人を3年間比較して、スタチンを内服しない群の心筋梗塞と脳梗塞(軽症、重症、死亡の全てが含まれています)の発症率は16.2%だったのに対して内服していた群の発症率は14.1%で統計学的に両群間に差があったという結果だったために、スタチンを内服する事は心筋梗塞と脳梗塞の予防に有用だと結論づけられました。(Lancet. 2002;360:1623、これはランセットという専門誌の2002年360巻1623ページから掲載されているという意味です)インパクトファクター★★★★☆、研究対象人数★★★★★。
この研究は対象人数も多く、著名な専門誌に発表された有名な研究ですが、よく考えてみるとスタチンを内服していても心筋梗塞や脳梗塞を発症した人が85.9%も存在しますし、逆にスタチンを内服していなくても心筋梗塞や脳梗塞を発症しなかった人が83.8%も存在します。このように考えると、この研究だけに限ってみると、それほど有用な気がしないのは私だけでしょうか。
心筋梗塞や脳梗塞は血中のコレステロールが高いとなりやすい事はよく知られています。そこでコレステロールを下げる薬が開発された訳ですが、この薬は何種類もあり「・・・スタチン」と物質名の最後にスタチンという名前が付く事から、それらを総合してスタチンと呼ばれています。スタチンがいかに有効であるかを調べた報告はたくさんあります。その中の1つをご紹介したいと思います。
2002年にPROSPERという研究の結果が発表されました。その研究では、70歳から82歳の方で、メバロチンと言うスタチンを1日40mg内服した2,891人と内服していない2,913人を3年間比較して、スタチンを内服しない群の心筋梗塞と脳梗塞(軽症、重症、死亡の全てが含まれています)の発症率は16.2%だったのに対して内服していた群の発症率は14.1%で統計学的に両群間に差があったという結果だったために、スタチンを内服する事は心筋梗塞と脳梗塞の予防に有用だと結論づけられました。(Lancet. 2002;360:1623、これはランセットという専門誌の2002年360巻1623ページから掲載されているという意味です)インパクトファクター★★★★☆、研究対象人数★★★★★。
この研究は対象人数も多く、著名な専門誌に発表された有名な研究ですが、よく考えてみるとスタチンを内服していても心筋梗塞や脳梗塞を発症した人が85.9%も存在しますし、逆にスタチンを内服していなくても心筋梗塞や脳梗塞を発症しなかった人が83.8%も存在します。このように考えると、この研究だけに限ってみると、それほど有用な気がしないのは私だけでしょうか。