医者から詳しく聞かされない医療情報:セカンドオピニオン

誤解と批判を恐れない斜め後ろから見た医療情報

肝硬変の予後

2005年12月25日 | 消化器
ウイルス性肝炎による慢性肝炎やアルコール性肝障害などによる肝障害のために肝臓が何度も繰り返してダメージを受けると、組織に線維化が生じて肝臓全体が硬くなり同時に機能しなくなります。この状態を肝硬変といいます。肝硬変は肝臓病の終末期の姿ともいわれ、肝臓がんのほとんどが肝硬変から発生します。肝硬変の原因別の予後の報告です。

Long-term survival and cause-specific mortality in patients with cirrhosis of the liver: a nationwide cohort study in Denmark
Journal of Clinical Epidemiology. 2003;56:88.からの報告です。
(インパクトファクター★★☆☆☆、研究対象人数★★★★★)

1977年からデンマークの病院に入院した肝硬変の患者10,154人(平均年齢56.9歳)が調査されました。最初の1年で38%が死亡しました。そのうち56%の死因は肝硬変に関する(肝不全、食道静脈瘤破裂、肝性昏睡)ものでした。

10年生存率は、アルコール性肝硬変で34%、原因不明の肝硬変で32%、原発性胆汁性肝硬変で59%、ウイルス肝炎性で66%と、原因によりかなり異なっていました。

全体で見ると肝硬変患者の死亡率はそうでない患者の5倍で、肝硬変を原因としない死亡(心臓病、肺炎、自殺、事故など)も高かったようです。その死亡率は感染症で5倍から22倍、消化器病で8倍から14倍でした。

欧米ではアルコール性肝硬変が一番多いのですが、日本ではウイルス肝炎性です。ウイルス肝炎性肝硬変の10年生存率が66%というのは、高いともいえるし低いともいえる微妙な結果です。

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コメント (13)
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