イソフラボンは大豆などのマメ科の植物に多く含まれており、エストロゲン(女性ホルモン)様の作用があるため、骨粗鬆症、更年期障害の改善に効果があるといわれています。大豆イソフラボンを売りにした健康食品も多いのですが、穏やかながらエストロゲン様の作用があることから過量摂取すると人体に悪影響の出る恐れがあるともいわれています。
イソフラボンが本当に骨粗鬆症や更年期障害の改善に効果があるのかを、ランダマイズ試験で調べた論文があります。
Effect of soy protein containing isoflavones on cognitive function, bone mineral density, and plasma lipids in postmenopausal women: a randomized controlled trial.
JAMA. 2004;292:65.
(インパクトファクター★★★★★、研究対象人数★★★☆☆)
60歳から75歳までの閉経後の女性202人を対象に、99mgのイソフラボンを含む25.6gの大豆タンパクを摂取する群と、粉末の牛乳タンパクを摂取する群にわけ、摂取開始1年後にアンケートによりうつ状態、精神状態の評価、試験により記憶能力、聞き取り能力、認識能力、レントゲン検査により臀部、脊椎の骨密度、血液検査により血中コレステロール値が調査されました。
202人のうち175人が1年間の摂取を完遂でき、genisteinというイソフラボンの血中濃度は、イソフラボン摂取群で615.1nmol/L、牛乳タンパク摂取群で17.2nmol/Lでしたが、上記の調査項目すべてに関して両群で差がありませんでした。
この研究の調査期間は1年間ですから、長期間での結果は不明ですが、少なくとも1年間ではイソフラボンは効果がないということです。
さらに、食品安全委員会では、生殖機能が未発達な乳幼児及び小児に対して、特定保健用食品として大豆イソフラボンを日常的な食生活に上乗せして摂取することは、安全性が明確でないかぎり、推奨できないとしています。
健康食品って、あまり良いデータがないですね。
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