昨年11月21日にインフルエンザ治療薬タミフルの具体的な有効性についてお伝えしました。
タミフルの有効性
最近53編の論文の結果をまとめて、タミフルも含めたインフルエンザ治療薬の有効性を調べた論文が発表になりましたのでお伝えします。
Antivirals for influenza in healthy adults; systematic review.
Lancet. 2006;367:303.
(インパクトファクター★★★★★、研究対象人数★★★★★)
53編のうち34編は「シンメトレル」という今ではほとんど使われていない薬のことですから、「タミフル」と「リレンザ」に関する19編に関してご紹介します。無作為試験だけを抽出し、膨大な数を対象としていますから、とても信頼性が高い結果だと思います。
具体的な数字は示されていないのですが、タミフルが有効であったのは、症状の期間(使用していない群では1.30倍)、通常の生活に戻るまでの期間(使用していない群では1.34倍)、気管支炎の合併(使用していない群と比較して0.40倍)、肺炎の合併(使用していない群と比較して0.15倍)、すべての合併症(使用していない群と比較して0.39倍)でした。
一方、有効性が認められなかった項目はすべての原因による入院(使用していない群と比較して0.40倍)と抗生剤や他の感染症治療薬の使用(使用していない群と比較して1.01倍)でした。
吸入治療薬リレンザに関しても同様でしたが、タミフルと異なったのは、通常の生活に戻るまでの期間(使用していない群では1.28倍)に対して有効と認められなかったことでした。
副作用は嘔気(使用していない群と比較して2.29倍)のみが統計学的に使用群で多かったとされ、嘔吐、下痢、腹痛、消化器症状は使用群で多かったとはいえませんでした。
症状に関しては、タミフルとリレンザは同様に、インフルエンザによる咳、頭痛、下痢、鼻水、咽頭痛を改善させてはいませんでした。
まとめますと、インフルエンザ治療薬タミフルとリレンザはインフルエンザの症状自体を改善しないものの、病期を短くして(具体的には以前お伝えしたように4日を3日に短縮する)肺炎や気管支炎といった合併症の頻度を下げます。
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タミフルの有効性
最近53編の論文の結果をまとめて、タミフルも含めたインフルエンザ治療薬の有効性を調べた論文が発表になりましたのでお伝えします。
Antivirals for influenza in healthy adults; systematic review.
Lancet. 2006;367:303.
(インパクトファクター★★★★★、研究対象人数★★★★★)
53編のうち34編は「シンメトレル」という今ではほとんど使われていない薬のことですから、「タミフル」と「リレンザ」に関する19編に関してご紹介します。無作為試験だけを抽出し、膨大な数を対象としていますから、とても信頼性が高い結果だと思います。
具体的な数字は示されていないのですが、タミフルが有効であったのは、症状の期間(使用していない群では1.30倍)、通常の生活に戻るまでの期間(使用していない群では1.34倍)、気管支炎の合併(使用していない群と比較して0.40倍)、肺炎の合併(使用していない群と比較して0.15倍)、すべての合併症(使用していない群と比較して0.39倍)でした。
一方、有効性が認められなかった項目はすべての原因による入院(使用していない群と比較して0.40倍)と抗生剤や他の感染症治療薬の使用(使用していない群と比較して1.01倍)でした。
吸入治療薬リレンザに関しても同様でしたが、タミフルと異なったのは、通常の生活に戻るまでの期間(使用していない群では1.28倍)に対して有効と認められなかったことでした。
副作用は嘔気(使用していない群と比較して2.29倍)のみが統計学的に使用群で多かったとされ、嘔吐、下痢、腹痛、消化器症状は使用群で多かったとはいえませんでした。
症状に関しては、タミフルとリレンザは同様に、インフルエンザによる咳、頭痛、下痢、鼻水、咽頭痛を改善させてはいませんでした。
まとめますと、インフルエンザ治療薬タミフルとリレンザはインフルエンザの症状自体を改善しないものの、病期を短くして(具体的には以前お伝えしたように4日を3日に短縮する)肺炎や気管支炎といった合併症の頻度を下げます。
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