今日は当直明けです。
当直明けだとどうしても研修医に対する愚痴になってしまいます。
夜の11時ごろ、重症の心不全の患者さんがどうしても自宅に帰りたいと言いだしました。強心剤の点滴を中止して自宅に帰ることは生命の危険があるとの説得に応じてしただけませんでした。死んでもいいから自宅に帰るということであれば、その要求を拒否するかどうかは別の問題として、ご家族の方も呼んでほしいと言われるのでお呼びし説得を続けました。
私と精神科の医者で対応はできましたが、「帰れないなら、飛び降りる」とも言われましたので、さすがに担当の研修医にも状況を把握してもらっていた方がいいと、担当の研修医に電話しました。
研修医は病院から車で3時間ほど離れているところに遊びに来ているので、すぐには戻れないとのことでした。
幸い、その患者さんは担当医に来てほしいとは言っていませんでしたので、研修医に病院に来てほしいとは私からは言いませんでした。土曜日でもあるし、私が当直医ですから私の仕事です。
2時間ほど説得を続け、精神科の医者との相談の結果、鎮静剤の注射で患者さんは休まれました。
この件はともかくとして、研修医として「研修」の身にある医者が、強心剤の点滴を続けている重症の心不全の患者さんを担当していながら、車で3時間ほど離れているところに遊びに行っているのは、私が研修医の時代からは考えられないことです。
今回は病状に変化がある事態ではなかったのでよかったのですが、この患者さんの状態が急変した場合は、どうすればいいのか。遊びに行ってはいけないと言うのではなく、そういう患者さんを担当している時は、常識として(私の常識がずれているのかもしれませんが)、もう少し近くに遊びに行く方がいいと感じた次第です。
これぐらいの「志」を研修医に要求することは、労働基準監督署や研修医を過労で亡くした知人の方々からお叱りをうけてしまうことかもしれません。
しかし、この研修医たちはあと10年すると日本の医療を支える重要な影響力を持っていきます。医者も3時間離れたところに遊びにいきたいでしょう。交通の不便な所よりも便利な所に住みたいでしょう。田舎より都会に住みたいかもしれません。
田舎の病院の今の医者不足を解消するために、世間はそういった利便性を度外視した、「志」を持った医者を捜しています。今、研修医を今回のように育ててしまうことは、10年後にはそれぐらいの「志」で国民の健康が支えられるということになってしまいます。
一方で、世間は研修医の労働条件の改善をめざしています。そうすると、今の世の間は医者に対して矛盾した2つのことを要求しているのではないかと思えるのです。
難しい問題です。
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当直明けだとどうしても研修医に対する愚痴になってしまいます。
夜の11時ごろ、重症の心不全の患者さんがどうしても自宅に帰りたいと言いだしました。強心剤の点滴を中止して自宅に帰ることは生命の危険があるとの説得に応じてしただけませんでした。死んでもいいから自宅に帰るということであれば、その要求を拒否するかどうかは別の問題として、ご家族の方も呼んでほしいと言われるのでお呼びし説得を続けました。
私と精神科の医者で対応はできましたが、「帰れないなら、飛び降りる」とも言われましたので、さすがに担当の研修医にも状況を把握してもらっていた方がいいと、担当の研修医に電話しました。
研修医は病院から車で3時間ほど離れているところに遊びに来ているので、すぐには戻れないとのことでした。
幸い、その患者さんは担当医に来てほしいとは言っていませんでしたので、研修医に病院に来てほしいとは私からは言いませんでした。土曜日でもあるし、私が当直医ですから私の仕事です。
2時間ほど説得を続け、精神科の医者との相談の結果、鎮静剤の注射で患者さんは休まれました。
この件はともかくとして、研修医として「研修」の身にある医者が、強心剤の点滴を続けている重症の心不全の患者さんを担当していながら、車で3時間ほど離れているところに遊びに行っているのは、私が研修医の時代からは考えられないことです。
今回は病状に変化がある事態ではなかったのでよかったのですが、この患者さんの状態が急変した場合は、どうすればいいのか。遊びに行ってはいけないと言うのではなく、そういう患者さんを担当している時は、常識として(私の常識がずれているのかもしれませんが)、もう少し近くに遊びに行く方がいいと感じた次第です。
これぐらいの「志」を研修医に要求することは、労働基準監督署や研修医を過労で亡くした知人の方々からお叱りをうけてしまうことかもしれません。
しかし、この研修医たちはあと10年すると日本の医療を支える重要な影響力を持っていきます。医者も3時間離れたところに遊びにいきたいでしょう。交通の不便な所よりも便利な所に住みたいでしょう。田舎より都会に住みたいかもしれません。
田舎の病院の今の医者不足を解消するために、世間はそういった利便性を度外視した、「志」を持った医者を捜しています。今、研修医を今回のように育ててしまうことは、10年後にはそれぐらいの「志」で国民の健康が支えられるということになってしまいます。
一方で、世間は研修医の労働条件の改善をめざしています。そうすると、今の世の間は医者に対して矛盾した2つのことを要求しているのではないかと思えるのです。
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