医者から詳しく聞かされない医療情報:セカンドオピニオン

誤解と批判を恐れない斜め後ろから見た医療情報

タミフルの有効性(その2)

2006年02月19日 | インフルエンザ
昨年11月21日にインフルエンザ治療薬タミフルの具体的な有効性についてお伝えしました。
タミフルの有効性
もう一編、有効性と安全性を検証した論文があります。これから別の情報も得られますのでご紹介したいと思います。

Efficacy and safety of oseltamivir in treatment of acute influenza: a randomised controlled trial. Neuraminidase Inhibitor Flu Treatment Investigator Group.
Lancet. 2000;355:1845.
(インパクトファクター★★★★★、研究対象人数★★★☆☆)

インフルエンザに罹患した726人を対象として、タミフル75mgを一日一回内服する群(243人)と、75mgを一日二回内服する群(日本での通常量です)(245人)と、プラセボ群(238人)(タミフルと同じ形の偽薬)を内服する群に分けられました。

インフルエンザの症状のある期間はプラセボ群で中央値が116時間であったのに対して、75mg/日内服群では87時間、150mg/日内服群では81時間に短縮されました。

つまり内服しないと5日間続くインフルエンザの症状が3日半に短縮されるということです。

症状に対するタミフルの効果は内服から24時間以内に現れました。症状の出現から24時間以内に内服を開始した場合は症状の期間は75mg/日内服群で43時間、150mg/日内服群で47時間短縮されました。

スコアー化された病状や、症状による睡眠の障害や日常生活の質はタミフルの内服で有意に改善しました。

つまり、インフルエンザの罹患後24時間以内にタミフルの内服を開始した場合はとても効果があるということです。

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コメント (1)
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